インテグラルへの転職:日本型バイアウトを追求し、PE業界の断トツを目指す

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日本を代表するプライベートエクイティファームにして、国内独立系として最大級の運用資産を誇るインテグラル。1200億を超える大型ファンドの組成に成功し、積極的に人材採用を行っています。「ハートのある日本型バイアウト」の追求に関心があり、エクセルワーク、バリュエーションモデルに習熟する上に謙虚な方は、是非以下のフォームから応募されて下さい。(金融機関、銀行、証券、コンサル、公認会計士、弁護士、商社、メーカー出身者在籍。)以下ではインテグラル転職の為の率直な実態を、創業者・佐山展生氏に迫ります。

日本一腰が低いPEファンドによる、日本型投資の在り方:会社で働く方々の生活を第一に、投資家への利益は結果

  1. Q) 佐山さん、お久しぶりです。前回お会いして早、3年が経ちましたがいかがお過ごしでしょうか。

ずっと日本型投資を追求するのが面白くて仕方がないというお話を伺っていますが、この3年間で日本型投資のイメージは進化しましたか。

佐山さん) 進化したかは自分ではわからないんですが、投資は着実にしていき、この3年という意味では4社上場していて、そういう意味では少しは進んでいるかもしれませんね。

ただ一番大事なのは、『投資家』ではなく『投資先の企業』そして『そこで働く従業員の皆さん』ということですね。

ヘッジファンドは毎日売り買いするわけですが、我々PEファンドは投資先企業の経営権を取得する、つまり、そこで働く方々の生活が我々に掛かっているということになるんです。それを一番大切にしないといけない

とにかく、『そこで働いている人たちと一緒になって、いい会社を作る。』そして、その結果として、投資家に利益がいく、それだけなんですよ。リターンはいい仕事をした結果なんですよ、目的ではなく。

Q) 実は私3年前にそれを伺った時、実は内心でポジショントークなんじゃないかと思っていたんですよ。

佐山さん) わかった風な顔してたけどね。

Q) 中学・高校の先輩が仰る話なんで、「そうですねえ」と言ってしまっていたんですけれども(笑)

佐山さん) そうなんか、気をつけなあかんなー(笑)

Q) はい。とはいえ潜在投資先企業というと、大抵はファンドに対して警戒心を持つじゃないですか。その点から、3年経って、佐山さんの仰る『日本型投資』という考え方に対し、自分の“腹落ち度”が深まりました。

日本で『日本型投資』の在り方を追求するっていうのは、日本の文化の特徴を知れば知るほど、確かに佐山さんの仰る考え方が本当に必要なんだなと。

佐山さん) そう、そうでないと日本に根付かない。根付くためには上辺じゃだめ。

インテグラルは日本で一番腰の低いプライベートエクイティファンド

Q) 以前、佐山さんが仰っていたところで印象的だったのが、インテグラルは日本で一番腰の低いPEファンドだと。

佐山さん) それでいかないと。同じ目線で話したのでも、上からに感じられてしまうんですよ。

Q) 日本人は文化的に、上からくるのを嫌がり、みんなで決めることや雇用を守ることを意識しますよね。

あと、そもそも世界からみて日本における企業文化の特徴として、社会がそもそも株主ファーストになっていない国です。

そこにIRR(年率の収益率)25%, MOI(投資額の倍率)3倍を目指しますといった一般的なファンドリターンの目線をアピールするっていうのと、『日本型投資』というのは、目指している先が違うなというのを、この3年間でやっとわかってきました。

佐山さん) やっとわかりましたか。この考え方はずっと変わっていないですよ。

インテグラルを立ち上げてから12年ほど経ちますが、ずっと変わっていないですよ。

インテグラルのファンドサイズと投資家層:日本の独立系PEファンドで最大級のファンドサイズと、国際的な投資家層

Q) 私実はLP出身でもありまして、香港の主要ファンドオブファンズにいたんですけれども、海外機関投資家は、世界標準の高いリターンを求めますよね。そして、御社にも海外機関投資家も入っていらっしゃると思うんですが。

