複数内定と内定辞退~戦略コンサルと投資銀行どちらに行くべきか、3大比較ポイント

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戦略コンサルと投資銀行のIBDどちらをファーストキャリアにすれば良いか、悩む就活生が多いと思います。とくに同時に複数内定すると、悩んで当然です。ここでは一般論としてどちらが御勧めかというご質問ですが、就活に一般論は不要です。大切なのは自己分析と照らし合わせた、個別具体論なのです。しかしそれでも強いて一般化するならば「何が何でも両方経験したい」と思い込まずに、新卒給料のたかだか数百万の差に踊らされず、週末でもやりたいような胸がときめく方を選ぶことをお勧めいたします。

複数内定と内定辞退~戦略コンサルと投資銀行どちらに行くべきか、3大比較ポイント

新卒就活生からの質問

就活生です。戦略コンサルと投資銀行(IBD)から内定をいただき投資銀行に決めようとしているのですが、踏ん切りがつきません。比較する点は主に3点あり、

1. 年収・ネームバリューでは投資銀行
2. コンサルは中途でも入りやすいがIBDは入りづらい(?)
3. 将来的にやりたい事はコンサルティング

両業界経験者の方がいらっしゃればどういった視点で考えるべきか、一般論としてどちらがオススメか教えてもらいたいです。

Strong Career講師からの回答(元投資銀行→戦略コンサル経験者)

上で挙げられた3つの要素のうち、あなたにとって最も大切な”仕事の基準”は何でしょうか。一般論ではなく、個人的な納得感を醸成するための優先順位付けが重要です。

この3つのうち、1と2は”投資銀行スタート”、3は”コンサルスタート”を示唆しています。ただ心理的に一番大切なポイントは最後に持ってくるので、結局のところあなたはコンサルをされたいのではないですか?

端的に申し上げれば、1は的外れ、2はある程度の年齢を超えるとその通り、3なら、どちらでもいい気がしますが、結論から言えばコンサルに行かれてはどうですか、というところです。ただし、最後はご自身が納得できる答えを自分で決めましょう。

以下を検討の視点として提供しますが、最後は”一番ワクワクする仕事で初めて全力投球”が正しいかと思います。

というのも、人は結局、「週末や金曜日の夜にその仕事やってても楽しくて仕方ない」みたいな仕事と職場環境を選ぶことが、キャリア上(および人生の)成功にとって、最も大切だからです。(勿論、個人によって判断は変わりますが)

就活や進路の決断に一般論など存在しない―具体的な状況と個人の意向次第

進路の決定に一般論などなく、個人の適性とビジョンと、来ているオファーの具体的内容次第です。

例えばコンサルのあとにPEを目指されるのでしたら、トップティアバンクでのIBDのMA経験は重要なステップです。しかしながら、仮にずっとコンサルティングをされたいのでしたら、その限りではありません。しかしやりたいことは将来ほぼ変わるので、選択肢を広げるオプションも悪くありません。

私は投資銀行を先に行って次にコンサルでしたが、その順番でよかったと思っています。ただし人によって違うので、以下の視点をご参考に、あとはご自身で決断されてください。

新卒時の、給与の差などせこいことを気にしてはいけない

まず、新卒から数年の年収など、コンサルにしても投資銀行にしても数百万の差であり、税金をひかれるとさらにその差は縮まります。自分がどの分野で成長したいと思っているのか、自分は何が好きで、何に向いているのかを優先して進路を決めましょう。

投資銀行は2020年代に入った時点で、新卒はボーナス、サインアップ、ベースを含めて1000万スタート水準になっています。コンサルはトップティアでも600万前後。しかし近年は日系企業も1000万採用枠を始めたり(これは採用コストに払う金額を給料に上乗せしただけで多くの優秀な人が集まるので、もっと他もやればいいと思うのですが)、資金調達に成功したベンチャーが800万、1000万を提示したりと、若手採用難で全体的なベースが上がっています。

しかしこの数百万の差は、長期的なキャリアを考えれば、まったくもって大したことがないのです。(短期間で数百万でも多く溜めて家計を支える、や、留学費用を自力で稼ぐ、などでしたら別ですが。)

コンサルから投資銀行より、投資銀行からコンサルのほうが、楽しいことが多い(勿論人によるが)

「2.コンサルは中途でも入りやすいがIBDは入りづらい」説について私見を述べます。私もまず投資銀行に行き、次に戦略コンサルに転職しましたが、順番的には私にはそれがあっていました。

コンサルと投資銀行、両方経験されたい理由が特にあるのであれば、コンサルは30前半でも未経験で入る人がいます。しかし投資銀行になると、若手がやるアナリスト・アソシエイトの仕事は30を超えて始めるにはかなりきついものがあるのは事実です。

また、投資銀行のアナリストなど若手の仕事は体力勝負で比較的、あまり面白いとは言えないものが多いため、面白い仕事をした後に転職すると、そのギャップに戸惑うかと思います。

この意味で、先に投資銀行のアナリストなどをやっておくと、(たまにその仕事を楽しむ方もいらっしゃいますが)、その後何に転職しても前職よりは楽で楽しい、と思えることが多いです。

とくに、コンサルに転職して、「仕事時間が減った、24時前に帰れる」などと喜べる前職は、投資銀行くらいでしょう。

総じてコンサルは仕事のプロジェクトの幅が広いので、投資銀行よりかは30代前半、MBA卒業後の転職キャリアパスが多いのも事実です。

将来やりたいのはコンサルだが、若いときにIBDで学びたい時

3つ目のポイントである、「将来的にやりたい事はコンサルティング」について私見を述べます。

基本的にやりたいことを遠回りせず、始められることをお勧めします。もちろん、投資銀行のM&Aチームでファイナンスの基礎、モデルの基礎を叩き込み、ディールを回すプロセス管理をできるようになることは、PEや財務系のキャリアを志向される際に、よい経験になるでしょう。

また、投資銀行がトップティアネームで、コンサルファームがセカンドティアであれば、将来の選択肢を広げる意味でも、投資銀行を先に経験されるのもよいかもしれません。

もちろん、これもご自身が職場とキャリアに何を求めるか次第なのですが(そしてそれを自分で正確に把握するのは、まだ職務経験が無いだけに難しいのは百も承知なのですが)、たとえばゴールドマンとマッキンゼーの比較であれば、コンサルやりたいなら答えは明確です。

しかしながらゴールドマンとCDIなら、労働環境やカルチャー、その後の転職先など、その後の人生の展開がかなり変わってきます。(CDIも非常に優秀で人の良い方が沢山いらっしゃいますが、グローバル環境や年収を重視する方には、全く向いていないのです。これが、一般論ではなく、御自身の個別具体論で考えなければならない所以です。)

末筆ながら、基本的に御一考をお勧めしたいのは、「何が何でも両方経験して勉強しなければ」という謎の呪縛から自分を解き放つことです。やりたいこと、天職には、「自分に向いてないけど勉強したほうがよさそうなことの積み上げ」からは、到達できないものです。基本的には「自分が好きで、ワクワクする仕事」からロケットスタートダッシュを切られることをお勧めします。

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