「投資銀行一年目の業務とは?」~業務内容・仕事内容は雑用のオンパレード!?

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外資系投資銀行に入った後は、かなり厳しい生活が待っているとは聞くのですが、具体的にどんな仕事が降ってくるのかイメージが沸きません。働き方改革やコンサル人気、AIベンチャーブームで投資銀行人気がひと段落するなか、最近ではどのような変化がみられるのでしょうか?そこで直近の就労環境の変化状況と、外資系投資銀行へ入社した後の日々をご紹介します。

「投資銀行一年目の業務とは?」~業務内容・仕事内容は雑用のオンパレード!?

京都大学経済学部の方より質問

外資系投資銀行に入った後はかなり厳しい生活が待っているとは聞くのですが、具体的にどんな仕事が降ってくるのかイメージが沸きません。

できれば一日のイメージがわくような事例を教えていただきたいのですが。

投資銀行入社後一年目は、雑用のオンパレード

現在の投資銀行は若手の間で随分人気も落ち着いたことから、特定の日は早く帰らせたり、休暇を取りやすくしたりしています。

驚いたことに、電通の一件以来、投資銀行にも労基の指導が入って、週に二日は有無を言わさず7時には家に帰らせるという、一昔前の投資銀行残酷時代に比べ、各段に投資銀行のアナリストのワークライフバランスは改善しています。

また、グーグルやフェースブック、また豊富な資金調達に成功した有力スタートアップ(しばしばAI分野)が高値で若手人材を採用するようになり、遅ればせながら複数の伝統的日本企業が「新卒1000万採用」なども始めたため、一昔前の”理系のトップタレントが金融に”という流れは、シリコンバレーでも香港でも東京でも、もはやみられなくなっています。優秀な人材の採用難から、投資銀行各社も若手の労働環境改善に真剣な配慮をするようになってきているのは、歓迎すべき変化といえるでしょう。

しかしながらそれでも、若手のころは毎日深夜まで働く日も多い、激務であることに変わりはありません。

以下に参考がてら、具体的なシニアバンカーからのアサインメント事例を紹介いたします。仕事内容とご自身がなさりたい仕事イメージとのフィットを確かに持ったうえで、就活に臨んでいただければと思います。

アソシエイト・ヴァイスプレジデントから降ってくる、驚異的な雑用の数々

・”佐藤君、明日の朝4時までに、スイスのガーウェンに電話して、うちのヨーロッパ市場での転換社債の実績、タバコ産業に限定してケースをできるだけ集めといて。
あとそのアフターマーケットの株価の展開をインデックスと対比して、パフォーマンスがいいのをいくつか選んでおいて。“

・“広田君、これ大和のカウンターパートと一緒に、セールスから投資家の需要を聞いてブックビルダーに打ち込んで、プリントアウトしたの朝会に報告しといて。”

・“趙君、アンドリューがファミリーマートの財務部に会いに行くから、彼の下に一週間フルに入って。ピッチブックの提出あと一週間だから、それまで予定全部抑えておいてね。”

・“永井君、日本の車メーカーのバリュエーション比較を、グローバルピアーで10社くらい選んでA社のディスカウント状況グラフで見せてくれる?”

・“ちょっと!なんでこれダブルチェックしておいてくれなかったの!! 何回も言わせないで、ここに句読点は入ってないし、ここも大文字になってない!!”

・“このグラフは右下のほうが見やすいでしょ!!?? あとこのリーグテーブル、なんで2015年から2018年なの?直近の2019年9月まで伸ばしたら、最近のうちの案件も入れられるし、ランキング上がるでしょう?? あと500億以上の案件だけ探せって言ったのに、これ380億になってるよね?? いい加減にして!!”

・“おいおい、ここ会社のロゴがゆがんでるじゃないか!こんなの客先に持っていけると思ってるの?”

・“このチャート、右にバランスが悪いよね。あとこの矢印、もっと大きく赤色で囲めっていっただろ!!”

・“ちょっと、ここ改行しといてくれる? あとここの”てにおは“、佐藤さんと伊藤さんのコメント全部反映して、大野さんからチェック貰った後で翌朝デスクに置いといて。(夜の3時くらいにバンと渡されたりする。)”

etcetc… 一年目の業務、下手したら二年目、三年目の業務として続いてるケースもあるが、あくまでもっともブルシットなしかし大量に降ってくるアサインメント事例を紹介しておきました。

中にはやディールのエクセキューションなど、いい経験もあり、またこれらは転職時に大変役に立つスキル・経験ですので、激務でありながらも若手時代の数年間を過ごすのは、悪くありません。

しかし、投資銀行入社後一年目は、大半の仕事が上記のような雑務だと心得ておいた方がよいでしょう。

一年目の雑用を完璧かつ迅速にこなそう~雑用が出来ない人は、永遠に大きな仕事を任せてもらえない

このような雑務の数々の生活をどのように早く抜け出して、本来の投資銀行業務を経験できるようになるのでしょうか?

わたしの投資銀行の部門長(投資銀行部門ヘッド)は、30代前半で投資銀行部門のヘッドになり、30代中盤で東京オフィスの社長になりました。このすさまじいスピード出世を遂げたボスにその秘訣を聴いたところ、”つまらない仕事でも全力投球””ミスをしたら、同じミスは絶対に繰り返さない”ことを徹底しただけだと仰っていました。

ただし何事も一事が万事なので、小さなミスを犯さず素早く雑用をこなせる人は、より付加価値の高い仕事を任しても、正確に迅速に良い仕事をするものなのです。

逆にアナリスト一年目でクビになる人の特長は、”こんなつまらない仕事するために入ったんじゃない”などとタカをくくって、雑用の手抜きをする人です。このような人は、小さな仕事を任せてもできないので、もちろんより大きな仕事を任される日が永遠に来ません。

そして次の年に入ってきた若手後輩アナリストにどんどん抜かされ、昇給が無く、ボーナスも最低金額を提示されるという”会社側からのメッセージ”を理解せずに居座って、結局ある日、突然人事室に呼び出され、解雇通知を受け取り会社を追い出される羽目になるのです。

言い換えれば、どれほど頭がいい人でも、この”雑用をミスなく正確にこなす覚悟と適正”がない場合、投資銀行部門を最初のキャリアに選ぶと、セルフイメージが壊滅して”俺は仕事が出来ない人間”となりかねません。

”かっこよさそうなエリートっぽいイメージ”だけで職業選択しないよう、くれぐれも注意して頂きたいと思います。

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