佐山さん) もちろん入ってますよ。今回日経に出ましたけれども、1238億円の4号ファンドのうちの、55%が国内、45%が海外なんですね。

Q) そんなに海外機関投資家から集めることができたのですか。

佐山さん) もともとはね、1号ファンドはほとんど国内だったんですけれども、2号は海外投資家が入ってきてくれていて、いいペースで増えてきていますね。

日本のPE業界について:国内ファンドが1兆円ディールをできる日が来なければならない~インテグラルは、数千億規模のメガディールにも投資することが可能

Q) 日本のPE業界の話になってきますけれども、1238億円というと、国内最大級のファンドに近づいてきているんではないですか。

佐山さん) 大したことないですよ。ただ、私がいつも不満に思っているのは、5000億円、1兆という投資は国内に拠点のある外資がやるでしょ、ただそれは本当に時間の無駄なんですよ。

なぜかというと、日本の会社に投資するにもかかわらず、英語で資料作って日本のことを知らない投資家に対して説明しないといけない。これは本来、必要ないでしょ。

なぜそうなってしまうかというと、5000億円以上の投資が外資系のファンドにしかできないと思われている。

確かに彼らはお金持っていますよ。一方で我々にファンドへ投資してくれる投資家には共同投資してくれる方がいるんですが、そこでいつも説明してるのは、1兆円までやります、ということです。

そこまでやれば、国内ファンドの印象はガラッと変わる。大型投資でもまずインテグラルに頼もうか、となる。まずそこを目指している。

日本のプライベートエクイティマーケットのベースは、ミッドキャップ

Q) なるほど。これまでの日本のPE業界を振り返ると、国内ファンドではミッドキャップフォーカスで、ファンド総額1000億円が投資しきれる限界、というイメージがありましたが。

佐山さん) なるほど。基本的に、M&Aのマーケットの規模が欧米と違うので、5000億円、1兆円を目指すといっても、日本にはまだなかなかそういったマーケットがないんですよ。なので、ベースはミッドキャップですと。

なので、4号ファンドは1238億円で投資しますが、年間数件エレファント(大型投資案件)がノックしてくることがあるんですよ、トントンと。

2,3年に1つでもそういった投資を1つでもできれば、1兆円やるんだというイメージがついてくる。そこまで持っていきたいんですよ。

いつか振り返った時に、外資系PEファンドという言葉があったなと、そう言われる様になりたいですよね。

PE業界の市場動向:PEファンドは、M&A市場の成長に伴い成長すべき

Q) ありがとうございます。ただ日本のPEファンドの歴史をみてみると、1回で1000億円を超えるファンドを作ってみると、そこでいいディールが十分になく、大きめの投資を行って失敗してしまって、また500億円規模に戻って、ということを繰り返している印象なのですが。

佐山さん) それは、大きい投資案件を目指すから、そうなるんですよ。大きいところがどんどんあるマーケットではまだないのに、そこを目指すから。

ベースとしてはミッドキャップでの投資を目指す、しかしその基本路線の中でいくつか来るであろう大きな投資を目指すのが大切。

大きな投資ばかりに目が向くのは不健全で望ましくない。ミッドキャップできたものベースでしっかりと取り組んでいく。

日本のプライベートエクイティファンドのファンド規模が大きくなるのは、市場が成長しているので当然

Q) スモールキャップからミッドキャップに成功裏に成長していくファンドはよくあると思うのですが、ただミッドキャップから1ビリオンドル超えのファンドに成長していくケースは、かつてはそんなになかったですよね。

そこはやはり、ファンドのサイズ毎に求められるスキルセットが違うからなのでしょうかね。

佐山さん) それもありますが、一番大きいのはM&Aのマーケットなんですよ。

98年にユニゾンキャピタルを共同創業した時は、何百億円を超えるファンドというのはゼロだったんですよ。99年に振り返ってみると、年に売り案件が3件くらいしかなかった。

それが今、インテグラルでは年間130-140件の案件が来るんですよ、待っていても。マーケットの大きさが昔と全然違う。

つまり、マーケットの成長に合わせて投資ファンドサイズもぐっと大きくしていかないとダメなんですよ。

インテグラルのディールアングルと投資リターン:再生案件だけでなく、大企業スピンオフ、オーナー企業事業承継など全方位に手掛け、世界標準のリターンを達成

Q) ありがとうございます。

PEファンドというと、伝統的に、スピンオフ、事業承継、スペシャルシチュエーションとよく言いますが、インテグラルの場合は全方位的に取り組まれていますか?

