投資銀行の仕事内容とは?投資銀行・コンサル・投資ファンド業務内容比較

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コンサルと投資銀行どちらを選ぶべきかというおなじみのご質問をいただきました。その答えは、①ビジネスモデルの違い(投資銀行は案件実行後の成否にかかわらず取引額の%を手数料で得る。コンサルもアドバイスの成否によらず、期間x時給で決まる。)②プロダクトの違い(投資銀行はお馴染みのパターンで実行、コンサルは多様なパターンだが非実行)、③バランスシートを使うかどうかの違いがあります。このコンサルと金融の仕事を融合したようなキャリアとして、プライベートエクイティを転職先として目指す人が、非常に多いです。

投資銀行の仕事内容とは?投資銀行・コンサル・投資ファンド業務内容比較

投資銀行の仕事内容と、コンサルの仕事内容の違いとは?

1.コンサルでは、ケースのアフターケアまで行うと認識しているのですが、投資銀行ではM&A、企業再生の後、どこまで業務を手がけるのかわからないので教えていただきたいです。

2.投資銀行では入社後ひたすらエクセルなどで書類作成の業務を行うというイメージがあるのですが、実際にはどのくらい証券業務の本質に触れられるのか、教えていただきたいです。

3.同様の質問が記載されていましたが、金融に関するコンサルの業務は投資銀行と同じような業務なのか、教えていただきたいです。

投資銀行とコンサルの業務内容比較~①BSを変える投資銀行、PLを変えるコンサル

投資銀行部門はM&Aのエクセキューションまでであり、いわゆるPMI(Post Merger Integration)は企業が別個、コンサルティングファームを雇うことが多くなります。

つまり、財務構造のリストラは担いますが、案件成立後の事業のオペレーションはスポンサー企業が行います。

なお金融に関するコンサルは、投資前の段階での対象選定やデューディリジェンス、投資後の戦略やオペレーションサポートでコンサルが呼ばれます。

これらは投資銀行は行いません。

端的に言えば、投資銀行はBSを変える仕事、コンサルはPLを変える仕事と言い換えられるでしょう。

②投資銀行とコンサルの、エージェンシーコストの違い

次に、コンサルのM&A案件に関して、”エージェンシーコスト”の違いについて論じます。

コンサルティングファームもM&A案件を多く担うようになってきていますが、投資銀行は案件ありき(ビジネスモデル上、取引金額に大して%のフィーを得るため)の傾向が強くなります。

これに対しコンサルティングファームはビジネスモデルが違うので、案件を押し付ける必要はありません。

ただしコンサルが抱えるエージェンシーコストは、自分にプロジェクトを発注してくれる経営陣をハッピーにしなければならないということです。

実際はそのプロジェクトをくれたクライアントの意向に沿ってストーリーがつくられることが多いのは言うまでもない大人の事情です。

③証券業務の本質に、コンサルは携われるか?

コンサルが「証券業務の本質」に触れられるかどうかについて述べます。

そもそも証券業務の本質とは何でしょうか?それは金融の本質、つまり金を溶かして、余剰資金をリターンが見込める(つまり需要と成功が見込める)成長分野に流し込むことを意味します。

それを3つの要件に分解すると、①優良案件獲得、②バリュエーション、③フィットの高い(買収したアセットとシナジー効果を生み出せる)投資家へのアロケーションとも言い換えられるでしょう。

この意味での”本質”は、③以外はコンサルでも潜在的に経験できることです。ただしコンサルのプロジェクトは多種多様に渡るのに対し、証券会社ではこの3点に特化して仕事をすることになります。

投資銀行の仕事と投資ファンドの仕事の違い~業務内容比較

企業再生に携わる仕事関しては、投資銀行とコンサルを混ぜたような業界として、プライベートエクイティへの転職を希望される方が、コンサル及び外資金融で非常に多いです。

これは冒頭で両業界の違いでBS改造なのかPL改造なのかという違いを指摘しましたが、まさにBS, PL, CF改造のバリューアップの総力戦として、PE業界が位置付けられるからでもあります。一口にPEと申しましても、各PEファンドでその戦略的特徴は大きく異なります。

ファンドの中には例えば以前のアドバンテッジパートナーズのように多くのコンサル出身人員を擁し、投資先企業に送り込んでオペレーションをガリガリ行うケースも見受けられます。

大手ですとKKRのコンサルティング部隊、キャップストーンが代表的な成功事例でしょうし、小型の国内再生ファンドも社員を投資先に半ば何年も常駐させるケースがあります。

再生オペレーション内容は新規顧客の開拓、アジア市場への展開、小規模同業者のadd-on-acquisition、ノンコアアセットの売却、ワーキングキャピタルの効率化等、多岐に及びます。

一方で、ファンドによっては基本まかせきりで、いま話題のコーポレートガバナンスや計数管理のところだけ改善し、あとは月一の取締役会に出席して質問してるだけのケースもあります。

ともあれ、「企業再生」はBS側とPL側双方の掛け算になっていることが多いものですよってコンサルと金融キャリアを積まれてきた方には、双方のエキサイティングな延長線上にあるプライベートエクイティ業界へのチャレンジを検討をお勧めしたいと思います。(中にはネクストキャピタルなど、企業再生に特化したPEファンドも存在しています。ご参考ください。)

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