
30前半までは、転職する時にエージェントのお世話になることも多いモノ。しかし急増する転職エージェントは、その質も玉石混合です。本来エージェントの付加価値は、企業と候補者双方を深く理解し、スキル・カルチャー・ビジョンのフィットを重視したマッチングをすることにあります。しかし中には、別にエージェントを介さずとも応募できるオープンポジションの紹介や、案件もないのに「とにかく一度会いましょう」などと、この御時世にも関わらず直面談に拘る、ちょっと時間の無駄になる残念エージェントも多く存在します。
こんな転職エージェントは嫌だ!大迷惑エージェントの三大特長とは?
転職活動において、30前半まではヘッドハンターを仲介することが多い。30中盤になると自分のネットワークから、外に出ない情報で内密に選ばれるネットワークを構築していなければ話にならないが、30前半まではその人脈もあまり「えらく」なっていないので、ヘッドハンターのお世話になることも多いだろう。
しかしそんな中、まず困るのが、全く付加価値のない案件ばかりプッシュしてくるエージェントだ。たとえばこの御時世、HPに行けば誰でも申し込めるBCGやアクセンチュアなど主要コンサルティングファームのオープンポジションを、仰々しく「コンサル業界を御志望でしたら、BCGを提案させていただきます」などと言って、特にBCGの採用チームと強い関係があるわけでもないエージェントが、結構いるのである。
人材エージェントの質のばらつきが激しいのは、ヘッドハンターが特に資本がなくてもできるため、少しエージェント企業で働いた人や、業界に人脈のある人なら電話ひとつですぐ始められてしまうからだ。
次に困るのが、特にフィットの高い案件があるわけでもないのに、とにかく会おうとしてくるエージェントだ。彼らが依存するのが、大量の的外れなエージェントと貴方を繋いでしまう、誰でも使える人材仲介プラットフォームサービスである。
ここで辟易とさせるのが、特に案件もないのに”とりあえずお会いしましょう”などと面談を希望してくるエージェントである。
コロナショック後、極力オンラインミーティングに世の中が移行しているのに、「とにかく一度お目にかかりたい」などと、短期的にも長期的にもあう案件がないのに人の時間をとろうとするエージェントは困りものである。
そして3つ目に最も困るのが、短期で転職を繰り返させようとする、極悪ヘッドハンターだ。ヘッドハンターはできればクライアントが転職を繰り返したほうが、何度も同じ人で稼げていいという人もいる。
実際私も大手投資会社に転職した半年後に、同じエージェントからヘッジファンドの案件を紹介された。
この6か月というのがキモで、1か月以内に転職者が辞めるとフィーの8割、3か月だと5割、6か月だと2割といった具合に、その離職のスピードに応じてエージェントは顧客企業にフィーを返金しなければならないのだ。
だからこそ”半年たったら同じ駒をもう一回使おう”などという、極悪非道な焼き畑エージェントも一部いらっしゃるのである。
信頼できる転職エージェントとは~候補者と企業のフィットを深く理解できているか
それでは、数いるエージェントの中からどのような人を選ぶのが正しいのだろうか?それは、
①そもそもあなたのやりたいことやビジョンを理解しているか、
②また紹介している先の企業のニーズを理解しているか。
③転職させたいがあまり、勝手な思い込みで「この会社とこの候補者はカルチャーが合う気がする」などと思い込み激しく前のめりにならないか。
の3点が重要である。
この反対で困るのが、✔採用企業の業務内容もわからず、✔当然どのような人材が必要なのかもわからず、✔また候補者の強みや弱み、適性を見抜く力がなく、✔候補者を横流しする人身売買ビジネスのような感覚で業務にあたっている人たちだ。
実際のところ、会社側と個人の両サイドをきちんと理解できているエージェントは極めて少ないし、あなたの長期的キャリアの成功を考えて働いてくれる人はさらに少ない。
しかし非常にたまに、お金だけでなく自分が応援したい若者のキャリアのために、という志でやっている人もいるということは、業界の名誉のために付け加えておこう。