
経営競争基盤(IGPI)への転職・就活を志望される方向けに、他のコンサルティングファームと比較した10大特徴を解説します。
経営競争基盤への転職・就活を考えたときに考慮すべき10ポイントとは?
著名コンサルタントで、産業再生機構で成功したカリスマ創業者つくった、経営競争基盤。
コンサルティングファームというよりかは、その名の通り経営を総合的に支援するファームを志向しており、成長著しいファームの一つです。
産業再生機構という出身母体の影響もあり、霞が関や銀行からの信頼も厚い会社です。そんな経営競争基盤への転職、就活を志望される方が面接前に押さえておきたい、10ポイントを解説します。
①幅広い案件と多様なサービスライン~コンサルのようで、コンサルティングファームではない?
経営競争基盤は、幅広いサービスラインを有しています。
コンサル、フィナンシャルアドバイザリー、投資を、大企業から小規模な企業、またベンチャーから再生案件、また豊富な政府系案件の機会があり、通常のコンサルティングファームでは経験ができない機会があります。
②社員の多様なバックグラウンド
上記多彩なサービスの提供は、その社員の多彩なバックグラウンドに起因します。
コンサルタント上りは1割程度、金融は5%程度と少なく、総合商社や事業会社からの転職組も多く、会計士や弁護士出身者も活躍しています。
このことは、コンサルファームでは一緒に働けないタイプの多様な同僚がいることも意味しますが、反面、コンサルティングファームでの働き方を追求したい人にとっては、優先度が下がる原因になっています。
③豊富な霞が関案件
創業者が産業再生機構でのバックグラウンドを有することから、政府からの信頼が厚く、霞が関系の案件が豊富に存在します。
④ハンズオンの実行支援へのこだわり
実際に「うちはコンサルファームではない」と公言するパートナーもいるくらい、現場での実行支援へも注力しています。
このことは絵に描いた餅で終わらない経験を積める反面、長期常駐プロジェクトになると何年もそのクライアント企業の一員として働くことになり、コンサルとしての経験とは程遠いキャリアになるリスクも意味します。
⑤プライベートエクイティ的な業務も経験可能
ビジネスとして投資志向を強めており、投資先の取締役や外部取締役として事業をモニタリングする、プライベートエクイティ業務的な仕事を経験する機会があります。
この点、同じく国内独立系で戦略コンサルティングファームからスピンアウトした、ドリームインキュベーターと共通するポイントです。
⑥フラットで風通しの良い企業カルチャー
人がよく、社内政治も希薄で、階層も少ない、フラットカルチャーで知られています。
階層や年齢にかかわりなく上にモノ申せる風通しのよさで知られています。
ここまでは経営競争基盤でのキャリアのメリットについて論じてきました。以下では経営競争基盤のいくつかのチャレンジについて説明します。
⑦総花的で、何かの分野でナンバーワンになれない傾向
多彩なサービスラインを提供している会社の宿命ですが、コンサル、フィナンシャルサービス、PE投資、ベンチャー投資と、どれをとっても業界ナンバーワンだといえる部門が少なく、フィーも各業界のトップ企業に比べて抑えられがちです。
⑧ブランド認知度の低さと、海外での存在感の無さ
まだ若い企業であることもあり、ブランド認知度はいまだ低いです。産業再生機構上がりの創業者の会社であることから、事業再生系の企業だと誤解されている節もあります。
また多様なサービスを手掛けるために、何をしているのかよくわからないという印象にもつながっています。
海外でのブランド認知度は極めて低く、ファームとして海外進出が課題になっています。(実際に若いディレクターやパートナーが、上海やシンガポールやフィンランドなどに送られています)
⑨業界では低めの給与水準
労働時間の割に給料は他社比低めで、トップティアのコンサルティングファームや金融機関からタレントを引き抜くことができません。
パブリックマインドの強さから利益率の低い案件に人を割くこともあり、平均賃金は低めです。したがって、給与水準でキャリア選択される際は、優先度が低いファームとなります。
新卒は500万強で始まり、その後のパフォーマンス評価にもよりますが大体3年目で750万前後、30歳でも千万弱で、総合系コンサルティングファームやドリームインキュベータ―に比べても若干低い水準になります。ただし業績好調の時はボーナス率も高く、コミコミでこれら他社の水準に近づきます。
⑩若手人材の定着率の低さ
上述のいくつかのチャレンジの組み合わせにより、若手の定着率が非常に低いことでも知られています。給料が安く抑えられているため、転職時に提示される給与のアップ率が高く、転職を選ぶ人もいます。
結果的に採用市場で経営競争基盤はかなりアクティブですが、これらメリット、デメリットを踏まえた上で、ご自身のキャリアビジョンとのフィットの高い転職・就活判断に繋げていただければ幸いです。