就活・転職で、リストラだらけの外資に入るメリット・デメリットとは?

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外資系に入ると、給料が高いというイメージがありますが、重要なのは”リスク調整済み報酬”です。2割給料が高くても10倍クビになりやすいなら、それはリスク調整すると割に合わないことになります。また外資金融などで野村に進んだ同期より3倍稼いで威張っていたのも30代半ばまで、その後解雇されて潰しが効かず、40代は実質ニートみたいな人も、少なくありません。自分は40代どう過ごしたいのかも考えキャリア選択しましょう。(写真は、選挙に敗れてFireされた、某大統領)

就活・転職で、リストラだらけの外資に入るメリット・デメリットとは?

東京大学 修士一年 Wさんより質問

外資系は入社するときに志望部門を絞るので、プロフェッショナルを育てるという特徴を持っていると思います。

しかし、外資はリストラが多くあるイメージがあるので、キャリアデザインの観点から外資系に入るメリット、デメリットを教えていただきたいと思います。

回答:メリットは報酬、デメリットは解雇リスク、長期リスクは40超えて大企業で働き続ける選択肢が狭まるという現実

まずメリットですが、これは仮にあなたにとって収入要素がダントツ重要で、かつ社内政治を含めた競争に勝てる自信があるのであれば、外資系の方がメリットが大きいでしょう。

これに対し、日系は2:8の法則で、一部の社員が働き、その他大勢の働かないオジサンを食べさせる、社会主義モデルです。このデメリットは、頑張っても頑張らなくても給料がたいして変わらず解雇にもならないので、フリーライダーが出ることです。

しかしメリットは、解雇されないので、同じ人がいつまでも居続けるため、そこにいる人やカルチャーが好きであれば、心理的安全地帯の中で末永く働けます。

40代以降も大企業の一員として安定した職場環境をあと20年続けるのは、多くの人にとって、実は悪くない

意味のない中間業務の多さにさえ我慢すれば、マーケットバリューのつかなさを無視して社内で1000万~2000万そこそこ貰いながら、定年後も30万そこそこの年金を受け取って生きられるというのは、悪くありません。

実際に「長期安定志向」の人には、実は日系の方がよっぽどハッピーなことも少なくないのです。これに対し、外資金融などですと、40を超えてまだ雇われ続けるのは、ごく一握りしかいません。

これは実話ですが、20代の時はゴールドマンやモルガンスタンレーに入れず野村證券でしがない株式調査部のジュニアアナリストとして下積みしていた人が、GSやMSに進んだ同期が早々とクビになって業界を去っていく中で、彼だけは40になっても働き続けているのです。

ニューヨーク勤務やロンドン研修があったとしても、5年でキャリアを終えた人と20年続けた人では、やはりプロフェッショナルとしての度合いが違います。
このように、人によってプロフェッショナルとしての最適な道も、様々なのです。

どのようなプロフェッショナル像を目指すのか、また40、50、60になっても大企業の一員として働きたいのか、それとも40以降は起業かフリーランスでいいのかなど、長期的な展開をイメージしたうえで、ご判断されることをお勧めいたします。

プロフェッショナルに育てられるのは日系か外資か?

給与と働き続けられる年数のほかに、プロフェッショナルとして成長するための環境ではどちらが良いかというご質問も頂きました。

これは日系と外資というくくりではなく、個別会社単位の比較が適切です。日系でも野村総研などは研修の手厚さで知られていますし、外資でもマッキンゼーやベインは学習機会・成長機会の多さで社員満足度がグローバルで非常に高いです。

外資系投資銀行でも、海外研修など豊富な会社もあれば、実質一か月のロンドン研修の後はOJTという名の放置という企業もたくさんあります。

むしろ正しい問いの立て方は、自分にとってのプロフェッショナルは何かを考え、また自分に向いているのかを冷静に考えることです。社内調整をして、会社特化型のプロフェッショナルとして生きるのも、一つの道なのです。

20代前半の時は「実力主義、外資!」と前のめりになりがちですが、40そこそこで、外資に進んで解雇され、その後潰しが効かずやむを得ずフリーランスという寂しめの人も、結構いるのです。

早期引退して、都会を離れて隠遁生活するのが向いている人も実在

実力主義で、昇給や昇進も早く20代で5000万稼いだはいいものの、30そこそこで解雇されて、その後他の業界の給与では働く気がせずに自己資金でトレードをし、沖縄に移住してトレードばかりして、実質ネットトレーダーかニートだかわからないような人生をずっと送っている人も、実際にいます。

人と交わるのが嫌いでそういう生き方に納得している方なので、それが自分にあっていて、社会に迷惑かけていないのであれば、それはそれで立派な生き方です。皆さんも、どんな生き方しても他人の視線より、自分の中での快適さと納得感を重視し、自分らしく自由な生き方をされることを、祈念申し上げます。

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