コンサル転職面接で失敗する典型的な残念パターン 20選!
私も数多くの外資コンサル転職志望者への面接を本業でも趣味のキャリアアドバイスでも担当させて頂いてきたわけだが、有能だが面接で失敗する多くの転職志望者の共通する残念パターンを記載しようと思う。
以下は順不同であり、等しく重要なポイントである。(なおこれらの話をしたからといって、一発で駄目になるわけではない。
しかしながら、あまりにもよくある失敗パターンなので、コンサル転職面接時はくれぐれも留意して頂きたい。)
①コンサル転職面接前の、履歴書が意味不明~何でもかんでも羅列しすぎ
良くいるタイプが、伝えたいことが多すぎて、凄いことから全く凄くないことまで、履歴書やカバーレターに書きまくるタイプ。
履歴書ははっきりいってじっくり読む時間はない(あってもさぼって面接直前5分前にさっと目を通す)。したがって、戦略的に聞いてほしいことが目立つように書かなければ、「聞かれてもたいして答えられないこと」を聞かれる羽目になる。
なお日本オフィスは日本人が大半なのに、外資系ということでご丁寧に英語レジュメ、カバーレターを一生懸命書いて送ってくる人もいるが、特に求められていない限り、誰にも読まれない無駄な努力で終わるだろう。(日本語読めない英語スタッフが多い外資金融は別だが)
ともあれ、コンサル転職面接前の書類は、面接で聞かれたら自分がカリスマ全開で深く面白いことを話せるトピックに戦略的に限定しよう。
②コンサル転職面接で、自己紹介失敗
面接で自己紹介からスタートダッシュで沈没するヒトがいる。
もちろん、新卒面接時のように「一分以内で自己紹介を」などという、やや失礼な質問をするコンサルタントはあまりいないが、それでも簡潔に伝えたいメッセージの要約版を1分、3分、5分といくつかのバージョンで用意しておいた方がいい。
当然、自己紹介の中に入れるポイントを外さないこと。あくまで目的は✔あなたはコンサルに向いていて ✔御社が第一志望(ないしかなり高い志望度)で、✔協調性があって信頼できる人物だ と思ってもらうことなのだ。
なお間違っても、演説口調で不自然な自己紹介をしないこと。
衆院選か都知事選政見放送じゃあるまいし、不自然な演説にならないように気を付けよう。
面接開始早々の自己紹介も、事前に用意してきたことをそのまま思い出して”読む”のではなく、自然な双方向コミニュケーションを忘れないようにしたい。
③コンサル転職面接失敗パターン:壮大な勘違いに基づく、謎の志望動機の数々
志望動機が“とにかく賢い人と働いて成長したい”という学習マインドに則ったものが多く、自身の適性、将来ビジョンとの整合性に関して何も語れない人も多い。
また何といっても、壮大な勘違いの数々に基づく謎の志望動機が非常に多いのだ。例えば、、、、
“経営を俯瞰する仕事がやりたくて” (内心突っ込み:社長レベルの戦略ケースなんて、どこのファームでも稀ですから。。。)
“もっと戦略ケースの多いファームに移りたくて”(うち、MBBとはいえ、クライアント先での常駐案件が稼ぎ頭なんですけど。。。)
“アドバイスが好きなんです”(いや、友達の恋愛相談や、サークルの後輩からの相談とかの延長戦とは違うんですが。。。)
“将来経営者になりたくて”(コンサルのスキルと経営者のスキルって、本質的に違うって分かってないの。。。?)
“若い間は極限まで自分を追い込んで、成長したいんです”(いやあなた、もう30過ぎてるんだから、専門性磨くフェーズでは。。。そもそも成長の定義ってなんなのさ。。。)
“今やっている仕事がオペレーションに偏りがちなので”(うちの稼ぎ頭、オペレーション改善コストカット系がほとんどですよ??)
