マッキンゼー内定者10大面接回答事例~頭の良さ・主体性・忍耐を示せ!

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マッキンゼー志望者の面接内容、志望動機、強み・弱み、外資系戦略コンサルティングファームへの面接回答事例を紹介し、講評します。

大学/大学院(東京大学大学院)
学部(理学系研究科物理学専攻)
氏名    (SK) 
第一志望はどの会社ですか? 
(マッキンゼー&カンパニー)

1 なぜこの会社を志望していますか?

候補者回答

日本人の自信、アイデンティティの維持のために経済に貢献したいと考えています。

日本経済が失速してしまったとき、日本人は自信を失っていたように思います。これは子供の頃に家族や周りの大人を見ていて感じていたことです。

最近は徐々に日本経済にも明るい兆しが見えてきましたが、経済事情がそれほどまでに人々の精神状態に影響を与えるものだと認識しておらず驚きました。

幸せを感じながら生活するには、日本企業が力を取りもどすことが不可欠であると考えています。

しかし、企業経営には複雑な力学が働いていて、事業会社や金融会社あるいは研究の中で働いていては、ビジネスに必要な1つの要素にしかレバレッジできず、大きな改善は見込めないと考えています。

技術だけではビジネスとしては成立しないことを認識し、競合他社とどう差別化を図っていくかを軸に仕事をしたいと考え、コンサルタントになりたいと考えました

解説: 憂国のコンサル志望は多いが。。。

日本企業の競争力を高めて、日本を元気にする、系の話は、コンサル志望者が語るコンサル志望動機でトップ1を争うほど、最も多い志望動機の一つである。

よってこれで他社と差別化を図るなら、どのような原体験でそう思うようになったのか、実際にどのような行動をしてきたのかで説得力を増すのが望ましい。

なお個人の自信や幸せが、日本企業が力を取り戻すことと連結させているのは多少古臭いというか、下手したら全体主義的な思い込みが強いのでは、という気もするので、決めつけたような表現より、「個人的にはそうだ」という表現がよりセーフだろう。(今日日、どちらかといえば経済成長ではない、企業での生活ではない、多様な生き方を尊重しようという風潮に変わってきているので。)

2 その会社に活かせる、あなたの強みは何ですか?具体的にお答え下さい

候補者回答

サイエンスに関する幅広い知識、方法論やPCのスキルをバランスよく兼ね備えていると思います。

これは、好奇心の広さの帰結であると思います。私は、Windows95がブレイクした直後に、情報系の高校へ進学しました。これからはPCスキルが重要だと感じたのがきっかけでした。

高校では情報リテラシー、プログラミング、電気回路の基礎について学びました。

その後より深いレベルで電子技術を理解したいと考え物理学科に進学しました。大学入学後もロボットコンテストなどに参加し入賞経験もあります。

理論だけではなく実際に回路を組立て、プログラミングまでしていました。
好奇心は様々な業種を相手にするコンサルタントにとって、重要な資質であると考えています。

解説:優秀なコンサルとしての適性を示す、よい強みアピールの好例

回路を組み立て、プログラミングに精通し、ロボットコンテストに入賞したというのは貴方の論理性、分析力、緻密さ、コミットメントの強さ及び実績を残した成功体験の事例として、説得力が強い。

また理論を理解するだけでなく、手を動かして実践しているところも、「口だけで意見を言うだけでなく、実際に手を動かして面倒臭い仕事もやってくれそう」な頼もしい印象を与えている。

しかも仕組みを深く本質的に理解するべく、物理学科に進んだという流れも、自分の行動特性をうまく表す実際の行動である。

「広い好奇心」をコンサルへのアピールに言う人は多いが、このレベルの内容で合格者は語っているということをベンチマークしておきたい。

3 あなたの弱みは何ですか?

候補者回答

他人には他人の道がある、自分には自分の道があるという考えが染み付いてしまっているので、悪気はなくても友人から見るとドライで冷たいと思われてしまうことがあります。

自分の考えは別に持った上で、突き放すことなく相手の相談に乗るとか、頼られる存在になることはコンサルタントとして必要不可欠な資質です。欠点であることを認識して改善したいと考えています。

解説:不用意に冷たい印象を面接官に与えるリスクあり

我が道を行く主体的な印象を与える反面、かなり冷たい印象を与えてしまっている。本当にそれが弱みでも、あまり面接で言うことがプラスになる弱みではない。(ロボットオタクの、冷血プログラマーという印象に近づいてしまった。)

コンサルは、おっしゃる通り温かく人間味のある人でないと同僚にもクライアントにも好かれにくい。あなたは仕事での情報処理能力には疑いがないバックグラウンドなので、つとめて「頭いいけど、腰が低くて柔らかい印象」を面接の場でもプライベートの場でも意識すると、より可能性が広がるだろう。

4 いままでの人生で、最も大きな達成事項は何ですか?

