プライベートエクイティ面接で見られる究極の資質3か条を徹底解明!

  • LINEで送る

当サイトには、現在マッキンゼーやBCG、ゴールドマンサックスなどで働きながら、プライベートエクイティ転職を志望される方が多く会員になられています。プライベートエクイティ転職時の面接で必要な資質三カ条をStrong Career講師が解説します。(写真はプライベートエクイティ転職対策テキストより抜粋)

プライベートエクイティファームの門戸は、狭い。

ファンド期間ほとんどの間、業務の実態は「株の所有」だ。それでいて期間は平均10年と長いので、案件発掘と売却から経理、その他外部役員投入など専門性の高いことの多くをアウトソースし、基本的には「どえらく長期間株を所有」するのが本業で、採用も顕著に増えたりしない。これでは門戸が広いわけがないだろう。

 

では、あなたがやっとこさプライベートエクイティ転職の面接にこぎつけたとして、絶対気を付けるべき重要ポイントはなにか? 本コラムでは、実際に無数のプライベートエクイティ面接をしてきた著者の経験を踏まえ、ファームが面接で候補者に探す究極の資質3か条をご紹介する。

 

数字で「全て」を語れるこ

プライベートエクイティは単なる投資ではなく、売却の際「リターンの出る」投資をしなければ存在価値はない。そして投資でリターンがでるかでないかは、完全に数字の世界だ。会社の業績分析も構造改革シナリオも海外展開インパクトもリターン予測も、すべて数字で語られる。

 

投資先がスマホ部品メーカーなら、昨今のアップル低迷、ファーウェイ騒動や米中貿易紛争、そしてAIスピーカー勃興の短・中・長期インパクトを、数字で議論できることが求められる。

 

だから、もしもあなたが文系且つ体育会系で、「ずど~~んとシェアを伸ばしていきます」みたいな話し方を少しでもする人なら、改めよう。投資の世界では、「圧倒的なスピードで市場を制し、そこから周辺産業も牛耳る」という文章に、意味はない。

 

これは「癖」の問題なので、仕事以外でも常日頃から数字で論理的に語れるようにしておきたい。これまで自分が旅行した国の数、転職した回数と平均勤続年数、これまでの個人投資のリターンや投資時株価、他社のプライベートエクイティ面接の際受付で待たされた分数など、なんでもかんでも数字とエクセルで表現できるくらいが頼もしい。

 

信頼に値すると思えるこ

金融商品は目に見えないからこそ、信頼がすべてだ。プライベートエクイティの世界では、案件発掘に伴い上場会社経営者と話せばインサイダー情報をもつ場合が多いし、投資実行が決まればその公表日までは時として100億円単位で相場が動く情報を握ることになる。

 

一旦はファンドの投資対象になったが、デューデリジェンスの結果見送った場合も、あなたはその過程で知った事実をお酒の席でも決して面白おかしく部外者に話してはいけない。金融の世界では、情報が投資の成否を決めるし、情報の扱いを間違えばファンドを潰すことも十分ありえる。

 

幸か不幸か、信頼性は面接ではまず装えない。樹脂のように「にじみ出る」ものだ。それは、これまでの社会経験と人生経験の豊富さや価値観、そしてあなたの人格と人相が共鳴して醸成される奥深いものである。一足飛びで身につくものではないが、面接では必ずここを見ているのでまずはその重要性に気づきたい。

 

人間力を有しているこ

プライベートエクイティファンドの成功は、案件ソーシング力と資金調達力の2つがドライバーだ。リターンのでる良質案件を発掘し、実際に投資契約締結に持ち込める「まとめる力」がなければいくら資金があっても意味がない。逆に、案件があってもLP投資家と握れず、必要なコミット額を書面でもらえないならこれまた無意味だ。

 

この「まとめる力」・「握る力」は、「人間力」そのものであり、信頼とは違うコンセプトだ。信頼が「この人はヘタなことをしないか」というダウンサイドを気にする指標であるのに対し、人間力とは「この人はディールを決めてこれるか」というアップサイド可能性に関する指標だ。

 

これは、尊大なエリート集団からすれば不慣れな「営業」や「ふてぶてしさ」が要求される能力だが、実はLPが資本市場でプライベートエクイティに期待する高リターンを出すには絶対必須条件だ。グローバルなLPなら各国ローカルGPに対し、一番評価したい部分といっても過言ではない。

 

投資チームで採用を検討する面接官は、必ずここを見る。

 

あなたが今すぐできるこ

上記のように、プライベートエクイティの本業には「株の長期保有」という地味な実態があるからこそ、アウトソースしない、又はできないスキルセットほど簡単に習得できるものではない。

 

だが今のあなたにもすぐ実践できることある。あなたが投資銀行のバンカーなら、M&Aのまとめ役を率先してやってみてほしい。所属が株式部門なら、機関投資家とブロックトレードの交渉で場数を踏もう。コンサルなら、中堅上場企業の経営者と懇意になり、新規コンサル案件をとってきてみてはどうだろう。

 

「自分はアソシエイトやバイス・プレジデントで、ボルカールールもあるせいでそんなことしたってボーナス上がらない」などと無気力なことをいっているうちに、意欲と向上心あるひとほど今自分にできる挑戦に100%の自分を注いでいる。

 

そしてその過程が上記3つの能力を鍛錬し、来るプライベートエクイティ面接で五万といる高学歴エリートファーム出身候補者たちからあなたを差別化していくであろう。