“社内でBCG等のコンサルタントと仕事を仕事をするプロジェクトがあり、その時に彼等の仕事ぶりに開眼し、、”(なんかよく聞くシリーズで、嘘くせえなぁ。。。)
などを言ってくる人が多いのだ が、”それ言ってどうするのさ”という、ため息が出るほど平凡であり、かつ別にコンサルの志望動機に直結していないものが非常に多いのだ。
志望動機は絶対に聞かれるうえに、他の質問の回答とも密接にリンクしてくるので、これをきちんと固めないと全体的なストーリーが崩壊してしまうことが多い。
より具体的に説明すると、大抵、志望動機に対する問答は時に10分くらい続く。
よって面接時間が30分なら面接の1/3は志望動機を固めることで対策できる。
又この志望動機は 面接の他の部分(強み、弱み、キャリアビジョン)にも直結するので、貴方のパーソナルパッケージを俯瞰した総合的な視点から作り上げることが重要なのである。
ちなみに志望動機で最も多い、”自分の成長カーブを最大化させて、、、”みたいなのは、新卒大学生ならまだしも、コンサル転職面接でそれをアピールされても”また勘違いコンサル転職志望者がきた!”となりかねないので気を付けよう。
もちろん、何事も文脈次第なので、成長カーブの最大化を、ということがダメだと言っているわけではない。
あくまで、これだけアピールしても仕方ないですよ、という警鐘である。
④コンサル・ケース面接対策の失敗~無意味なケーススタディ対策ばかりしている
別にケース面接対策をすることを否定しているわけではないが、往々にして的外れなコンサルケース面接対策が多いと警鐘を鳴らしたい。
巷の形式的なケース面接対策の勉強を鵜呑みにし、お題や面接官の雰囲気、出題の意図を鑑みずとにかく以下のような質問を並び立てるのだ。
“机の売り上げを上げるという問いでいいですね?まず机の売り上げの定義をしたいと思います。またそれは10%上げるという事でいいですか?それとも三倍の方がいいですか?あと机といっても業務用と家庭用があると思いますが、、ではそもそも机とは何かについて、効用の分析を行いたいと思います”
、、、、等々と、型にはまったフレームを連発し、焦点の外れた議論をする人がいる。
しかし、そのケース問題のどのポイントに面接官ないし顧客が聞きたいポイントがあるのか踏まえた上で、臨機応変にウェートの効いた議論をしてほしい。
例えばプロダクト自体に切り込むのか、流通チャネルなのか、広告方法なのか、バンドル販売なのか、製造で稼ぐのか、ロイヤリティか、OEMか、自己ブランドか、そもそも顧客ターゲットは誰なのか、そもそも机屋さんといってもどのようなタイプなのか、等々。
ともあれ、コンサル転職時のケース面接は、プロジェクト(お題)の目的に即した、知的で面白い分析の切り口が重要なのである。
かつ内容だけでなく、そもそも客前に自社の看板背負わせて出しても大丈夫かどうか、コミニュケーション能力を見ているのも当然だ。
往々にして市販のケース面接対策本は、そもそもコンサル経験もない欧米の大学のケース面接コーチが書いていて、しかもそれを日本語に訳する段階で下手な訳でわけのわからないものになっていたり、日本市場では聞かれないようなことがひたすら書かれていたりする。
ないし、たまたまコンサルに受かった若手が自己流のやりかた(往々にしてその本人にはフィットしているが、他人には汎用性がない)を押し付けていたりと、ほとんどあてにならないことが多い。
ちなみにケース面接で最悪に退屈な事例が、完璧に論理的で、MECEにつまらない分かり切った情報をまとめただけのケース。ゴミは並べて整理しても所詮ゴミであると忘れてはならない。
実際にケース面接をトップティアのコンサルファームで長年、採用側で出してきた人でないと、的外れの着け刃の知識を押し付けられることも多いと、気を付けよう。
⑤コンサル面接でよく聞かれる、フェルミ推定で沈没
コンサル面接でお決まりのケース面接の中でも、フェルミ推定で自爆する人が多い。
このフェルミ推定自爆は総じて、意味のない複雑な場合分けで、自分自身わけがわからなくなるケースが大半だ。
男性40代と、50代、女性20代と30代、40代で、、、などととにかく性別と年齢で分けたり。
