カーライルへの転職:外資系トップファームだが実際は超絶ドメスティックファンド?

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カーライルジャパンは日本のプライベートエクイティ業界の草分け的ファンドの一つです。日本特化型ファンドとしては最大級の規模、人員数、投資実績を誇りますが反面、外資系な割に「超ドメスティックカルチャー」としても有名です。日本の金融機関や総合商社出身者の歴代パートナーの影響か、若手も三菱商事や投資銀行出身者が多く、男性中心のハードワークカルチャーでも知られています。他のPEファームと比べた時のカーライルジャパンの特徴に関し、以下に解説します。

カーライル転職志望者が知るべき、他のPEファームに比べた時のカーライルの特徴とは?

1・カーライルは日本に最も根付いた外資系PEファンド

カーライルは日本のPE業界黎明期から日本に参入し、ファンドサイズ、投資実績、投資チームのサイズ(2020年初頭のファンドは2.3ビリオンドルをジャパンファンドに集めました)など、ミッドキャップバイアウトとしては日本のトッププレーヤーの一角として広く知られています。

ディールアングルもコーポレートスピンオフからオーナー企業の事業承継、スペシャルシチュエーションまで幅広く手掛けており、歴代ファンドのパフォーマンスは若干凸凹していますが、総じて日本で最も成功した外資系プライベートエクイティファンドの一角として知られています。

2・カーライルは外資系の割に、超ドメスティックカルチャー

外資系ではあるものの、その中身は極めてドメスティック。一応投資委員会は米国本社にも諮るものの、基本的にプライベートエクイティ業界はローカルビジネス。

外資のイメージとは裏腹に、極めてドメスティックなオフィス環境での仕事となります。

長期間、日本オフィスのパートナーを日本の銀行出身者や三菱商事出身者が運営してきたためか、PEファンドの中では珍しく三菱商事出身者が結構働いています。また投資銀行出身者が多いため、男性がほとんどのハードワーク・ドメスティックカルチャーとして知られています。

3.トップヘビーで若手は結構数年で退社する

これはプライベートエクイティファンドではよくある現象なのですが、シニアが多く、トップヘビーなため、若手に大量の仕事が降ってきます。

プライベートエクイティファンドというと投資銀行などに比べ楽でワークライフバランスが良いイメージがあり、実際多くのPEファームではその通りです。

しかしカーライルは若手の労働時間が長く、比較的短期間で退社する若手が多い会社です。(労働時間の長さと勤続期間の長さは、多くの会社で反比例します。)

退職した若手(往々にして米国トップMBA出身者が多い)は、大手事業会社のCFOになったり海外責任者になったり、起業したり、海外と日本企業をつなぐアドバイザーとして個人で働いたりと様々ですが、ユニゾンキャピタルやアドバンテッジパートナーズ出身者と同様、他のPEファームに移ることは稀です。

これは、業界のトップ企業であることの表れともいえるでしょう。

4.ライバルはKKRやブラックストーンではなく、ユニゾンやアドバンテッジパートナーズ?

前述の通り、外資系大手ファンドと比べるより、日本の大手ミッドキャップバイアウトファンドと比べたほうがより戦略は近いと言えます。

KKRやブラックストーン、ペルミラは数千億のラージキャップ中心に投資しますが、カーライルジャパンはユニゾンやアドバンテッジパートナーズ同様、一件当たり100億~200億のミッドキャップが中心。時には50億などのスモールミッドキャップに投資することもあります。

これが意味することは、実は投資先にいわゆる大企業はあまりないので、グローバルで巨大外資系投資ファンドというイメージとは裏腹に、日ごろ相対する投資先はけっこうドメスティックな中小企業だったりします。

よって、大企業や多国籍企業の経営に関与したい人は、実はMBBに居続けたほうが、やりたいことができるのでこの点気を付けましょう。(他のミッドキャップバイアウトファンドに関しても、同様のことが言えます。)

5.グローバルPEブランド

なおカーライルはグローバルに広くPE業界のトップブランドとして認識されており、コンサルファームでいうところのMBBのように、カーライル、KKR,ブラックストーンの御三家という位置づけで認識されています。

もっともPE業界は優秀な人、つまり良い案件を引っ張ってこれてLP投資家からお金を引っ張ってこれる人ほど独立するので、ファームのブランド=トップ人材という連関性がコンサル業界ほどは強くないのですが、それでもカーライルブランドはPE業界で世界的に輝きます。

3人のパートナーは世界的な著名人であり、特にその一人、ルーベンスタインはブルームバーグでの人気トークショー、”ルーベンスタインショー”を開催していますので、ご関心おありの方はYoutubeなどで検索すると沢山出てきますので、是非ご参考ください。歴代大統領や世界的機関のヘッド、数兆円規模の大企業の創業社長とカーライル創業者の対談は、非常に見ごたえのあるプログラムになっています。

以上、カーライルへの転職をご検討の方のご参考になれば幸いです。