
プライベートエクイティ業界は男性が大半ですが、女性がPE業界を目指すと、転職選考過程ないし入社後に不利に扱われるのでしょうか?実際はプライベートエクイティの仕事内容次第では、女性のほうが数多く活躍されているポジションも複数あります。たとえばLP対応チームは女性が多いですし、投資チームも最近はESG対応アピールの一環で、女性比率を高めようとする会社もあります。(投資先の女性比率を高めるといいつつ、自社の投資チームが男性ばかりだと、説得力がないため。)以下で詳細を解説致します。
プライベートエクイティというと男性が多い印象がありますが、実際に9割がた男性です。
たまに女性もいますが投資チームのジュニアで数年で辞めていくか、IR担当が大半。
ただ、ファンドオブファンズなどLPサイドは、女性が数多く活躍しています。
以下では女性がPE業界に少ない理由と、女性が輝くPE業界のポジションについて解説致します。
プライベートエクイティ業界が男性社会な理由とは
プライベートエクイティ業界は、投資銀行やコンサルのように超絶労働時間が長いわけではないです。むしろ世の中一般のお仕事に比べれば、拘束時間は大抵のPEファームでは、少ないほうなはずです。
結婚生活と十分両立できるはずですが、なぜプライベートエクイティ業界は男性が大半を占めるのでしょうか?
その理由は第一に、PE業界はコンサルのMBBや投資銀行のMAチームから多くのジュニアを雇うので、MBBと投資銀行部門がハードコアで男性が圧倒的に多いことが、一つの理由かと思われます。
第二に、金融系やマネジメント系の仕事は、日本では女性に敬遠されがちなのか、それとも採用側が女性を敬遠しているのか、ともあれPEに限らず男性がほとんどであることが挙げられます。
第三に、プライベートエクイティファンドは一度資金調達すると10年かけて運用するプロダクトですが、その間に結婚・出産・育児があることも影響しているでしょう。
言い換えれば、ファンド運用期間中にかなりまとまった期間、抜けることになることも、PEキャリアを選択しないことに、影響している可能性があります。(実際に、PE業界で長年働いている女性は、独身比率が高いです)
女性が活躍するプライベートエクイティ業界のポジションとは?
このように書くと、PE業界は女性が目指すのは不利だと誤解されるかもしれませんが、そんなことはありません。
PE業界と言っても幅広く、ポジション次第では女性の方が活躍している領域も複数存在するのです。
まずはファンドのIR、つまりインベスターズリレーションズ。投資家はオジサンが多いので、各社がIRチームにやたらと女性を配置してきます。
またIRの仕事は投資家のニーズを聞き出し、求められている情報をきめ細かく提供する接客業的な側面も強いので、女性がその強みを発揮するケースが多いともいえるでしょう。
次に女性が活躍していることが多いのが、LPサイド、つまりPEファンドへ投資する会社です。
これは、LPの仕事の大半が多様なステークホルダーとのコミニュケーションであり、女性が敬遠することの多い(決して能力に性差があると言っているわけではなく、傾向として)ファイナンスのナンバークランチングともほぼ無縁な仕事で、女性に多い長期的な人間関係構築能力に優れた人が活躍できる仕事だということも、影響しているでしょう。
第三に、別に多いわけではないですがGPとして長年PEファームで働いている女性の特徴を申し上げます。
まず比較的楽で時間拘束が実に短いPEファームを選んでいること。かつ有力な上司に恵まれその人の優良案件で長年キャリアを積むことが出来ていること。そのうち社会的風潮で”女性が働きやすい職場かどうか”が重視されるようになって、一部北欧LP投資家からもこれまわりの質問を受けるようになり、ファームが昇進委員会で数少ない女性を、キモチ昇進に有利に扱うケースなども、無きにしも非ずです。
なお上記は日本のプライベートエクイティ業界における女性の”PE業界進出”状況を記載したものです。韓国や中国といった近隣諸国をはじめ、海外ではお国によってはGPでも女性が大活躍しているケースも多いということも、申し伝えておきます。