大手バイアウトファンド・ポラリスが考えるプライベートエクイティ転職の適性

  • LINEで送る
大手バイアウトファンド・ポラリスが考えるプライベートエクイティ転職の適性 - アイキャッチ画像

日本を代表する大手バイアウトファンドに成長した、ポラリス。事業承継からカーブアウトと案件の幅も広く、ファンドサイズも日本トップクラスのサイズに成長しました。そんなポラリス率いる経営陣が仰るところの、プライベートエクイティプロフェッショナルとして成功する人の特徴や、「~~~がデキる人が向いている」というのは、どのようなポイントなのでしょうか?その4ポイントを解説致します。

日本を代表する有力バイアウトファンドに成長したポラリス。スモールキャップ、ミッドキャップと来て、今では数少ない国内系ビリオンダラーファンドに成長しています。

戦略的にも事業承継からカーブアウトまで幅広い案件を手掛けており、早くからシンガポールにオフィスを設置し、海外機関投資家の資金も扱うなど、日本を代表するトップティアファンドの一角として知られています。

以下ではそんなポラリスで働くバイアウトプロフェッショナルが考えるところの、プライベートエクイティ転職で成功する人の4大適性を紹介いたします。

1.人たらし

これはプライベートエクイティ業界全般に必要なスキルというか特性ですが、いわゆる「人たらし」が活躍する業界です。

これまでライバルだった企業や関係が悪かった企業にも、笑顔で可愛げたっぷりに「おねしゃーす!一緒に組ませてください!」と突撃し、営業できる人が重宝されるのです。

プライベートエクイティはファンドレイズも、投資先の経営陣を口説くときも、投資先の営業先開拓も、時に敵も味方も自分側に引き寄せるような、そんな人たらし能力が問われる業界だと言えるでしょう。

(もちろん、人たらしの部分はそれがデキる人に任せて、投資の目利きやバリューアップ戦略、ガバナンス構築の職人みたいな成功パターンもいるにはいるのですが。)

2・楽天的な人

この楽天的な人というのは、PEファンドの多くの創業者に共通しています。プライベートエクイティファンド運用という商売は、何百億から下手したら千億以上集めて10年運用し、投資できるかどうか、バリューアップできるかどうか、売れるかどうか、資金調達継続的に上手くできるかどうか、など、よくわからないリスクが多い業務です。

そんな中、自分の名と人生をかけてこのビジネスをしようとするのですから、相当楽天的な人でないと務まらないのかもしれません。

あと投資先が長い運用機関の間で、倒産の危機に瀕したり、約束していたリターンからかけ離れた展開だったり、投資家に案件獲得をにおわせていたのに実現できなかったり、下手したら社員が不祥事を起こしたりなどと、ファンドのサイズと投資案件数とチームサイズが大きくなるほど、リスク要因も増えるものです。

そんな中、ポラリスの木村社長もそうですが、何が起こってもこの人だったら大丈夫という、楽天的なオーラを放っている人が多いのも特徴の一つと言えるでしょう。

(したがって面接やインターンでも、出来るだけ楽天的なオーラを出すようにしましょう。かといって、楽天的過ぎてもちょっと〇〇っぽく見えるので、ここはバランス感覚が重要なのですが。。)

3・しがらみを解きほぐせる人

この「しがらみを解きほぐせる人」というのも、プライベートエクイティ業務で重宝される人材です。特に大企業カーブアウト案件になってきますと、日本の大企業ならではの商慣行や取引先、どうしても切れない社員さんなど、大企業の中にその会社が存続する限り、まず変化不可能という状況にある会社も少なくありません。

そんな時、カーブアウトした会社の社長を、その部門長に任せてしまうと、しがらみに慣れてしまっていて、大胆な施策を打てないことも少なくありません。

そういう時は、部門長は会長職についてもらって、プロ経営陣を外部から連れてきて、新たな資本と新たな経営陣で大企業のしがらみを容赦なくカットするのも、カーブアウト案件で重要なバリューアップの一つです。

事業承継案件ですとオーナー社長がエグジットするのでほとんどのケースで外部から経営陣を連れてくることが多いのですが、大企業ですと回せる経営陣材が外部にそういないこともあり、社内から経営陣を抜擢することが多くなります。

しかしそれだけですと多くのケースで、新しい経営陣も”しがらみ出してしまう”ことが多いのです。

4.非効率性の中にある宝を見つけられる人

バリューアップと申しましたが、これは文字通り、価値を上げるということ。単にEBITDAを伸ばしたり、ガバナンスを強化したり、近年ではESG対応をしたりと「良い会社」をつくるための目標像には幅がありますが、「どのような会社が自分たちが思うところのよい会社か」という、ファンドマネジャー及びファンド経営陣の価値観が試されます。

中には「ガバナンス構築させたらうちが最高」ということに拘っているファンドもありますし、「ダメダメな会社を、普通の会社にするのがうちの役割」と割り切っているファンドもあります。また、中にいる人が正当に評価され、頑張る仕組みを作らせたらウチ、ということに拘っているファンドもあります。

そんな中、ファンドが大きくなり持ち込まれる案件も増えてくると、どの非効率さであれば大きく効率化できるのかを見抜き、実行できることが、ファンドマネジャーの腕の見せ所となります。

言うならば、特定の投資案件を検討するとき、他のバイアウトプロフェッショナルに比べ、どのような非効率性改善のアイデアが描けるかというのも、PEプロフェッショナルとしての成否を占う重要な資質なのです。

そしてこの資質は、入社後の投資委員会に於いて貢献する上で、不可欠なポイントとなるのです。