
30代後半でコンサルに転職したい方は結構いらっしゃいます。長年事業会社で働き、自分は意思決定者ではなく参謀役として意思決定者やリーダーをサポートする立ち位置が心地いい、また会社の生産性を高めるプロジェクトで成功体験を得て、幅広い業界や企業のより大きな戦略面で生産性改善に寄与したい、等々が典型的な30代後半コンサル志望動機ですが、既に落ちたことのあるファームにいまさら再度アプライ可能でしょうか?結論を言えば、30代後半でのコンサル転職を強くお勧めはしませんが、そのような実例はMBBでも存在します。
◆Question
40代以降でコンサルや外資金融に残っている人というのは少数のような気がします。私はコンサル希望なのですが、よほどの切れ味鋭い、こいつには絶対かなわない、というような人しか残れないものでしょうか。
私の場合、政策や経営戦略立案に関わってきたのですが、自分自身がプレイヤーとしてCEOになるより、アドバイザリーのプロになっていきたいと思い、コンサルティング会社に入りたいと思うようになりました。
コンサル経由で事業会社に行くというのがパターンのようですが、私の場合、その逆になります。以前、マッキンゼーやBCGなど、一部のコンサルと東大がエグゼクティブクラスのビジネススクールを設立しましたが、そういったアカデミックな活動への貢献なども非常に興味があります。
事業会社の一社員では、なかなかそういう機会に恵まれませんし、勤務形態としても、研究職などの専門職以外では難しいと思うので、それもコンサルティング会社に行きたいと思った理由のひとつです。
こういう志望理由では、うまくいかないよ、あるいは、こういう仕事で力を発揮していけば大丈夫、コンサル会社以外にこういう道もあるよ、などのアドバイスをいただけるとうれしいです。
また、実際のところ、書類審査で、有名大学、年齢といった、形式的なものでふるい落とされるほうが多いと聞きます。
さらに、一度落ちたことのある人は、書類審査で必ず落とされるとも聞きました(学卒のとき受験した人が、ビジネススクールを卒業するときに再度受験する場合など)このような、「なんだかんだいっても、結局は形式的区別が重要なので、あきらめなさい」という条件があれば、率直に言っていただきたいと思います。
私は30代後半なのですが、大学名と大学院名(MBA)といった点ではOKだと思いますが、年齢面で、すぐに切られるのではないかと不安です。
コンサルという立場ではないものの、戦略立案や改革に携わった(コンサルと一緒の場合もあり)経験をアピールしていく方法があれば、ご教授いただきたいと思います。
◆30後半の未経験コンサル転職も、前職キャリア次第では可能になってきている
30代後半の戦略コンサル志望は、例えば一時期業務急拡大の某大手が総合商社の人を沢山雇い入れて、彼らはコンサル的な動きを求められるのではなく別枠、みたいな”30代後半採用”も存在した。
しかしながら”純粋に戦略コンサルタントとして30代後半で転職する”のは、例が極めて少ないのみならず、仮に入れても、既に30後半で同年代がパートナーになっている中で、今更シニアアソシエイトで頑張るのはキャリア的に必ずしもお勧めできるものではない。
この前置きをしたうえでご質問に答えると、実際に一度落ちても何度か受験する人もいるが、落ちたのが学生時代なら社会人になって再度トライは考えられる。
しかし、社会人になった後だと、私の知っている事例では自動的に落とされてるケースが多いので、上で述べたような非正攻法の人脈でどう攻められるかだろう。
なお志望動機でよくない典型例は、「アカデミックな調査をしたいんです!」とか、それは立派かもしれないがコンサルでできる主要業務と大いにかい離があるときである。
逆にコンサルでできる主要業務と関係ないアカデミック調査に興味があるのならば、むしろコンサル以外にPHDでもとって、実業経験豊富な教授を目指されるのも、悪くない選択肢であろう。
実際にコンサルやバンカーとしてはパッとしなかったのに、実業の経験のあるPHDとして持ち前の学習力で海外難関大学に博士課程で入学し、見事教授として自己実現を遂げた人のケースも数人私は知っている。
さて、一度落ちても、稀なケースだが自分と仲のいい人が志望先企業に転職したり、志望先企業の人と仲良くなったりすることで、再度採用の俎上に上がることもある。
すごいケースだと、一度解雇されたのに、自分を解雇した上司が解雇され、見事復活というケースもあるくらい、社内人物との人間関係がものをいうのだ(特に年齢的にシニアなポジションでの転職の場合)
一昔前は30後半だとコンサルはほぼ無理だったが、最近は人手不足もあり(といっても2020年代初頭のコロナショックなど、需要が急減するときはコンサル各社も人材採用をフリーズさせるが)、また新卒のコンサルとは異なった価値の出し方をすることで、30後半のコンサル転職ケースも増えてきていることも、申し伝えておこう。
(実際に勧めるかどうか、それが良い転職だったかどうかは別として、マッキンゼーやBCGに30後半でシニアで転職成功された方も何人かいらっしゃるのだ。)