プライベートエクイティ転職者の転職先:PEファンド転職後のさらなる転職先とは?

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プライベートエクイティ転職後の転職生活は、実に多様です。近年ではスタートアップへの転身や起業が増えていますが、意外とその後、カルチャーギャップと年下社長に僅かなストックオプションで使われる違和感から、大手金融に舞い戻ってくるケースも少なくありません。典型的な成功モデルは、トラックレコードとLP投資家をひっさげて独立するケース。ないし政府系の金融機関で、社内の人がよくわかっていないのを上手く使い、破格のキャリー条件でPE部門を新設し、代表についてしまうケースです。

プライベートエクイティ転職者の転職先とは?

コンサル後の転職先、投資銀行後の転職先として人気のプライベートエクイティですが、プライベートエクイティに転職した人のその後のキャリアはどのようなものが多いのでしょうか?

なんだかんだ言って独立が多いですが、今ではスタートアップに流れる人材が急増しています。

これは、海外トップMBAの卒業生が、大昔は投資銀行に行きたがり、一昔前はプライベートエクイティに行きたがり(今でも大人気ではありますが)今はベンチャーキャピタルの方が人気が高まっていることと共通しているともいえます。

つまるところ、プライベートエクイティのアソシエイトとして毎年2500万~3000万くらい貰い、ディレクターになり5000万くらい貰い、うまくいけばキャリーで5年後くらいに何億か入ってくるかもというのが、一昔前の”サラリーマンベストケースシナリオ”の一つでした。

しかし最近はスタートアップにお金も人も流れ、桁違いの成功ケースも出てきたので、そのようなキャリアにロールモデルを求める人が増えてきているのです。

ただしブームに乗ってスタートアップに転職したものの、後悔する人も少なくありません。

これは、突然AIスタートアップ(しかもよく見ると、AIでもなんでもなかったりする)に入ったところで、これまでゴールドマンサックス、ハーバードMBA、大手PEファンドなどで築き上げてきたキャリアをあまり活かせないというパターンが少なくないです。

またずっとお堅いInstitutionalな世界で働いてきた自分にとっては、大学からそのまま起業して大人の御作法を知らず、学生のノリの延長でコンプラ違反や投資家へのウソが横行していることに恐怖を感じた”やんちゃなスタートアップ文化”
、言ってみればカルチャーに馴染めなかったケースが挙げられます。

他ファンドへの転身や、投資家側ないし政府系ファンドに転身する人も多い

中には長らく続けてパートナーを目指す人や、自分で独立してファンドをつくる人もいます。

また、他のファンドに移って非連続な出世をする人や、お客のLP投資側に回る人もいます。

そして日系金融機関の幹部を説得してPEチームを作り、破格の条件を手にする人もいます。(こうなると、キャリーリターンを考えると自分でファンド数百億運用するより旨味が大きいレベル)

 

アセットクラスや、バリューチェーン、役割を変えて大成功する人も

 

他にも、自分でスタートアップを立ち上げた人もいますし、他のスタートアップに入った人もいます。

プライベートエクイティファンドだったけど、日本はエクイティプレーよりプライベートデットが機会が多いと判断し、プライベートデットのファンドを立ち上げた人もいます。

また、プライベートエクイティはディールソーシングからエクセキューション、モニタリングからエグジット、ファンドレイズまで、一人前になるにはやらなければならない仕事が多いのですが、全部するのは無理だけど一部の仕事は誰よりも得意なタイプの人が、ディールソーシングに特化したブティックファームを立ち上げて活躍していたりもします。

他には、経験を活かして様々なプライベートエクイティファンドのアドバイザーとしてセミリタイヤ状態の人もいます。働き者の部下をしっかりと雇って、自分自身は対外的な顔だけして、実務はまったくしない引退モードの方もいらっしゃいます。

他にも、プライベートエクイティファンドで稼いだお金で、自己勘定投資をし、他人のお金は集めずに、あくまで自分と友人のお金だけで、ファンド投資機関も定めず悠々自適の投資生活を送っている人もいます。

プライベートエクイティでも、ろくな経験できずに終わる人も存在

なお、悲惨なのがかなり小さな弱小ファンドにはいって、一つの案件の中にどっぷり入りこんで地方の田舎の小さな会社の一員として3年くらい過ごした後、そのファンドがの業績が芳しくなくて次のファンドレイズができなかったケースです。

結果的にろくに投資経験もエグジット経験も積めずに、なんだか中小企業への派遣幹部社員みたいな数年を過ごしてキャリアダウン。

いまでは謎の金融商品の販売員(フルコミッションベース)になってしまっている人もいます。

 

プライベートエクイティファンドでの経験も、ピンキリ

コンサルがピンキリなのと同様、プライベートエクイティもピンキリです。

 

中にはよくよく聞くと、まったくプライベートエクイティでもなんでもない、単に自分の小金を投資してるだけでしょという人もいます。

 

また実は収益の大半はコンサルで作りつつ、パフォーマンスでファンドらしきものを持ってるだけ(実は第三者のお金を預かっているわけではなくバランスシートから投資してるだけ)というケースも、少なくないのです。

ただ投資銀行やコンサルに比べ、経験する仕事の幅が非常に幅広いのはプライベートエクイティ業務の魅力です。

資金調達からファンドストラクチュアリング、ディールソーシング、モニタリング、バリューアップガバナンス構築、エグジットまで一通り経験できれば、他のどの仕事よりもビジネス全体の流れを学ぶのに最適な仕事と言えるでしょう。