外資金融、早期クビがマシな理由?~頑張る人4パターンと首になって迷走3パターン

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外資金融は、向いていないなら早く辞めるか解雇されたほうがいいと、御存じだろうか。悲惨なのが何とか頑張って、向いてないのに激務に耐えて30半ばまで働き、まだ大儲けしていないのに解雇され、潰しが聞かないスキルと潰しが聞かない年齢になっているパターンである。どうせ解雇されるなら、20代早めに早々に解雇されるのが望ましい。その理由を解説する。

外資金融、早期クビがマシな理由?~頑張る人4パターンと首になって迷走3パターン

さて、とにかく外資コンサルに入りたい、外資金融に入りたいという人々に、“長期的なキャリアビジョンを考えたら、貴方にあってないのでは、、”等といっても、おそらく聞く耳を持たないことであろう。私も昔はそうであった。

しかし多くの外資系ファーム、ファンド、インベストメントバンクを渡り歩き、そろそろディレクタークラスののお年頃になった結果、同期で投資銀行部門に入った人々を見渡すと、その向き・不向きを痛感することが多い。本コラムのメッセージは、”向いてないなら、早めに認めて再起できるうちに転職しよう”ということである。

外資金融転職後、とにかく頑張る人の4大パターン

 向いている人の特徴は、まずその仕事が好きで仕方ないパターンだ。香港マーケットでデリバティブトレーダーとしてボーナス4億でも文句を言っている私の親友。そのまま香港のJPモルガンからボスと一緒に独立してヘッジファンドをつくったかと思えば、あれよあれよという間にファンドサイズが大きくなり、今ではアメリカの公的年金を預かりビリオンダラーファンドを運用している者もいる。
 彼らは一回10万円近くはらう高級クラブにいってもひたすらブルームバーグで投資先の価格変動ばかり見ていて、しかも週末だろうが祝日だろうがそんなことばかり、嬉々としてやっている。つまるところ、プライベートの息抜きより仕事の方が好きなのだ。

次に、金融業界で頑張る人のパターンが、仕事内容は嫌いでも、お金儲け自体がモティベーションの源泉になるタイプだ。ゴールドマンから某大手ヘッジファンドを渡り歩き、ミッドタウンの200平米の部屋に、大学時代は全然もてなかったのに金の力で東京中のモデルと合コン三昧のゼミの友達。社内闘争に敗れ解雇されたものの、もともと腕前はあるので独立し、小型ディールを数人で回してこれまた毎年数億稼いでいる。彼は別に仕事自体に面白みや学びを見出していないのだが、金もうけすること自体が好きなので、金融業界で頑張れているという。

あとは、人当たりが良くて、優秀なチームに潜り込み、何も貢献しないのだが好かれることで生き残っていくパターン。投資銀行部門から某大手米系プライベートエクイティファームに移り、ディールは無いものの比較的悠々自適なバイサイド生活を送る元テニス部のハンサムボーイ(ちなみに嫁さんは大学一の超美人)。サラリーマンとはいえ年収5000万を安定的に貰い、たまにキャリー(成功報酬)で稼ぎ、とんとん拍子で出世している。

第四の特徴は、責任感と競争心が強く、一度選んだ分野だと、面白くなかろうが向いてなかろうが、とにかく頑張るタイプ。一つの投資銀行に長らく勤め上げ、今ではディレクター/MDとして各投資銀行の中核を担うようになった同僚たち。30中盤だと、コンサルファームに10年以上勤めあげて、パートナークラスになっている者もいる。

転職後、向いてないのにコンサル・金融に長居して、転落キャリアを辿る人々

着々とキャリア&年収アップを果たしていく成功事例をよそに、失敗した人たちの末路はそれはそれは悲惨である。まずは固定費のないフルコミッションセールスで謎の保険商品などを売り歩くケース。転職するたびにレジュメは着実に悪化していき、行きつく先はフルコミッションベースの、販売ありきの謎の金融商品のセールスになっていたりする(友人関係を食いつぶして、怪しげな商品を売ろうとしてくる)。

