ドイチェ証券への転職・就活をする前に知りたい、3大リスク

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欧州最大の金融グループでグローバルブランドも有していますが、日本市場における投資銀行業務は縮小気味で、業界ポジションも2000年代の拡張期に比べ、随分低下してしまいました。その3大リスクを解説します。

ドイチェ証券と他の投資銀行を比べたときの3大ポイントとは?

ドイチェ証券は欧州最大の金融グループで欧州では伝統的にTier1のポジションを誇ってきました。

しかし日本では後発であり、後発欧州系投資銀行の典型的悲哀を感じさせる停滞が続いています。

そんなドイチェ証券への転職・就活を希望する際に、知っておきたい3大ポイントを解説します。

1.後発投資銀行にありがちな、中途大量採用と出入りの激しさ

ドイチェ証券は2000年代中盤、日本で業務を拡大すべく、他の外資系金融機関や日系金融機関、また他業種からも広く優秀な人材を集め、成長していました。

しかし中途採用組を金銭的条件で大量に採用したため、生え抜きの愛社精神は育たず、投資銀行業界特有の社内政治で多くの優秀な人材を失いました。

投資銀行は総じて部門ごとにほぼ別会社、部門の中でもインダストリーなどチームのマネジングディレクターの個性次第でチームが別会社といえるほど、カルチャーが変わります。

経営陣が変わればMDが変わり、MDが変われば下のマネジャーも変わり、マネジャーが変われば下のアソシエイト、アナリストもまとめて解雇という悪循環が繰り返され、新卒の定着率が極めて低い組織になってしまいました。

2.本社の屋台骨が揺らぐことからくる、報酬と人材の質の低下

ドイチェ証券はご存知の通り、欧州本社の業況悪化で各国支社も予算が減らされました。

人員削減のため残った人の業務が増えた割に、規制強化で給与は低下気味で、業界と会社の先行きに不安を覚えて優秀な人から辞めていく悪循環に陥っています。

投資銀行業界は人材勝負なので、ディールをとれるシニアをどれだけ確保できるかにかかっています。しかしその人材獲得競争で負けているため、コンペでも負けて案件が来ないという悪循環に陥っています。

3.母体が債権ハウスなので、投資銀行部弱し

ドイチェ証券は銀行系でバンカーストラストを買収して証券業務を強化した経緯がありますが、投資銀行業務はもとから劣勢を強いられていました。

前述のとおり2000年代の拡張期は予算を張り付けて他社からスタープレーヤーを引き付けましたが、彼らが去り、日本オフィスから香港へ中核機能が移される中、日本市場における弱体化を見ることになりました。

マーケット部門、株式調査部および営業部は一時勢いがありましたが、優秀なチームが丸ごとリストラされたりと、経営陣の交代から優秀な人材の定着が困難となり、日本市場では存在感が薄れていきました。

結果的に投資銀行としてこれといった強みのないTier2になり、ともすればTier3の様相を呈しています。

したがって人材的にも、今どきどうしても投資銀行に入りたいが、ゴールドマン、モルガンスタンレーに入れなかった人の受け皿的になっており、本社のポジショニングともども停滞傾向にあります。

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