佐山さん) 全方位やってます、全部ありです。売主も、大企業もあればファンドもあれば、オーナー企業もある。

インテグラルはよく再生ファンドと言われたりもしますが、全部やってて、全然再生に特化はしていません。

Q) 会社、従業員の方に優しい、それを第一にしたファンドと聞くと、ファンドのリターンが、所謂海外の機関投資家が求めるそれと違ってきて、国内の投資家が求めるリターンのレベル感になってくるという印象が一般的かと思います。御社の場合はどうでしょうか。

佐山さん) そうなんですか。今すべての投資が終わっているのが1号ファンドなんですが、これは一般的なファンドリターンのIRR25%を上回る実績を上げていますし、2号ファンドもそれくらいはいくと思うし、3号もいく見込みですね。

他のファンドでハードルを下げているところもあるみたいですが、我々は一切下げていません。

Q) すごいですね。

佐山さん) 全然すごくないですよ、自然体ですね。

  1. Q)  投資リターンを第一にせずに、『日本型投資』を追求しつつ、海外の機関投資家からみても魅力的なリターンを実現するという、この両方を実現できるファンドはそうはないですよね。

まず一番に相談されるPEファンドになる:インテグラルは、Exitの時、「一番高い値段を出す買い手」ではなく、「会社の中の人が売ってほしい先」に売る

佐山さん) 例えばね、売却するときに他のファンドと大きく違うところは、一般にファンドは一番高い買い手に売ると思うんですよ。一番高く売ってリターンを得るのが投資家のためだからとみんな言うでしょ。違うんですよ。

なぜかというと、投資先企業がそこに売ってほしくないと思っている先に売ってExitするとするでしょ。

Q) はい。

佐山さん) すると、インテグラルってどんなところでしたって聞かれたときに、「あそこは結局自分たちが儲けたいだけですよ、止めといた方がいいですよ」となりますよ。

結局次の投資をする際に敬遠されるようになります。1件だけで少し利益を得ても、投資先も不幸になりますし、投資家にも悪影響が出ます。

Q) そうですね。そのレピュテーションリスクがあるということですね。

佐山さん) そうでしょ。ですから結局、長期的に見ても、投資先を一番大切にする方が、投資家さんにもメリットがあるんですよ。だから、まず一番に相談が来るファンドになる、あそこは他とは違うと。

そうやって最初に相談されるところになれば、結果案件がどこよりもたくさん来ます。また投資先の人と一緒になっていい会社にできれば、投資家さんにいいリターンを大きく返せる。

さらに案件が来るんですから、投資家さんにとっても全然マイナスじゃないですよね。

Q) はい。

佐山さん) 投資家さんはなんだかんだ言って結果が全てです。ただそれは決して目先で出すんではなく、中長期的に出す。それが大事なことなんですね。

Q) ありがとうございます。つまり会社、社員の人が満足するからこそ、次のディールソーシングでいい案件がエクスクルーシブに集まるから、投資家にとってもメリットがある、そういうことですね。

社員を投資先に常駐させ会社に貢献することで、投資先との信頼関係を強化

佐山さん) そうです、ですから我々が他のファンドと違うのはね、必要であれば我々の社員を常駐で投資先に出すんですね。今10人以上投資先に常駐で行っているですが、そこで役に立てば、投資先企業との信頼関係も良くなるでしょ。

一度アンケートを取ってもらえばわかると思いますが、どのファンドと比べても、投資先企業との信頼関係はインテグラルが抜群に高いと思いますよ。

他のファンドだと、投資先企業にとって「そこには売ってほしくなかった」というExitが混ざっていると思うんですが、うちではそういうExitは1つもないんです。それは誇れるところですね。

Q) 一番高値がつく売り先があったとしても、投資先企業が売ってほしくない先には売らないと。

佐山さん)はい、そこにはいきません。それは最初からはっきり言ってます。

Q) この信頼関係こそが、まさに『日本型投資、日本型バイアウト』の体現ですね。

佐山さん) このやり方こそが、日本にバイアウトが根付くキーポイントだと思っているんですよ。

Q) 佐山さんの仰る、日本に『根付く』の定義はどうなりますでしょうか。

佐山さん)『長く、根を張って続く』ということです。一時的に儲かっても、根付かないようなバイアウト投資ではいけないんです。

インテグラルの特徴①:i-Engine(インテグラルの投資プロフェッショナルが投資先に常駐)することで達成できる、一石二鳥とは?