結果的に分け方が細かすぎてそれぞれに対する前提条件が多くなりすぎたり、その前提条件が増えたために”その前提条件は適切なのか”というツッコミの余地を増やしたり、最後は場合分け計算が増えすぎて安産できずに崩壊したり。
フェルミ推定はそもそも、コンサルケースでは”この市場にこの製品を投入するとどれくらいの市場規模が期待できるか”という試算をすることが多いから、コンサルケース面接としては聞く意味があるものなのだが、結論を言うときにに極力シンプルな計算で終われるよう、複雑な場合分けは御法度なのである。
⑥コンサル転職面接の志望動機で、他社の悪口~「なぜ弊社なのか」で他コンサルファームの悪口を言う
この業界の鉄則は、他人の悪口を言わないことである。
そもそもボスコンであれ マッキンゼーであれ、競合ライバル他社との間で人材は行ったり来たりしている。
そして総じて、トップファーム各社でやっている事に大きな差は無い。
かといって各社のHPやセールス文句に踊らされて“自動車関係がやりたいからベルガーです!”や“全社戦略をし たいので、ボスコンです!”とか“製造業の復興に寄与したいので、ADLです!”等とやられると面接官は(少なくとも私は)これまた“はぁー、また表層的 な情報に踊らされたはるな~”という気分になるのである。
またそもそも、オトナになったら他人の悪口は言わない、ビジネス上はせめて表層上はPolitically Correctに、人類皆兄弟、くらいの勢いで振舞うことが基本的なマナーである。
たまに競合他社からアプライしてくる人で、無邪気に自分のファームの成長性のなさや、上が詰まってるから、、とか文句を言う人がいるが、そういうナイーブで馬鹿正直な人も、プロフェッショナルマナーとして失格なのは言うまでもない。
とにかく”誰とでも気分よく上手く関係をつくれて、ネガティブなことをあまり言わない”人でなければ、コンサル転職に限らず、ビジネスで出世しないものなのだ。
そんな中で他社の悪口や違いを知りもしないのに“ベインと違ってマッキンゼーは、、、”等と一席ぶつと、面接官は貴方の社会人としてのマナーや慎重さ、業界研究 の度合いに関して違和感を感じるであろう。
⑦コンサル面接で聞かれる、「前職や学生時代の成果・成功体験」
コンサル面接で前職や学生時代の成功体験を聞かれることがあるが、これは「あなたにとって何が成功で、それはなぜなのか」という価値観が聞かれていることを忘れてはいけない。
これは海外MBA上がりが多いコンサルならではの面接のお題なのだが、MBAのアプリケーションでHBSが聞くような”あなたにとっての成功は何か、それはなぜか」という質問を踏襲して聞かれていると考えよう(中には、なぜこれを聞いているのか深く考えずに、適当に聞いているいい加減な面接官もいるのだが)。
これはたとえなのでこのまま真似してはいけないのだが、「環境にやさしく顧客にも喜ばれ、利益も上がる商品の売り上げを3倍にしたから成功です」「チームの生産性を上げたから成功です」「困っている友人を助けたから成功です」などなど、異なる3つくらいの基準の”成功体験”を織り交ぜ、自分の重視する価値観トップ3(それらがコンサルで重視される価値観に繋がっているとなお有利)を具体例をもって語れるようにしておこう。
⑧コンサル転職面接で聞かれる、「失敗からの教訓」
コンサル転職面接でおなじみの、「前職での失敗からの教訓」。
これも上記と同様、MBAのアプリケーションエッセイでよく聞かれるテーマだから、MBA上がりが多いコンサル転職面接でもそのまま聞かれることが多い「コンサル面接頻出トピック」である。
この時、残念な回答をする人は、不正をして処分を食らったというビジネスパーソン以前に人としてダメでしょうという失敗を語るか、逆に自分を良く見せる為なのが丸だしな、”頑張りすぎて部下が伸びなかった”系の浅い失敗談を語ることが多い。
ここでは適度な自己開示と、失敗からの教訓を得ることによって、プロフェッショナルとしてどのような価値観を抱き、自分が成長したのかを示すことが望ましいのは言うまでもない。
コンサルは成長速度が速い人が勝つ業界なだけに、自分の失敗、また他人・他社の失敗から本質的な教訓を、ライバルに先駆けて吸収できることが、コンサルタントとしての成功に重要なのだ
⑨コンサル面接で「自分のどこが頭いいと思うか?」と聞かれたら?
