クレディスイス証券~UBSの後塵を拝し、遂に買収される会社に今更入る動機とは?

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欧州系のグローバルブランド、クレディスイス証券。日本でのプレゼンスは比較的弱く、またそのポジショニングが上がる傾向もなく、日本支社の位置づけ自体が低下気味です。おまけにしばしば経営危機になり、2023年初頭も最大株主が資金を引き上げ、ついにUBSに救済買収されました。その金額は40億ドルと、地銀のような時価総額です。そんなクレディスイス証券への就職を今更志望するとしたら、どのようなアングルがあり得るでしょうか。以下に解説します。

クレディスイス証券の、他投資銀行に比べた特徴とは?

クレディスイス証券は、グローバルでは非常にブランドと組織の強い総合金融機関です。

しかしグローバルのブランドとプレゼンスの強さが、日本における投資銀行業務での強さには全く繋がっていません。

伝統的にプライベートバンクでは世界のリーディング企業ですが、後発の投資銀行業務では、日本支社の位置づけが小さくなる一方です。ファーストボストンブランドを復活させ、スピンアウトするなどの案も出ていましたが、UBSに買収されることになりこの案も宙に浮くことになるでしょう。

そんなクレディスイスに転職・就職するとしたら、どのようなストーリーがあり得るでしょうか?以下に解説します。

1・プライベートバンクは世界トップの一角

クレディスイス証券はUBS同様、スイスに資金を預ける富裕層の資金管理・資産運用で大きくなった会社ですので、プライベートバンキングはグローバルトップの一角に位置付けられます。

近年の途上国の経済成長の貧富の格差拡大による富裕層の増加を受け、本業回帰でプライベートバンク業務を拡張しており、高給を支払いトップMBAからも多くの卒業生を雇用しています。

UBSもこの部門で有力顧客を有するプライベートバンカーのつなぎ止めに尽力しています。

2・弱くても外資系投資銀行~新卒一年目で1000万超え

クレディスイス証券の日本でのプレゼンスは、日本市場参入後から一貫して弱いままですが、給与水準はトップティアと遜色のない、マーケットプライスが支払われます。

投資銀行部門では米系と同じく、今や一年目から1000万円越えの状況です。

しかし若いころのベースが上がったとはいえ、規制強化でトータルのボーナスプールに限界があるため、シニア層のボーナスは米系上位に劣ります。まぁ、そんなこと言っている場合でないくらい、投資銀行部門は長らく巨額の損失を出してきました。

3・フラットでドライ

クレディスイス証券には長期勤務する人があまりいないので、ウェットな人間関係も希薄です。

UBSのようにクリスマスパーティを必死にするカルチャーもないので、個人主義でドライな環境を好まれる方は、この点、「本業に関係ない社内イベントに時間をとられる」ことがないのはありがたいでしょう。

逆に言うと、このくらいしかトップティアバンクにある意味勝ってるところがないともいえるのですが。。

4.特定のニッチ分野で強み

社内パーティーの少なさだけが強みなわけはなく、例えばエクイティマーケットですと短期売買のヘッジファンド顧客のカバレッジでは、これまた”だから凄いだろ!”と言いづらいのですが、CSは強みを有しています。

(しかしこれも、優良なロングオンリーの大手資産運用会社は大手に取られていて付け入るスキがないから、という説もあるのですが。。)

また、人員を割かなくても勝負できるアルゴリズムトレーディングでも高い評価を受けています。

以上を鑑みたとき、クレディスイス証券を志望されるときのありうる志望動機としては、どのようなものがありうるでしょうか?

可能性としては、かつてはプライベートバンキングに入るか、とにかく短期的でもいいので投資銀行業務を経験したいか、新卒で留学費用を数年で貯める必要があり、グローバルブランドをレジュメに欲しい場合などが挙げられました。

しかし今となっては、そもそも採用がフリーズされているうえ、入った途端解雇になりかねず、「スイスの大銀行がライバル行に買収されると、組織統合がどうなるか関心があった」などの研究心旺盛な方でもない限り、そもそも志望する人もいないことでしょう。

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