
コンサルティングファームにも、成長目覚ましいファームと、いつまでも組織規模が変わらないファームが存在します。どちらが自分にあっているのか、フィットを見極めましょう。
コンサルファームの強みは、看板よりパートナーのネットワーク
先日まだコロナウィルスが拡散する前に、ミラノのBCGに勤めている友人と話していた、コンサルファームの勢力図について話そう。
各都市によって、コンサルファームの勢力図が大きく違うのだ。たとえばロンドンではマッキンゼーが圧倒的に強いが、ミラノや東京ではボストンコンサルティンググループの勢力が強い。ソウルではベインアンドカンパニーがかなり強いし、ヨーロッパでは局地的にベルガーが強かったりもする。
特に日本のBCGの躍進ぶりはすさまじく、ニューオータニガーデンコートがそのうち、全部BCGになるのでは、というくらい、着実にフロア占有率を高めている。
BCGにいる後輩は、お客先に送り込まれて常駐する案件が増えて、一昔前のように優雅だが役に立たない分厚いレポートを書いて3か月1億”という時代は終わったというが、それにしてもBCG東京の躍進を支えた、前パートナーおよび現在のパートナーの力は大したものである。
これに対し、中堅どころの外資系戦略ファーム三社(名前を挙げるのは差し控えるが、MBBの次に出てくるお馴染みのファーム)は、いつまでたっても100人の壁を打ち破れない。
丁度そのうちの一社のパートナーにこの理由を聞いたところ、そもそも資本主義的に利益と規模を増やすより、自分たちがやりたいプロジェクトだけやっているから、これはこれでアリなんだと語っていたが、”パートナーが目指しているファームの在り方”も、各ファームの成長速度に大きく影響を与えるいい事例である。
成長志向のファームvs現状維持志向のファームvs働かないファーム
なお、中堅ファームにありがちなのが、あまり働かないパートナーが、自分の安住できるポジションを危機にさらさないよう、外部からパートナーを雇わず、社内でもできる部下を中々パートナーにしない、というパターン。これをやっていると、結局優秀な若手が他社に逃げるか、最悪、部下からのクーデターにあってファームを追放されたパートナーも存在する。
ともあれ、成長戦略を依頼するクライアント企業の立場で言えば、ファーム自体を成長することができていないコンサルファームにプロジェクトを発注するのはさぞかし不安だろう。
皆さんも面接を受ける際は、コンサル市場が今後どう変化し、御社がターゲットとする規模や差別化の要素は何なのか、DigitalizationやAIの進展を受け、コンサルサービスをどのように変化させてきているか、なによりファームの成長志向と戦略がどうかを、よく見極めよう。
そしてもっといえば、自分はそもそも、売上成長志向のファームで働きたいのか、それとも規模よりやりたいことに拘るファームが良いのか、いろいろ自問されることをお勧めしたい。