
前職は日系コンサルティング会社に勤めており、その後MBA留学したAさん。卒業後、外資の戦略コンサルティングファームを受けたが、最終的にトップティアではない戦略ファーム1社のみからオファーをもらう。ご本人としては満足できておらず、今後のキャリアについてStrong Careerにご相談にいらしました。
トップMBA取得後の転職~セカンドティアコンサルで埋没するキャリアはダメ!!
質問内容
この度MBA卒業後のキャリアに関して悩んでおり、ご連絡差し上げました。
私は前職は日系のコンサルティング会社に勤めており、そこから現在私費でMBA留学しております。
卒業後のキャリアとして、コンサルティングに関心があったため、外資の戦略コンサルティングファームを受けたのですが、最終的にトップティアではない戦略ファーム1社のみからオファーをもらいました。
正直なところ、自分としてあまり満足できない結果で、何年後かに上位のファームに転職をしたくなるのではないかと懸念しております。
そう考えると、これを機にコンサルへの志望を諦め、別の事業会社に転職したほうがベターではないかと悩んでおります。
今の関心として、長期的にはVCで働きたいと考えていることも、今後のキャリアとして自分がどちらを選ぶべきなのかを悩ませている状況です。
もしこれまでアドバイスしたケースでご知見ありましたら、ご助言頂けると幸いです。何卒よろしくお願い致します。
講師からの回答:MBA留学、私費で行った後の最初のキャリアで、中途半端な妥協は禁物
トップティアでないコンサルというのは、総合系や日系独立ファームのことでしょうか。
あなたが海外MBAの米国トップ7や欧州トップ2のいわゆるトップ9のMBAを得られた場合、MBBやATKでなければ、プライドが許せないと思われているかもしれませんね。
そしてあなたの予感通り、ハイスペックMBAでセカンドティアのコンサルに入り、戦略ケースなどなく現場のRPA導入やPMI常駐プロジェクトばかりに駆り出され後悔している人も、数多くいらっしゃいます。
数年たってMBBへの転職を目指すも、すでにセカンドティアのレジュメ(失礼な言い方ですが、そのようにとらえる方がいるもの事実です)になってしまっている人も、少なからずいらっしゃいます。
なんといってもMBA留学前も日系とはいえコンサルファーム(おそらく野村や三菱総研でしょう)にいらっしゃったのですから、MBA後も今どきコンサルって、追加的な成長カーブが低いのではないでしょうか。しかもコンサルをした人なら、コンサルの経験やスキルは、VCやスタートアップにあまり役に立たないことが多いことも、御存じなのではないでしょうか。
走りながら高速でPDCAを回すスタートアップの世界に、永遠に漏れなく検討し、分厚いパワポ資料を作るコンサル脳が染みついていると、スピード命のスタートアップの競争に到底ついていけないからです。
コンサルのあとに、やりたいことの前にさらにコンサルを挟んではいけない
さて、回答は年次と経験された内容、現在の年齢にもよりますが、VCを目指されるのであれば、VCないしVCに繋がるポジションを、受け続けられてはいかがでしょうか。
コンサル出身で欧米一流MBA(ここでは伏せていますが、このご質問者様はトップティアのMBAホルダーです)であれば、そのままVCに入られた方も何人もいます。
といっても日本では機関投資家の資金を扱うVCの数はきわめて限られているため、会社の中で新規事業に投資するコーポレート・ベンチャー(CVC)まで間口を広げると、かなり数は増えます。しかし御存じの通り、CVCはVCと異なり、その企業の戦略投資ないし、無駄なお勉強に終わることが多いものです。
またその継続性に関しても不安がつきものです。実際にCVCは2020年初頭のコロナショックを受け、圧倒言う間に手を引いた企業が続出しています。
なお、私の友人でVCに転身した人は、スタートアップに入ってバリュエーションを上げ、エグジットまで一通り経験してから入られた方もいます。
これらはコンサルでは身につかない経験ですが、事業会社でもCVや新規事業立ち上げなどをしなければ、結構遠い話だと思います。
ほかには、VCの投資先に経営陣として入るのも、VCと関係を築き、よりVCに直結するキャリアを築くのに有用でしょう。
当セミナーの講師陣はほぼすべてのPEファーム、外資系金融機関、コンサルティングファームでの勤務経験を有しており、これらの企業や有力VC、事業会社に実績豊富な優良ヘッドハンターをご紹介することも可能です。
ともあれ、貴方は質問されていますが、すでに心の中で答えは出ていますね。その背中を押してほしい相談だったかと思います。
私はあなたの直観に賛成です。MBAをしかも私費で行った後に、納得できない働き先で企業な「MBA後二度目のキャリアチェンジ」チケットを切ってしまってはいけません。
資金が許すのならば、極力自分がワクワクし、情熱を感じて働ける仕事に挑戦し続けることをお勧めしたいと思います。