
コンサルからモルガン・スタンレーへの転職志望者の志望動機と講師によるコメントを紹介する。
コンサル ⇒ モルガンスタンレーのケース
帰国後に入社しましたコンサルティングファームにおいては、中期経営計画策定という戦略領域から、営業改革等の業務改革領域、及び内部統制の構築といった様々なプロジェクトを経験しています。
上記のプロジェクト経験により、現段階ではM&Aプロセスの一部である事前精査(デューデリジェンス)において貢献出来ると思います。
また、様々な業界知識も役立つと思います。
更に、様々なプロジェクト経験により身につけたコンサルティングスキルは、M&Aアドバイザリーとしてクライアントの経営戦略に関して専門的なアドバイスを提供する上で、必ず役立つと思います。
今後は、M&Aに関する知識を積極的に学び吸収していくことに努力を惜しみません。
今までの経験で培われた知識や粘り強く考え抜くという姿勢と、向上心及び実行力は、貴社で働く上で大いに役立つと信じています。
更に、海外留学及びプロジェクト経験で身に着けたチームワークとコミュニケーション能力は、貴社のチームメンバーの信頼を得ることが出来ると確信しています。
貴社での経験を重ね、クライアントに信頼されるスペシャリストへと成長していきたいと考えています。
講師によるコメント
全体的には好印象の回答であり、真面目に向上心持って頑張ってくれそうな印象である。以下、各論に入ろう。
デューディリジェンスなどは外部のコンサル会社にアウトソースすることがほとんどなので、これはあまりアピールしてもたいした加点にならないだろう。ただ、コンサルの使い方や、コンサルレポートのどこが適当かを見抜く力は、コンサル出身者ならではの勘所は聞くことだろう。(実際、無理やりロジック繋ぐために、苦しいチャートを入れ込んでいたりすることも少なくないので)
最後の三行は、抽象的でありきたりであるため、私は“またか、、、”と思ってしまうが、”信頼感の強さ”が面接の全体でみられているのは確かである。(むしろこれがイチバン重要な要素だったりする。)
欠けているのは、「なぜ投資銀行業務をやりたいのか」という部分である。貢献できる部分を押し出すのはスピリットとしては買うが、実際はほぼ全て学びなおしになる。
この人をやとえば他の賢いまじめな人を雇うより責任感もって嬉々として夜遅くまでハードワークしてくれて、おまけにミスが少なさそうという印象を与えたいところである。仮にそういう人でないのであれば、入ったところで早晩クビになるか、不幸にも自分を無理やり調教して本来の自分を失いながら会社と資本主義の駒になってしまうので、「イメージと実態」の乖離を縮めるよう、本音で業務内容を親身に教えてくれる人に十分に相談して転職を考えよう。(まぁ、だから当セミナーに相談を寄せてくれているわけではあるが)
くれぐれも、なぜ企業合併や資金調達アドバイザリーをやりたいのかという、「志望動機の本気度」と、それが思い込みと誤解と映画ウォールストリートの見過ぎによるものでないことを、示したいところである。