コロナショックで解雇ショック!!外銀・コンサルをクビになった時の五か条の御誓文

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コロナショックで世界的に失業率が急上昇しています。タダでも景気変動に敏感な外資金融や外資コンサルは、「外資」であるだけに、国際資本の論理(資本>労働者)で大量に解雇されています。外資金融やコンサルで解雇されたのち、ある人は現実を受け入れず徹底抗戦し、たいていは無残な敗北に終わります。逆にある人は、解雇されたときに威風堂々たる協力姿勢を見せ、古巣との関係を維持することに成功します。コロナ解雇されても、災い転じて福となすヒントを、ストロングキャリア講師陣が解説いたします。

コロナ不況で解雇された外資金融マン・コンサルタントのトリセツ 

コロナショックを受けて、世界的に解雇ラッシュが起こっています。

この未曾有の実体経済縮小局面で解雇されたとき、どのように対処すべきでしょうか?以下にコロナショックで解雇されたときに注意すべき、5か条のポイントを論じます。

なお、以下は貴方が引き続き大企業に転職してキャリア形成を試みるという前提で書かせていただいています。

仮に業界も変え、そもそも大企業で務めることすら足を洗われるということでしたら、以下は割り引いてご検討ください。

コロナ解雇で、してはいけないこと①無駄な抵抗をする~パフォーマンスが低くないと言い張っても無理

 人は解雇されると、まずはその現実に抗います。

「なぜ自分が解雇なんだ、パフォーマンスは最高ではなくても、解雇されるほどではないではないか、自分より業績が低いあの人が残っているのはなんでだ、去年のパフォーマンスレビューではいいことが書いてあったじゃないか」云々。このように、「解雇の現実を受け入れない」反応を示すのが一般的です。

しかし余程のことがない限り、会社による解雇決定は覆りません。どれほど不当で、嘘だらけでも、いざとなれば会社は貴方を解雇できる理由を、いくらでもでっちあげることができるのです。

ここは冷静に、「あなたが解雇リストに選ばれたのは、パフォーマンス云々の話だけではない」のだと、受け止めましょう。 

一般的に解雇されるといった強い「自己否定」の局面になると、悲しみ→怒り→絶望→諦め→克服というサイクルを辿ります。

しかし未来志向のあなたは、過去に捕らわれてその会社にいとどまるのは止めて、早期に悲しみから立ち直りましょう。

ここで考えるべきは、自分を放逐しようとしている会社に頼み込んで居座ろうとすることではありません。古巣との関係を良好に保ちながらも、ここで得た経験を活かし、次こそ自分に向いている仕事に近づくことなのです。

コロナ解雇で、してはいけないこと②パッケージでゴネる~退職金を1か月上乗せするために失う人間関係

これは外資金融でよくあるパターンなのですが、解雇されたときにたくましく、退職金パッケージでゴネる人がいます。しかしコロナ解雇が急増するこの局面、これはあまりお勧めできません。

その昔、退職パッケージが1年や2年出された栄光の時代であれば話は別です。

しかし今や、どれほどもらえても6か月、一般的には3か月、せいぜい交渉出来て一か月在籍期間延長とアップサイドが極めて限られているのです。

その100万、200万のために社内で最後まで争い、苦々しい別れ方をするのは、長期的な人間関係を考えた時に、いかがなものでしょうか。 

なかでも、「権限のない、首切りの事務担当の人事」に交渉しても、まったくもって意味はありません。

仮にできるとしてもせいぜい、貴方を解雇した張本人の部門長クラスのMDにお別れの挨拶をしにいき、これまで一緒に働けたことに「感謝」の気持ちを伝え、転職環境が厳しいことなどをしつこくない範囲で訴え、1か月上乗せしてもらうくらいです。

しかしながら、たくましく1か月や数か月上乗せしてもらうことより、退職時に優雅で立派な態度を見せて、「去り際の美学」を完遂するほうが、長期的レピュテーションを高めることができるのは、言うまでもないでしょう。

コロナ解雇で、してはいけないこと③法的闘争をチラつかせると、会社はあっという間にあなたを潰しにかかる! 

