
戦略コンサルの人数が急増し、コンサルタントの転職後の価値が落ちているのではないか? 回答としては、”そんなことはない、肝心なのは何を経験してどんなスピードで昇進して、何歳でコンサルを卒業し、将来何をやりたいか”によりけりだ。20代で過ごすMBBのキャリアの価値は今後も高止まりするだろう。
質問:戦略コンサル出身者の市場価値低下に関して
新卒で戦略コンサルを検討しているものです。
このような現状では戦略コンサルの市場価値の低下は著しいと考
回答
別に戦略コンサル出身の市場価値は低下していないです。より正確に言えば、トップティアの戦略コンサル経験者(つまりBCGやマッキンゼーの中でもスター選手)は、その後一流のMBAに行き、一流のPEファームにいくなりグーグルやアマゾンにもろ手を挙げて高給で迎えられるなり、資金調達に成功して起業するなり、様々な”コンサル卒業後のキャリア”を謳歌しています。
ただ、人口が減って東大に入りやすくなったのと同様、人口が減っているところに採用人数が増えているので、平均的なコンサルタントのクオリティは当然落ちていきます。20年前などの、”各ファーム、2万人の志望者の中から5人しか雇わない”という時代ではなくなっており、突き抜けた天才肌、超絶優秀人材でなくても、入りやすくなっているのは確かです。したがってBCGにいた、マッキンゼーにいた、ということが一部の特別な能力を保証するものでなくなっているのも事実です。(どこを比較対象におくかにもよりますが、少なくともトップティアビジネススクールコミニュティですと、マッキンゼー、BCG, ベインにいっても”ふーん、当たり前すぎる進路やね”扱いです。)
さて、キャリアパスに関してですが、これは何歳でコンサルを卒業するのか、コンサル前の職業は何だったのか(あなたの場合は新卒ということですが)、何年コンサルをするのか、どのポジションで卒業するのか(万年アナリストだったのか、それとも2年という早いサイクルでシニアコンサルタント、マネジャー、下手したらプリンシパルくらいまでとんとん拍子で昇進したのか)によりけりです。一言でいえば、”コンサルの人数が増えたからと言って、トップティアの戦略コンサルタントの市場価値が落ちた”などは、決して当てはまりません。
20代で2~3年経験するには、学べるスキルおよびその後の進路の幅、および”卒業生ネットワーク”の獲得という意味において、非常に魅力的な選択肢であり続けるでしょう。(もちろん、MBBのトップティア3社に関してと、あなたが将来やりたいこと、およびそれに関連した他のオプションとの兼ね合いであるのは言うまでもないことですが。)