次に悲惨なのが、解雇を繰り返し、最後は謎の研修屋さんに落ち着くケースだ。一年目のドットコムバブル崩壊で瞬く間に放り出され、なんとかサードティアのコンサルファームに滑り込みセーフ。リーマンショック後の長期マーケット回復期に欲を出して投資銀行に返り咲いたものも、又しても上司と反りが合わずに実質指名解雇に等しい早期退職に追いやられた後、失業保険を貰いながらこっそりバイトに精を出す。しかし月々の給料が投資銀行一年目時代のそれより低いこと以上に、まだ30そこそこなのに将来のアップサイドの展望が見えないのが苦しい。
 2019年にかけての金融→起業ブームにも、40越えという年齢から逡巡しているうちに乗り遅れ、結局ささやかな研修講師みたいなことばかりして小銭を稼ぐパターンが、(よっぽど研修などで人に教えるのが好きでない限り)物悲しい転落パターンアルアルだ。

最悪なパターンが、嫁も子供もいるのにリスキーかつ向いてない外資金融に長いし、案の定解雇されて路頭に迷うケースだ。10年前のサブプライムバーストで外資金融を放り出され、何とか半年後に少しレベルが落ちるがまずまずの大手英系金融に拾われたものの、そこのファンドのパフォーマンスが芳しくなく、3ヵ月後には又してもブルームバーグで音信不通(=解雇)になっている人もいる。

あろうことか、嫁さんも二人の子供もいるというのに!!(ちなみに、金と経歴目当てで結婚されている場合、退職パッケージが離婚慰謝料に早変わりする)

ともあれ、向いてないのにコンサルや金融に長居する人は、「自分よりこの仕事を上手くできる人がたくさん世の中にいるなら、そもそも自分がこの業界にいても付加価値は出せない」ことを早期に悟り、違う業界に転出した方が、会社・顧客・社会・そして自分自身のためなのだ。

どうせ首になるなら、20代前半で首になった方がいい

2年目くらいで首になったものの、まだ20代前でキャリア転換の出来る人もまだマシである。

悲惨なのが、いくつかの会社を渡り歩いたものの全ての会社でいまいちパフォーマンスが出ず、“私のプロフェッショナル・アッドバリューはこれです!”というのがないまま、潰しの利かないお年頃になった元エリート・失業者たちである。(ちなみに自分を客観的に見ることができないので、プライドだけは高く、しかし提示される年収は低い。)

外資コンサル/外資金融に向いてないのに、そして結果的に上手く立ち振る舞えないのについうっかりジュニアのポジションで長居してしまった場合が転落の始まりである。

つまり解雇されても悠々自適の余生を過ごせるような資産を築く前にお払い箱になった上、なかなか仕事が見つからないお年頃になってしまった場合が最悪なのだ。中途半端に高い誇りと年齢、そして低い協調性の組み合わせは、好況がいくら続こうが、あなたを立派な元エリート失業者にしてしまうのだ。

そもそも向いていない人に、面接対策で内定を補助するのは、社会的犯罪行為?

これまでのキャリアで、“数多くの結局向いておらず、悲惨な末路をたどっている元バンカー/コンサルタント”を目の当たりにした今、“とにかく外資コンサル/外資金融に入ることをアシストすること”に、大きな問題意識を感じる次第である。

面接対策は、”そもそも向いていてフィットが高いが、面接準備ができておらず落ちてしまう”人にとってこそ、効果がある。

これに対し、”そもそもフィットがない人を、面接をコーチして偽りの自分をアピールして内定アシストしたところで、向いてない人を向いてない仕事に入れて採用側も社員も顧客も社会も不幸にするという、社会的犯罪行為の補助行為に加担してしまっているも同然なのである。

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