
東京海上日動火災保険は、東大生人気就活ランキングで常連の人気企業の一つです。安定企業、マーケットリーダー、高収入、そして解雇無し。人材の品の良さと人材育成へのコミットメントの強さは、企業ビジョンである”To be a good company”を体現している反面、向いていないタイプの人も確実に存在します。以下でその特徴を解説します。
東京海上日動火災保険~損保業界の三菱商事のPro & Conとは?
1.今どき終身雇用で今後も終身雇用のド安定企業
東京海上日動火災保険は、その資産規模、バランスシートの強さ、市場シェア日本有数の安定性を誇り、今どき終身雇用を今後も長らく保証できる、数少ない企業の一つです。
高水準の給料の割に解雇になることはまずなく、「高給サラリーマン安定志向」の人にとって、非常に魅力的な職場を提供しています。
三菱商事などを志望する人にとって、非常にフィットの高い会社だと言えるでしょう。
2.三菱系ならではの”王道ビジネス”~市場リーダーの圧倒的ブランド
三菱系であり、三菱商事と同様「王道ビジネス」をモットーとしています。
損保業界で不動のナンバーワンの地位を築いており、多様な業種のマーケットリーダーとビジネスを損保ビジネスを展開しています。
社会的名声を気にする三菱系の中でも、保険は最も慎重でコンサーバティブな姿勢が求めらるので、型破りなアントレプレナータイプには向いていません。
しかし逆に、安全志向、安定志向、ブランド志向の人にフィットの高い職場だと言えるでしょう。
3.M&A、海外進出に熱心
国内市場の成熟を受け、M&Aや海外進出、海外企業買収に積極的な企業です。
またスタートアップとの協業にも力を入れています。
グローバルコースに入れば英語で海外勤務の機会も豊富であり、ドメスティック志向の強い保険業界でありながら、グローバルに働く機会を得ることも大きな魅力の一つです。
4.流動性の低い新卒重視文化
ここがコンサルや外資系企業との大きな差なのですが、人材流動性の低さは三菱商事以上に低いです。
終身雇用だからこそ、新卒採用から社員の成長に投資することもあり、一度入ると、ある意味「会社人間」になるリスクがあります。
東京海上日動火災保険は居心地が良いこともあり、外部への転職に踏み切れないことが多いです。
結果的に「やりたいことを見つけるための腰掛3年」くらいの気持ちで入った人が、そのまま「立派に定年まで勤めあげてしまう恐れがある会社」でもあります。
(別にそれでもハッピーな人はいるので、ご自身が仕事に何を求めるか次第なのですが。)
5.多すぎる社内の飲み会や研修
終身雇用前提の企業特有のダウンサイドも存在します。
人間関係の密度が濃く、社内飲み会や行きたくない研修が多いのも、三菱系企業に共通する特徴です。
個人主義で「濃密な人間関係は苦手」というタイプにとっては、不合理な息苦しさを感じてしまうこともあるでしょう。
6.長居すると、外で使い物にならない人に?
これは終身雇用・年功序列(たまに若手抜擢もありますが)・安定高給企業の共通点です。
このような特徴を有する企業では、「市場価値」を高めるより「社内価値」を高める機会が多いため、長居しすぎると、他の業界で使い物にならない「保険おじさん」になりかねないリスクがあります。
高学歴層に人気のあるマッキンゼーなどと比べると、終身雇用VS数年雇用が大半、年功序列VS実力主義、社内価値VS市場価値、安定志向VS成長志向といった大きな違いがあることを知っておきましょう。
以上を踏まえたうえで、ご自身の性格や価値観とのフィットを考える一助にしていただければ幸いです。