
コンサルの労働環境が劇的に改善したのは、空前のブルマーケットと人材ひっ迫を反映してのことでした。コロナウィルスショックで景気後退、企業の減益が続くなか、今後はどのように変わっていくのでしょうか?
コンサルはアップオアアウト→アップオアステイ→再度アップオアアウトへ?
コンサル業界でよく言われるアップオアアウトですが、これは多くのファームで緩くなっていました。
3年程度で目が出なければ解雇されることが多かったものですが、今では1年のばしてあげて4年目アナリストがいたりと、人材不足が影響してか、一昔前に比べてずいぶん緩くなったものです。
なおそんな中でも解雇される人は、その前触れとして「ビーチ」という仕事のない状況が続きます。これで勘の鈍い人は「仕事が暇で嬉しい」となるのですが、勘がいい人は転職活動に励みます。
実はこのアップオアアウトは、長期で見ればその人のキャリアにとって大切なことだったりもします。
たとえばマッキンゼーは比較的、コンサルに向いていない、これ以上「コンサルとしての成長はない」と判断すれば早めに実質退職勧奨をします。
しかしこれは「向いていないことに企業な若い時期を費やさない」という意味で、サンクコストを減らすうえでもありがたいことです。(しかも転職用に在籍期間を寛容にくれたりもします)
コンサルの労働環境は著しく改善~休暇も取りやすく
人材不足と働き方改革の波を受け、ブラックで有名だったセカンドティアのコンサルファームも、ずいぶん労働環境が改善されました。
あの「すぐに皆が辞める」で有名だったアクセンチュアなども、いまでは「最も人気のある企業」ランキングの常連です。
しかし問題点は、たいしてコンサルに向いていない人も、会社が人材不足でクビにしてくれないので、ダラダラと長居して長期的キャリアを危険にさらしている人も多いということです。
一昔前ならプロジェクトに入れてもらえずビーチ→ボーナスゼロ→ワーニングレター2回→退職勧奨というお決まりのコースがあったはずでした。
しかしここ数年はアップオアアウトではなく、アップオアステイとして”向いていなくても雇止めされる”不向きコンサルが大量発生していたのです。
コロナショックで、再度アップオアアウト強化?
しかし、今後この揺り戻しが起こるでしょう。
2020年前半のコロナショックで景気後退サイクルに入り、各企業が大幅な減益を記録する中、コンサルの余剰感が発生し、アップオアアウトを実質廃止してきたコンサル各社が再度人員整理に向かうものと予想されます。
ただし20台や30前半であれば、その会社でバックアップしてくれる人がいないないし弱いことの現れですので、早期に解雇されたほうが長期的にはあなたのキャリアの助けになることも多いものです。
コンサル業界で10年続いた空前の活況は終わるものだと見越して、コンサルを志望するにしても残るにしても転職するにしても、次の一手を考えるようにしたいものです。