これも頻出のコンサル面接質問だが、間違っても「論理的思考能力です」「記憶力です」などといった、「足切りで使われるレベルの、当然兼ね備えていなければならない能力」を語ってはいけない。
もちろん、天才的なフォトフラッシュメモリーがあるなどの例では別だが、そうでないならば、コンサルとして成功するのに必要な3大能力は何かを考え、それらをバランスよく自分は満たしていることを、説得力ある具体例と共に話せることが重要なのだ。
どのようなトピックであれば自分が本当に本音で語れるかを考えなければならないのだが、総じてチームの生産性を上げる力、信頼関係を築く力、最後までやり切る力といった、ソフトスキルの適性につなげるのが望ましい。(もちろんレジュメ上、いわゆるIQ的なスペックに疑問を挟まれる余地がない時の話だが)
⑩コンサル面接で聞かれる、キャリアビジョン, キャリアプラン
これはコンサル面接で絶対聞かれる割に、答えられずにグダグダになっている人が多い。
そもそもコンサルの志望動機と将来のキャリアプランは整合性が無ければおかしい。
しかし将来は(何年後のことか不明だが)経営者になりたいとか、スタートアップをしたいとかいう人が多いのだが、コンサルは別に経営者の資質を磨いたり、スタートアップの準備をするのに最適な選択肢ではない。
もちろん、コンサルは数年のモラトリアム期間として転職してくる人が多いのはファーム側も百も承知であり、一定期間働いたらその経験を活かして転職する「卒業モデル」が基本である。
しかしながら、その卒業後のビジョン達成のために、向こう数年コンサルで何を学びたいのか、この一貫したストーリーが無ければ、面接の回答骨子が崩壊するのである。
⑪コンサル面接で聞かれる、コンサルという激務への覚悟
ワークライフバランスが進展したとはいえ、コンサルはやはり労働時間は長い。
実は入ってみるとそれほど激務ということもなく、普通の事業会社に比べてまとまった休暇は取りやすいし、出社時間も遅めだし、リモートワークも進んでいるし、フレックス制度も浸透しているので、いざ働いてみると「恐るに足らず」と思う人もいる。
これは、その人にとっての「普通の労働時間」の期待値の高低によって印象は変わってくるのだが、それでもプロジェクトが架橋に差し掛かったり、クライアントが不満でケースが火を噴くと、昼夜を問わず働かなければならない局面も当然ある。
面接で激務への覚悟を聞かれたら、それを真に受けて”そんなに働けない!”と戦意喪失するのではなく、実は入ってみると休みも多いことを信じて、激務への覚悟だけは答えるようにしよう。
(クライアントはコンサルに、ジュニアでも一日3000ドル、シニアであれば1万ドルとかチャージされているので、コンサルファームとしては休まず集中して働きまくっています、という印象を与えたいものである。)
⑫コンサル転職後、どのようなプロジェクトに入りたいか?