候補者回答

 大学受験は私の人生の中でもっとも急な坂道でした。なぜかといいますと、私の高校には受験勉強をする学生は私を除いてはいなかったのです。

というのも私の通っていた高校は工業科であり、大学に進学イコール推薦入学という動かしがたい壁が存在しました。

しかし、大学に推薦入学で進学するという選択肢はなんとしても避けたかったのです。なぜかといえば、進学後に取り返しのつかない学力差がつくのは明白でしたし、何よりも自分の進みたい大学に進めないのは問題外でした。

自分の信じる道を進む為には、私はどうすれば工業高校にいるハンデを乗り越えられるか必死に考えました。

そのときどう行動したかというと、高校1年から3年まで新聞配達のアルバイトをしながら予備校に通いました。

新聞配達をすることによって、生活リズムを強制的に整えると同時に、新聞配達後の空き時間を勉強時間に回すなど時間の使い方も改善することができました。

さらに回りに同じ受験生がいるだけで、自分には何が足りないのかがクリアになりました。このような経験から私は、自分の周りを取り巻く環境の重要性にも気付くことができました。

両立する為には限りなく自分を律することが不可欠でしたし、孤独感やストレスとうまくつきあうことも重要だったとおもいます。

この経験を通じて私は努力する勇気を得ることができました。

解説:苦労人アピール、甘えず自力で道を切り開きましたアピールに成功

いいね。いまどき新聞配達とはこの「早くも人生の厳しさをくぐりぬけている」感が出て、「あまっちょろいおぼっちゃんとは違うよ」というイメージを作り出している。

また「いわゆるエリートコース」の高校でないのに現在の位置まで人生を切り開き、その能動的な人生への取り組みが感じられて良い。

どうせ裕福な家庭で甘やかされてきたがり勉タイプでしょ、と思われがちなバックグラウンドだけに、与えられた環境で言われた通りやるのではなく、主体的でセルフスターターな、将来楽しみなビジネスパーソンになる可能性を大いに感じさせてくれている。

5 いままでの人生で、最も難しかった決断は何ですか?

候補者回答

大学時代に所属していた漕艇部の活動を4年次に休止するかどうかの決断が、自分の中で最も苦しい決断でした。

私は大学院受験の為に休部しようか迷っていました。私は、当時部の幹部であり、休部はありえないことでした。

自分のキャリア形成のために必ず必要なことだという考えと、他の部員による最後までチームで頑張っていこうという説得のどちらも理解できましたが、相容れない要求でした。

結局自分はミーティングで他の部員、監督に説明し謝り、大学院試験の為に休部しました。

解説:自己認識が深く正直なのはプラスだが、いかんせん薄情で無責任、利己的な印象を与えてしまっている

ここで再び、彼は冷たい、自分勝手なイメージを出してしまった。面接は馬鹿正直に話せばいいというものではない。(ま、誠実さ、正直さを好むのは確かだが、彼の事例はかなり“けしからん”事例だと思ってしまう。)

優秀で厳しさはあるが、利己的でドライな薄情者、というプライベート像を思い浮かべてしまい、あまり部下として可愛がれるかどうか、やや不安になってしまう。

自分に向き合うための自己分析は正直でいいが、面接で言うかどうかは、より広範な判断が求められる。(ただし、欠点を率直に認め自己開示する姿勢を買う人もいるとは思うが、自分のキャリアのために仕事の途中で他社に転職しかねないオーラを放ってしまっている。)

6 10年後は何をしていますか?

候補者回答

コンサルタントとして経営手法が自分の体に馴染んだと自分で思えるようになったら、事業会社で実際に自分の力を経営に活かしたいと考えています。

具体的には、自分は半導体メーカーに思い入れがあるので、半導体メーカーなどの経営企画に参加したいと考えています。

さらに、10年後は、同僚や会社に成長を促すような人物でありたいと思います。

今までは、自分の成長を追い求めて生活してきましたが、会社の利益の最大化を考えたとき重要なのは個人の力よりもチーム、あるいは会社全体の力であるからです。

解説: 10年後のビジョンに関し、具体的なイメージと抽象的なイメージ双方を効果的に説明できている

いいじゃないか。コンサルは将来「転職して自身の夢を追求する。そのステップとしてのコンサルだ」というのが比較的許される。

また「自分の成長だけを追い求めてきたこと」への反省もうかがえる。出来れば上の「薄情な具体例」の直後にこのフォローを入れればバランスがとれるであろう。

また、「事業会社に転身」などという人は多いが、彼は半導体産業の、とまで自分のバックグラウンドに絡めて絞り込んでおり、説得力が増している。

しかも、抽象コンセプトレベルで「同僚や会社に成長を促せる人」と付け加えており、
単なる半導体馬鹿ではない、「どういう人になりたいのか?」というイメージを効果的に伝えることに成功している。

7 他にどのような会社/業界を志望していますか?

