
本コラムは、外資系投資銀行及び日系大手証券を経験され、ロースクール留学を経て現在国際ローファームで弁護士として活躍される、ストロングキャリア講師の方にご執筆頂きました。
外資系投資銀行採用担当からの教訓:”毎日一緒に働きたい”と思わせるには?
現役面接官の立場から、面接のポイントを紹介する。
外資系の面接で大事なポイントは、ズバリ「コイツと一緒に毎日働きたいかどうか」ということに尽きる。
入社してすぐに、少なくとも3ヶ月後には、コイツがどのように自分や自分たちに貢献してくれるか、ということをチェックする。
1.いつ→すぐに
2.誰に→自分(チーム、部門)に
貢献する候補かどうかである。
面接で目の前に座っている候補者に内定を出しても、一緒に仕事をするのはどれくらいの期間だろうか。平均在職年数を5年として、内定を出してから入社までが1年だとすると、長くて4年。短かければ、一緒にその面接が最初で最後の出会いになることだってある。
外資系では内定者が入社するまでに、採用を担当した面接官がすでに辞めているというのはよく聞く話である。
また、外資系では部門担当者が採用に大きな権限を持っているケースが多い。現実には、もっと具体的にどのチームの誰が、新戦力を欲しがっている、というようなレベルである。
部門の業績のアップ・ダウンで、人を出したり・入れたりする業界である。「余剰人員」という発想はそもそもない。具体的なニーズがある人だけを採る。会社にとって必要になるかもしれない人材、部門にとって必要になるかもしれない人材よりも自分にとって、少なくとも自分のチームにとって必要な人材を採る。
私はかつて大手日系証券会社で採用活動にも携わっていたのでわかるのだが、日本企業では「将来の幹部候補生にならなくもないなぁ」ということが大事なポイントである。私がいた会社は体育会の風土が比較的根強い会社であったので、人がよさそう、元気そう、人付き合いがよさそう、学生時代にユニークな経験をしているらしい、というイメージで評価をしてきた。元テニス選手の松岡修造のような人をイメージしてもらいたい。別に頭脳明晰でなくてもいい、日経新聞を読んで無くてもいい、大学の成績が悪くてもいいのだ。(松岡選手がそうというわけではない)
部門採用を行っていないケースも多いので、面接担当者が考えることは、「コイツを採用しても、自分にいいことも、悪いこともさほどない」というマインドである。そうであれば、会社の風土にになんとなくマッチしそうだとか、いつになるかわからんがいつか貢献しそうだ、というようなボヤッとした基準で候補者をみる。
外資系と日本企業の面接官が重視するポイントの違いはズバリ
1.パフォーマンスが期待されるまでの時間(いつ?)
2.パフォーマンスが期待される範囲(誰に?)
セミナーでは、1、2を踏まえたうえで、じゃあ実際どうすれば、どのようにみせれば外資系からオファーを獲得できるか、ということを話していきたい。