Q) 今、常駐の話が出ましたが、御社の1つの特徴としてよく知られる『i-Engine』なのですが、投資先への常駐というのは他のファンドもやっているかとも思います。御社の場合は特に何が違うんでしょうか。

佐山さん) 現在社員は約60名おり、その内投資Professionalは40名ほどいます。おそらく他と違うところは、投資先が求めていれば投資先に社員を常駐で出す。これは他のファンドがやっていないことと思います。

そのきっかけですが、1号ファンドの時に、ある投資先から手伝って欲しいと言われたんですね。我々は長くても1年間と思って送り出したんですね。ところが役に立ったんでしょうね、結果4年間拘束されて常駐で、投資先がある八王子から帰ってこなかったんですね。

最初なんで1年と思ったかというと、投資先に何年も送り込んでいたら人が沢山必要になって効率が悪いと思っていたんですね。でも、長く常駐しているということは、投資先と信頼関係が築けているということなんですよね。

そして、これは私も予想できてなかったんですが、4年後Exitした時にね、その送り出したメンバーが売却先に残ってくれ来てくれとオファーがあったんですね。

最初そのメンバーは投資先の管理部門の手伝い的に行っていたんですが、最後は中国の営業の責任者になっていたんです。管理部門から中国営業部のトップにですね、そういう経験をうちのメンバーがしたんですね。

Exitの際には彼がものすごく成長していたんですね。何か大きなことを任されて一回りも二回りも成長していたんです。

そこで分かったのが、これは一石二鳥だなと。「投資先との信頼関係構築」と、「投資メンバーの成長」と両方が達成できると。

インテグラルの特徴②:ハイブリッド投資(自己勘定投資)も併せて、ファンド投資期間を過ぎても長期保有

Q) インテグラルのもう一つの特徴として挙げられるものの1つに、ハイブリッド投資、『自己資金投資』があるかと思っています。これについて教えて頂けますか。

佐山さん) 普通のファンドというのは、投資家から集めたファンドから当然お金を出すわけですから、いずれ投資したお金である投資先企業の株などは全部売却しないといけないわけなんですよ。ところが、我々は自己資金も出しています。

自己資金を出すということは、投資先企業に売ってくれと言われない限り保有し続けます、ということです。

それは、つまり、我々にとっては塩漬けの資金であり、投資効率としては滅茶苦茶悪いわけです。悪いんですけれども、しかし、投資してもらう先から考えればね、いつまでも付き合ってくれるんだという安心感に繋がるんですね。

それから上場した際も自己資金を売らなくてよいので、安定株主になり得るんですね。

実際、東証一部に上場した投資先であるQBハウスからも、5%くらい株を安定株主として持ち続けて欲しいと言われ、5%程自己資金を投資したままなんです。

これからも長く売ってくれと言われないでしょうから、完璧にフリーズされた自己資金なんです。投資効率の観点からはよくありませんが、最初から自己資金はそういうものと思っていますので気にしません。

Q) 凄いですね。普通投資ファンドというと、時期がきたら出て行って欲しいと言われる存在かと思いますが。

佐山さん) そうですよね、普通ファンドなんてうるさいから早く出て行って欲しいと投資先から言われると思われるんですが、そう言われるファンドが日本に『根付く』訳がないですよね。

投資期間が5年、6年と言わずにもっといて下さいよ、とそう言われるファンドを目指すべきなんですよね。

インテグラル式投資の特徴である、Deal Inducing Investments

Q) それって凄くユニークです。今まで色々なファンドを見てきましたが、中々そういうファンドはありませんね。

佐山さん) 最初1号ファンドの時は、まさか塩漬けになる資金を好んで出すわけがないと考えた投資家さんから、儲かりそうな案件には自己資金は出して、損しそうな案件には出さない、いわゆるチェリーピックじゃないかと言われてきました。