候補者回答

 ファイナンス、オペレーション、マーケティングなど企業の様々な機能の改善ができるという理由でコンサルタントを志望しましたが、ある特定の機能を通しても企業、経済の力になりうるという理由から金融機関や総合電機メーカーにも興味があります。

総合電機メーカー志望なのは私のバックグラウンドにマッチしているのが理由のひとつです。

解説: その他の志望業界を聴いても、本質的な志望基準は一貫していることを示すのに成功

「特定の機能を通しても、企業・経済の力になる」のが基準だと明確にしており、その基準に当てはまる選択肢を選んでいるのだと、論理的に説明できている。

8 あなたを弊社が、雇わなければならない理由は何ですか?

候補者回答

ファームにとって重要なことのひとつにブランド構築があるとおもいます。

ブランドの構成要因は、提供サービスの質の高さと出身コンサルタントの業績であると考えています。

私はこれまで自分がいた環境で常にアウトパフォームしようと努力してきましたし、実際それができたと思います。

自分のいた環境ごとに必要な知識や考え方をすばやく吸収してきました。御社の社員になったときにも良いパフォーマンスをしようと当然考えるでしょうし、仮に御社から他の業種や企業に移っても御社のブランド価値に貢献できると考えています。

解説:言い方次第では傲慢で不遜に感じるが、内容的には〇

いいじゃないか。マッキンゼーにはマッキンゼーのブランドをさらに高めるコンサルタントと、マッキンゼーのブランドに完全にぶら下がっているコンサルタントがいるが、あなたは前者になろうという意気込みを感じさせている。

プロフェッショナルファーム、特にコンサルのようなブランドが大切な人材ビジネスでは、各コンサルタントがファームの看板を背負っても恥ずかしくないような優秀で成熟した人材を求めている。

貴方がマッキンゼーのブランド向上に貢献したい、くらいの強い意志があるなら、それは会社が求めていることをよくわかってるな、と感心されるだろう。

9 最後に何か、質問はありますか?(会社にどのような質問をしていますか?)

候補者回答

私は御社へ就職を希望していると同時に、こうした就職活動を通じて人間的に成長し、魅力的な人間になりたいと考えています。

もし、よろしければ本日面接を通じて感じたこと、こうした方がいいということがございましたら教えていただきたいと思います。

解説:面接へのフィードバックをその場で求めるのは望ましくない

これを聞いてくる人は多いのだが、面接官としては率直に言いづらいのが大半だ。

もし飛びぬけて優秀な候補者であったら喜んでポジティブなところ、改善点を話したくなるのだが、「これはだめだな」という面接相手にこう聞かれると、消化試合を長引かせたくないので適当にあしらってしまうものである。

せいぜい、当たり障りのない誉め言葉と、なんか建設的なフィードバック言わなければならないという責任感から、1時間で感じた表層的な思い込みのコメントを言われて終わるのが、落ちである。

10・あなたという人物を定義してください。(200~600字)

候補者回答

 “自分”≒“挑戦者”。私は自分自身が常に挑戦者でありたいと考えています。自分が実際に“挑戦者”でありたいと考えていることを示すエピソードが学生時代に2つあります。

1つ目が学業に対してです。浪人時代に予備校に通っていたときのことです。

予備校では上から2番目のコースからのスタートでしたが、猛勉強の末適正テストに通過し後期からはその上の最上位クラスで勉強することができました。

レベルの高い授業と周りの受験生のレベルに感動した記憶があります。ここでの経験が“挑戦者”の魅力を感じることができた初めての経験だったと思います。

その後、学業面で努力、挑戦、成長のサイクルは変化することなく自分のスタイルとして定着しています。

 もう1つは部活動です。

大学では課外活動にも力を入れたいと思い、体育会のボート部に入部しました。スポーツを本格的にしたことがない私にとっては、これぐらい厳しい環境ならば自分を変えられるのではないかという想いと、先輩が誠実な方だったので人間的にもいい影響を受けられるのではないかという考えからでした。

図らずとも、この考えは正しいものでした。部活から離れた今でも、あれだけの厳しい練習に耐えてきたんだ、という自信はくじけそうな自分を時に助けてくれます。

さらに、主務や大会の実行委員長など責任のある職を任せてもらい、グループや企画の企画、運営の難しさややりがいを感じることができました。

解説:巧みに自分の定義をアピールとコンサル適正に繋げている

挑戦者というのは誰でも定義したがる言葉だが、彼は良い具体例を持っているのでこのエントリーシートも強い。しかしボート部を、リーダーの身でありながら休部に追いやったのに、ボート部の話をここでもう一度もってくるのは違和感を感じる。

また厳しい練習に耐えられること、組織運営の難しさにやりがいを感じることなど、コンサル適正を自然かつ巧みにアピールできている。

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