プライベートエクイティ転職後の投資先ダメダメ・コーポレートガバナンス3欠陥!

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プライベートエクイティ投資の本質的価値の一つは言わずもがな、コーポレートガバナンスの提供です。日本企業の大半を占めるファミリーオーナービジネスでは、業種や時代を問わず、大抵同じような課題を抱えています。だからこそ再現性のあるメソッドでバリューアップが出来るわけですが、以下では「コーポレートガバナンス完全欠如企業」の3大典型パターンを解説致します。

プライベートエクイティ投資業務は本質的にコーポレートガバナンスを企業に提供するキャピタルを供給する仕事である。

そんな中、驚いてしまうのが如何に多くのプライベート企業が、同じようなガバナンス上の欠陥を有しているかだ。特にオーナー企業の事業承継案件になると、大抵以下の3つの問題点を有している。

まず第一に、鶴の一声で全て決まること。経営会議や取締役会がまともであるケースは少ない。大抵オーナー社長がポッと出の思い付きで言ったことに、社員一同は右へ倣えで全面的に服従する。

第二に、取締役会に判断に必要な情報が提供されず、突然決議事項が回ってきて、”この追加融資に応じなければ更に損失が拡大する”といった、脅しのような通帳がいきなり突き付けられる。形式的に存在する外部取締役や監査役は、そもそも自分に何が求められているのかもわかっていない。創業家の意見に反対していいとも思ってないので、訳も分からず中身不明の決議事項に、オーナー家が提案するままにただただ同意するのだ。

第三に、それら経営会議で上がってくる数字の根拠に関し、社内の人々が説明できないことが多い。特に根拠のない数字が羅列されているが、これもオーナー社長が適当に言った数字がそのまま載っているだけなので、資料に乗っている数字に意味がないことも多いのだ。

つまるところ、一言で言えばガバナンスもへったくれもない企業が実に多いのだが、だからこそプライベートエクイティ市場の成長余地はまだまだ大きいのである。