日系投資銀行から外資系投資銀行への転職を考え始めた時、絶対意識すべきこととは?

  • LINEで送る
日系投資銀行から外資系投資銀行への転職を考え始めた時、絶対意識すべきこととは? - アイキャッチ画像

野村や大和、みずほといった日系投資銀行から、ゴールドマン、モルガンスタンレー、UBSなど外資系投資銀行への転職を志すとき、実は転職後後悔する人も数知れません。中でもやはり大きいのは、「仕事は好きなのに、クビになってしまった」というもの。そもそもこの仕事が好きで長らく携わっていたい場合、たかだか30%の(短期的に終わるかもしれない)昇給の為に転職することは、リスクリターンバランスが必ずしも良くありません。また金融業界自体が大きな転換点にある今、30代前半は、業界を自発的に変える最後の機会です。

日系投資銀行から外資系投資銀行への転職を考え始めた時、絶対意識すべきこととは?

外資金融は、入ることより「居続けること」の方が、よっぽど大変

長時間労働を基本とする投資銀行を志望する者にとって、強みと求められている能力のズレは入社後の自分にとって致命的である。

そもそもそのような風潮を感じる理由は、単に外資金融投資銀行部門に入ることが目的になっている人が多いことにある。

よく就職は結婚に例えられるが、結婚すること以上に、結婚後の生活を維持することの方が大変というのは、就職も同様である。

業務が好きで、お金は二の次なら日系に居続けよう

まず第一に、日系だと、向いてなくてもクビにならない。この甚大な有難みを噛みしめよう。外資系金融機関は向いていなければ即クビ、向いていても政治闘争ですぐにクビになる環境だ。外資金融に入って向いていなかったときのリスクを取れるかどうかをよく考えなければならない。

野村や大和から外資証券転職相談に当セミナーに訪れる人が多いが、下手したら数年で解雇されて金融キャリアが終わりかねないこと、社内政治で解雇されるリスク、日本撤退でチームごと吹き飛ぶリスクを考えても、ご自身が求めるキャリアのリスクリターンバランスを冷静に考えたうえで志望されることをお勧めしたい。

第二に、上記と関連するが、この仕事が好きで好きで仕方がないという人は、実は日系に居とどまっていたほうがいいケースが多い。これは、給料が目的ではなく証券業務に携わることが御自身の幸せにとって重要な場合、「全然会社のために収益を上げていなくてもクビにならない」という有難い環境を、目先の3割ボーナスアップのために捨てるのは長期的に見て割に合わないのだ。

第三に、そもそもこのまま金融業界に居とどまるのかどうかを、外資金融への転職を考える前に考えたほうがいい。というのも金融業界自体、インダストリー4・0で激変にさらされており、規制も強化され、更にはフィンテックのスタートアップに益々浸食されて行っているからだ。金融業界での競争だけでも激しかったのに、そこに通信会社も参入してきていて、おまけにトレーディング系のビジネスは急速にAIに取って変わられている。

貴方が仮に、まだ業界の鞍替えがきく30代前半であれば、日系投資銀行から外資系投資銀行への転職と言ったマイナーチェンジではなく、そもそも「新卒でなんとなく野村に入って30までいたけど、このまま金融業界でよかったのかしら」レベルで抜本的なキャリアの再考をお勧めしたい。

実際に私の周りを見ても、30初頭の人は大量に金融業界を脱出しているが、案の定40に差し掛かった人は今更業界を変える気力がなく、解雇になった後は行くところが無くて路頭に迷っている元外資系Iバンカーが数知れずいるのだから。

(そういう人は、ステイホームの前からとっくにステイホームなので、コロナショックの前後で生活がほぼ変わらない、という、悲しいメリットはあるのだが。。)

コメントを残す

*

CAPTCHA