
総合商社で20代後半から30代後半にかけて、プライベートエクイティ転職志望でストロングキャリアに相談くださる方が、非常に増えています。特に2024年から2025年にかけては、昨年よりかなり急ピッチでPE転職志望者が増えました(逆に、投資銀行から30越えてクビにならない総合商社の安定を求める転職志望も増加)。その背景や、典型的志望理由、また未経験からPE転職を達成するのはどのような人々なのでしょうか?投資は好きだが系列の中に縛られてしまう、投資先ではなく親会社の利益が最優先等ですが詳細は以下です。
総合商社からプライベートエクイティ転職を目指す人が本当に増えており、かつ未経験にも関わらず、PE転職を果たす人が結構います。その志望動機で多いのは、4大総合商社のどこかを問わず、
①このまま、社外で通用しない、働かないオジサンになりたくない。
②給料は安定して高く、30後半で1500万超えている。しかし逃げ切り体制で会社にしがみつく生き方をするには、まだ早い。思い切り働ける環境で挑戦したい。
③業績評価でフィードバックがほぼ無いか、あっても的外れで、給与に反映されない。成長している感と、できる感がない。
④総合商社がやるべきでないビジネスをやっている。出向している給料が高い商社の社員が、出向先の会社の財務を圧迫し、同じ仕事をしているのに給料が低いプロパー社員のやる気を削いでいる。
⑤社内調整のプロにしかなれず、何か専門性がついているようにも思えない。
⑥資源価格上昇で業績は好調だが、別にビジネスが上手くいっているからではなく、単に資源価格上昇の波に乗っているだけ。
⑦投資と事業運営の両方をかじれるが、マイノリティ投資でガバナンスに影響力を発揮できなかったり、そもそも商社事態にガバナンスが効いていないというツッコミがあったりとで、投資先のバリューアップをできるとは思えない。
⑧評価されてはいけない人が評価されている。何か新しい投資やプロジェクトを始める人が評価されがちだが、それらを途中で放り出したり、上手くいかなくても、特に評価に響かない。打ち上げ花火を上げた者勝ちになっている。
⑨商社は共同投資することが多いが、投資先が儲かりだすと共同投資パートナーと利権争いが熾烈になり、投資先にとっての価値最大化を追求できる態勢ではない。
総合商社のPE未経験者が、PE転職できる人の典型的パターンとは?
いかがでしたでしょうか。「まさに自分のことじゃん!」と思われている総合商社の方もいらっしゃることかと存じます。ですが、きちんと財務とバリュエーション周りを商社時代に勉強しておいて、かつ出向先でチームをマネジメントする経験を持ち、なんか人に好かれる30中盤までの方は、まだ「未経験からのPE転職」にチャレンジ可能です。
「新興ファンドでファンドサイズも大きくないが、急募しているものの認知度が低くてMBBやGSから雇えない」というファンドにまずは入り、そこからPE業界でキャリアアップ、というパターンも少なくありません。是非ご参考いただければ幸いです。