しかし案件を積み重ねるうちに、自己資金も投資するということによって、長期のコミットをしてくれるのだと、投資検討の入口で、価格以外の要素が良いとして選ばれることが多くなりました。

3号ファンド以降は、どの案件にも一定割合の自己資金を投資し長期的にコミットしています。

海外投資家さんには、“Deal Inducing Investment (DII)”と説明していて、今ではだいぶ理解されてきて、最近では、やっと、チェリーピックとはほとんど言われなくなりましたね。

インテグラルでは、一気通貫でPE投資を経験できる

Q)佐山さん、PE志望者の中で御社への理解がよく深まってきたと思いますが、御社に入ると他ファンドに比べ、どんな経験を積むことができるでしょうか?

佐山さん) うちに興味を持ってくれた方がいたとして、インテグラルのメンバーは基本は一気通貫で全部やってもらうことにしています。

入口のM&Aの投資契約の交渉から、ファイナンスからやり、その後、投資先が必要ということであれば投資先に常駐で行ってそこでべったり経営を一緒にやってもらう。そして、Exitまでの準備も行う。一気通貫で全部やるというのを基本にしています。

ただ、最初から全部できる人はいません。例えば、M&A今までやってきたけれども、ファイナンスや経営は分かりませんという人でも、1つ1回一気通貫でやると、その人が完全なインテグラルのバイアウトファンドのプロに大きく近づくんですね。

Q) 文字通り、バイアウトのプロとしてインテグラル(不可欠)な要素が、全部統合されていくと。

佐山さん) ただ30歳前後の方は、何か1つは要素として持っていて欲しいとは思います。

M&Aはやっていたが、ファイナンス、経営はこれからなので、それを加えていくと。

もっと若い人はポテンシャル採用もあります。

インテグラル入社時に求められるバックグラウンドとは?:エクセル+基礎財務知識+投資先に受け入れられる人柄が基本要素

  1. Q) インテグラルに入られる方としては、どんなパックグラウンドの方が多いですか。

佐山さん) 一番多いのは金融機関、銀行・証券会社。それからコンサルティング会社、また公認会計士や弁護士。それから商社やメーカーの方もいますね。

Q) 門戸が広いですね。例えば他のファンドとかですと、よくGS, モルガンスタンレー、MBB等が大半なケースが多かったりしますが、御社の場合は幅広く採られているんですね。

佐山さん)  ポテンシャルの場合には、業種関係ないですね。

そもそも私の場合がM&Aを始めたのが33歳ですからね。たまたまその時の日本にはM&Aをやっている人がいなくて本もなかったという環境もありますが。

伝えたいのは、その歳からチャレンジしてもやり抜けるということですよ。

Q) 採用時に見られるポイントとして、M&A・ファイナンス・経営のいずれか1つはスキルセットがある方という話を伺いましたが、もう少し具体的に、御社で活躍する人の特徴はあったりしますか。

佐山さん) テクニカルな面ではExcel(モデリングスキル)は絶対必要で、面接でもLBOモデルの試験があるんです。

ですから、もしご興味のある方は財務モデルはとことんやると。ただ財務モデルだけわかっていてもだめなので、BS、PLといったファイナンスもわかっていてほしいですね。そこまでいっていると、ある程度基礎があり、いいとなりますね。

次に、他のファンドがどう考えているかは分かりませんが、我々が常駐で投資先に行くことがあるので、そこで受け入れられる可能性のある人ですよね。

M&Aとか金融の知識はあるんだけれど、投資先に対して偉そうに接してしまうは無理ですよね。賢いかどうかという前にいい人かどうかです。

プロフェッショナルとは

  1. Q)では逆に、いざインテグラルに入った後に、パフォーマンスしなかった人は何が向いていなかったと思われますか。

佐山さん) まず1つは案件がきた時の処理能力。これがあまりに遅いと、1人で動くわけでなくチームで動くので、そこが遅いと周りにも迷惑をかけるのでね。もちろん最初はいいですけどね。これが1つ。

次に、投資先に行くので、やはり前にも言いましたが、そこで受け入れてもらえるかどうかですよね。

我々はプロフェッショナルで、野球選手と同じなんですね。私も含め、「走る、守る、打つ」の何かができないとだめですよね。

なので、入り口で打てそうだなと思ったけれど、打てなかった、そして、走るのも、守るのもトライしたけれど無理だった、インテグラルの力になれない、となれば残念ながら「戦力外通告」ですね。

それはプロフェッショナル集団ですから仕方がありません。私とて例外ではありません。プロフェッショナル全員、同じなのです。

もちろん、入り口で十分吟味しますので、多くはないですけどね。それが事業会社で働く人とプロフェッショナルファームで働く人の違いですかね。

インテグラルのビジョンである「ハートのある投資」の具体例とは?

