
ファイナンシャルアドバイザーやPE案件のコンサル側からプライベートエクイティファンドに投資する時の「本人はユニークだと思っているが、実は典型的な志望動機とストーリー」のパターンについて、解説致します。
コンサルファームで実に数十件ものPE案件、買収や売却のDDを行ってきた人は、「自分が手掛けた思い入れのある案件が、その後のバリューアップの時点で社長の放蕩経営でダメダメになってしまったのが原体験となり、アドバイスだけでなく、その後のバリューアップにも責任を持つ仕事に回りたかった」などと言うことが、結構多いです。
ないし、総合商社で働いてきた人が、「自分が働いている会社の傘下に入ることで、会社が本来の潜在力を発揮できずに、投資先の社員さんがやる気を失い、商社から派遣された人が何もバリュー出せないのにプロパー社員の何倍もの給料を得て、しかも取引先が商社のグループ内ばかりになりダメになるのを見てきた」などと言うケースも、少なくありません。
コンサルタントの方も商社の方も、自分の志望動機はオリジナルでユニークだと確信を持ちながら面接で披露するのですが、いかんせん、抽象度を高めれば、候補者が言ってくることは業界ごとに、同じような話に収束していくのです。
自分では意外と、どの経験とメッセージが売りになるかわからないことが多い
それでは何が大切になるのでしょうか?それは往々にして、「自分の具体的な経験のどれを選び、またその具体的経験からの抽象的なメッセージをどのように、そのアプライ先のPEファームの投資戦略や投資テーマに絡めるか」につきます。
話を深堀りして聞き出せば、非常に面白い経験と売りになるようなストーリーがあるにも関わらず、選ぶエピソードと、そのエピソードからのメッセージを間違ってしまい、せっかくの転職機会を無にする人も、少なくないのです。