コロナ解雇に限らず、会社に解雇されて最もやめた方がいいのが、訴訟をチラつかせて「解雇の再考」を迫ることです。

これがお勧めできないのは、第一に会社は準備万端で応対してくるからです。会社は、このような「訴訟をちらつかせて解雇撤回に持ち込もう」という社員をこれまで数多く見ています。このような反応に出る人がいることは、100も織り込み済みなのです。

第二に、訴訟をチラつかせた途端、本来は貴方が相談できたはずの社内コンプライアンスや弁護士は、完全に会社を守るモードであなたに対峙してきます。

貴方の相談にのると会社の敵扱いされるため、日ごろ貴方をサポートしてくれた人たちも、貴方の相談に乗ることが社内でのリスクになってしまうのです。 

第三に、仮に万が一、訴訟に勝っても、人生で失うものがあまりにも多いのです。膨大な時間、訴訟費用、周囲からの好奇な視線。しかもあなたに一理あったところで、一般的に企業は「この人を怒らせると尋常ではない執念で会社に戦いを挑んでくる」とみなし、採用を渋るものなのです。

不公平でひどい話ではありますが、それでも裁判に勝って、その後一切の仕事に就けなかった人も私の周りに存在しています。

これに対し会社側は、お金も人材も専門のリソースが豊富であり、貴方を解雇に相応しい最低社員に仕立て上げるのは、おちゃのこさいさいの容易な所業であることに気を付けましょう。

コロナ解雇で、してはいけないこと④ やみくもに、同業他社への転職活動を始める

解雇されたときに、焦って次の行き先を決めるのは、お勧めできません。特にそれが同業他社であればなおさらです。

まず第一に、前職で解雇されたということは、業績は最低ではなかったとしても、ものすごく向いていたわけではない可能性は考えたほうがよいでしょう。

第二に、同業他社に転職できたとしても、やることはこれまでやってきたことの繰り返しです。よっぽど直属の上司とウマが合わずに解雇されたのでなければ、次の転職先でも(同じ仕事だけに)活躍できず、下手したら数年後、再度解雇されるリスクだって存在するのです。

第三に、無職という衝撃的な響きに耐えられないヒトは、一刻も早く復職したいと焦ってしまい、本来の可能性をさらに伸ばせる天職への道を選ばないことが多いのです。

結果的に、たまたまその時採用をしていた企業やエージェントに紹介された企業に、必死でくらいついて後に「楽しくない、向いていない仕事だった」となることも、外資解雇後転職のアルアルストーリーなのです。

解雇されたらいったん深呼吸して、果たして自分はこの仕事が好きで、得意で、必要とされうるのかを、自問するようにしましょう。

コロナ解雇で、してはいけないこと⑤ 前職の上司や同僚に対し、悪態をつく 

解雇されたときに、一番やりがちだけれども最も避けたいことが、周囲に会社の悪口を言いふらすことです。

これは、実に良くありません。というのも、あなたが社外の顧客やビジネスパートナー、ベンダーに話した会社や上司への批判は、ほぼ100%確実に噂として出回り、すさまじいスピードでその上司の耳に入ることになるからです。

コンサルにしても外資金融にしても業界が狭いので、他社に移った後もいろんな業界の集まりで会うこともよくあります。

下手したら転職先にその人が転職してきて、再度同じ職場という巡り合わせもなきにしもあらずなのです(さすがに同じ上司に2回解雇された人は見たことがありませんが、、、)。

たとえはらわたが煮えくり返っていようと、表面上は怒りのソーシャルディスタンスを保ちましょう。

困った時こそ冷静かつ礼儀正しく、外交的(Diplomatic)に振舞うのがこの業界で解雇されたときの掟みたいなものなのです。

 解雇されたときの、「俺のテーマ曲」は、エルガーの威風堂々?

解雇されたときに貴方が持っていくべきは、「反撃してスカッとした気持ち」でもなければ、交渉して上乗せしたパッケージ数か月分でもなければ、在職期間中に急いで確保できた次の転職先でもありません。

 重要なのは、自分をクビにした会社が逆にビビッて畏敬の念を感じるくらい、礼儀正しく、前向きにふるまうことです。

そしてエルガーの行進曲が聞こえてくるくらいの「威風堂々」とした態度で引継ぎに全力で協力し、次の転職先がいつかレファレンスチェックをしてきたときに、極力ポジティブなこと、少なくともネガティブな悪口を言われないようにすることなのです。

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