KKRへの転職~プライベートエクイティ業界の言い出しっぺ?の5大特徴とは?

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KKRは1970年代にプライベートエクイティというビジネスモデルを始めた最初のPEファームです。以降、世界各地でファンドサイズ、リターン、集める人材の質、KKRキャップストーンの創設(専属バリューアップチームもKKRが最初でした)など、様々な点でPE業界でリーダーシップを発揮してきました。そして転職市場ではマッキンゼーやゴールドマンサックス社員のトップクラスの人材にとっても非常に狭き門ですが、その報酬水準もPE業界最高水準で、KKRからの転職先も華やかです。そんなKKRの特徴について解説します。

1.KKRは超絶エリート志向~世界各地のオフィスで共通する特徴

KKRは、エリート志向が強いプライベートエクイティ業界の中でも、最もエリート志向が強い会社です。オフィスのデザインからして、一見外見からはわからないのですが、ドアを開けると世界各地のKKRで共通するマホガニーの重厚なオフィスが広がる様子にも、その特徴が表れています(社内で出されるコーヒーも美味しい)。

社内は基本的にマッキンゼーやゴールドマンサックスのスター選手がゴロゴロいて、学歴もハーバードやスタンフォード(しかもディスティンクションやトップ数%の優秀な成績者)が沢山います。

経営陣も一流の人材が多く、まだKKRの創業者は投資家説明会に出てきますし、アジアヘッドの方はここだけの話、めっちゃいい声で、外見も何やら日本の堀紘一さんに似ています。

そういえばビジネススクールも同じハーバードですが、ともあれKKRへの転職は、PE業界の中でも最も人材とバックグラウンドを厳選する狭き門として知られています。

2.高値で買っても、高い成果を出してきたKKRの高い実績

2000年代に日本に進出した時は、巨額の資金を集めたのに(KKRのグローバルファンドないしアジアファンドからのアロケーションですが)、長らく投資先がなくて苦労していました。

日本のメガバンクの頭取クラスを日本支社代表に据え、ゴールドマンなどからトップクラスのスター選手を雇い(ちなみにその方はKKRでの実績をもとに、某大手欧州鶏糞安どの日本代表に就任。投資銀行時代もPE業界も、能力と人格の高さが業界に響き渡る優秀な人材です)、チームを拡大させました。

それでも投資案件ゼロが何年も続き、いよいよ日本撤退かと市場でうわさが流れたこともありました。

しかし結果的に日本最初の投資先となったインテリジェンスで大成功し、その後も韓国のOBビールなど、他の大手ライバルファンドとのビッドに競り勝ち高値で買ったにもかかわらず、結果的に非常に高い投資リターンを実現してきました。

3.最大級のファンドサイズだが、既存投資家からのリアップで一気にオーバーサブスクライブ

結果的に、世界最大級のファンドサイズであるにもかかわらず、既存投資家からのリアップ(従来のファンドに入ってくれていたLPが、次号ファンドへも引き続き投資)で、結構すぐにファンドレイズが終わるファンドです。

これはそもそも北米の公的年金や大手FoF(ファンドオブファンズ)など巨大なPE投資家が数百億~ビリオン単位の巨額スロットで入ってくれるからです。

大手公的年金にとっては、巨額の投資が出来る5000億~数兆越えのファンドサイズで実績があるPEファンドが他にあまりありません。

またKKRに投資して失敗しても、コンサルでマッキンゼーを雇って失敗しても怒られないのと同様、「ここで失敗したら、仕方ないよね」感が漂うことにも起因しています。

4.高給のプライベートエクイティ業界の中でも、最高水準の報酬

ファンドサイズが大きく、またファンドのリターン実績も高く、かつ人材の数はファンドサイズに比べて少数厳選採用なので、結果的にPE業界の中でも最高水準の報酬を支払うことができます。

またディールをしたい人ばかりでなく、投資先のオペレーション改善に特化したコンサルチーム、KKRキャップストーンも、コンサルティング業界の最高水準の報酬で、トップティアの人材を集めることが出来ています。

5.KKRからの転職~世界のPE業界で引っ張りだこ?

KKRへの転職は極めて狭い門ですが、KKRからの転職も栄転が多いです。

前述のように、ディレクタークラスで数年働いたのちに、欧州系の数千億のファンドの日本支社社長になったり、また若手のアソシエイトクラスだとスタンフォードやハーバードMBAに行ったりします。レジュメの面からも、これら企業の経営陣(HBSやスタンフォードGSBのアルムナイも多い)によるレコメンデーションレターは強いのです。

そしてそもままKKRのメンローパークのオフィスで働いたり、シンガポールに移って東南アジアへのグロースキャピタルに転職したりと、世界各地のPEファームへの転出にキャリアの可能性が開けます。

以上、プライベートエクイティ業界の始祖にして、その後も一貫してPE業界のリーダーとして世界に君臨するKKRへの転職について、いくつかの特徴を論じました。ご参考いただければ幸いです。