  1. Q)時間が経つのもあっという間で残り少なくなってきましたが、駆け足でいくつかお伺いしたいと思います。

佐山さん) 貴方と話していると、時間が経つのが早いね、今度は10時間くらいやってもいいね(笑)

  1. Q)ありがとうございます(笑) これまで色々な投資をやってこられましたが、その中で、この案件こそがハートのある『日本型投資』だと説明されるとしたら、どんな投資を挙げられますでしょうか。

佐山さん) 説明するということは終わっていないといけないので、既に終わっている案件でいうとですね。

  1. Q)まだ途中経過でも結構です。

佐山さん) 途中経過ということでいうと、スカイマークというのは、もうみんながやらないと決めたところに突っ込んだ案件ですからね。

我々が投資しなかったら破産してなくなっていた会社だったんです。

しかし我々はスカイマークには社会的存在意義があるとみて、投資しました。

当時定時運航率最下位を争っていたんですが、今はなんと、3年連続定時運航率1位ですし、ついに11月20日発表の、航空会社と新幹線の国内長距離交通部門で顧客満足で1位を獲得したんです。

Q) 確かに先日私も沖縄に行く際利用させて頂いたんですが、とても満足させてもらいました。愛のある航空会社でした。

佐山さん) 我々の仕事というのは、とにかく儲けるということではなく、投資先の会社と一緒にいい会社にしていくのが仕事なんでね。そこで働く人々が一生懸命生き生きとして働ける仕組みを作る仕事なんですね。

  1. Q)今日おっしゃられたことも、3年前に伺ったことと、一貫されていますね。

佐山さん) やっぱりね、投資をする、そこの会社の価値を高めるというのは、そこにどっぷりつからないとわからないことがいっぱいあるんですよね。そこの経営の一部になるということが大切です。

  1. Q)そうすると、多様なディールを学びたいPE志望者は、心配になるかもしれません。投資先に常駐している間は、他の案件にはかかわらず、投資委員会に出ることもなく、投資先にどっぷり浸かるという感じでしょうか。

佐山さん) いや、投資委員会はね、電話でも出られるので、出来るだけ「全員参加」にしているんですね。自分の担当でなくても全員参加すると。これも多分他のファンドと違うと思うんですよね。

他のファンドはパートナーだけとかでやっていたりするケースもあると思うんですが、色々な人から色々な投資のことを聞いておくと、また自分の担当案件で似たようなことが起こったりするので、その時に役に立つんでね。

インテグラルのビジョン:ナンバーワンのプライベートエクイティファームではなく、ダントツのプライベートエクイティファーム

Q)佐山さん、本当にありがとうございました。最後になりますが、インテグラルのビジョンをお聞かせください。

佐山さんは常々、PE業界のユニクロを創る、という風に仰られています。「断トツのPEファンド」というのはどんな像をイメージされていますでしょうか。

佐山さん) 例えばユニクロのすごいところは何なのかというと、『迷わずに選ばれる存在』ということなんですね。No.1ではないんですね、迷わずに選ばれる存在、「断トツ」なんですね。

どこかに投資しようと考えた時に、『まずインテグラルに相談しよう』と迷わずに思われる、そんな存在を目指していますね、ずっと。

  1. Q)ありがとうございます。「迷わずに選ばれる存在」になってこそ、社会にとってのインテグラル(不可欠)なバイアウトファンドとして、長く根付いていくということですね。

このお話を読んで、御社へのフィットを感じた方々から、多くのアプリケーションが届くかと思います。私のも混じってたりして(笑)。

佐山さん) ありがとうございました(笑)。