これもコンサル面接でよく聞かれるのだが、残念なパターンは上記”的外れな志望動機”で頭出ししたような、「環境系のプロジェクトに、、」「アジアの途上国の経済発展に貢献できるような、、」などなどといった、「別にそんな案件、ウチに入っても、あまりないんですけど」という回答をすることだ。
何が何でもやりたいケースが極めて限定的だと、アサインできる幅が狭くなるかも、この人がやりたいプロジェクトを弊社では十分に提供できないかも、という懸念に繋がりうる。
あくまで、どのようなプロジェクトでもコンサルとしてのオールラウンダーを目指す私は喜んで頑張りますと基本メッセージを伝えつつ、そのファームが得意とする産業やテーマの3タイプに繋がる回答を出来るようにしておこう。
⑬コンサル転職面接で聞かれる、「あなたの強みはなんですか?」
これは前述の「あなたは自分のどこが頭いいと思いますか?」という問いと、本質的には同じである。
コンサルにとっての強みや、そのファームが重視する価値観を事前に踏まえて置き、その「的」めがけて3つくらいの矢を的確に放てるようにしておこう。
コンサルは決して「一人で賢ければなんとかなる」仕事ではなく、多くの人の知見を集めて、最適解というか納得解(最適でないかもしれないが、キーパーソンが納得して動いてくれる解」を、皆を上手く巻き込みながら作り上げていく作業であることを、忘れてはならない。
⑭コンサル転職面接で聞かれる、「あなたの弱みはなんですか?」
強みを聞かれることの裏返しで、弱みもかなりの確率で聞かれる。
この時、白々しい「裏返せば自分のアピールに使いたいんでしょう」と見透かされるような、浅い「弱み」ばかりだと、「自己開示をしない、信頼できない人」ないし、「自分をわかっていない、自己認識が浅い人」認定されてしまうので、くれぐれも気を付けよう。
浅すぎる白々しい弱みを面接対策用に用意したところで、しつこく「他にどんな弱みあありますか?」と何度か食い下がられて、不本意な印象で終わるのが関の山なのである。
⑮コンサル面接で聞かれる、「気になるニュースは?」
これは転職面接で聞かれることは稀で、おもに新卒面接で聞かれることが多い質問だ。これへの回答は、下手すると話が政治的な方向に行き、思想信条の自由の領域に触れかねないセンシティブなトピックになりかねない。
「東京アラートがどうみても意味なかったことです」「某国の南シナ海での軍備拡張です」といった政治的な展開や、「NiziUの選抜で、最後にユナが落ちたことです」などの「コンサルとしての適性につながらない関心事項」を暴露しても仕方がない。
一般的には2つくらいはこれまで述べてきたキャリアビジョンや志望動機のストーリーに整合したものを、そして1つくらいは可愛げのあるプライベートな一面や優しい一面を覗かせるような話題を仕込んでおくのが、バランス感覚というものである。
(面接時間中、ガチガチにお堅い仕事の話しかしない人も、それはそれで”どんな人間かわからなかった”という印象に繋がりかねないものなのだ。)
⑯コンサル面接で嫌われる、「賢ぶった攻撃的な話し方」
これは若いコンサル志望者に多いのだが、何かと”3点あります(よくよく聞くと3点目くらいから忘れて、2点で終わっていたりする)といったり、毎回MECEっぽく話したり、話し方がとげとげしかったりと、「自分の賢さをアピールしようという話し方」をする人がいる。これは、コンサルタント候補者として致命的である。
コンサルは相手に話しやすい印象、信頼できる印象、話をきちんと聞く人だという印象を与えることが重要なのであり、相手と信頼関係を結び、安心して自己開示してもらえるような話し方を心がけよう。
⑰コンサル面接で聡明でも落とされる、グループディスカッションで全員論破
これは上記の”話し方”にも相通ずるが、特に新卒コンサル面接のグループディスカッションで、話している内容は論理的なのだが、他の参加者全員を粉砕して悦に入っているパターンだ。
このような「荒くれ者」が一人いると、そのグループディスカッションに参加していた人が全員巻き添えにあってしまうのだが、コンサルは「皆の集合知を如何に生産的に統合し、納得解に繋げるか」であることを忘れてはならない。
仮に自分が言っていたことが正しかったとしても、それでは周囲の反対にあって実行されないので、コンサルの納得解に達していないのである。
あくまでチームワークを如何に生産的にするための触媒的な動きが出来ているかが見られているのだということを、忘れてはならない。
⑱コンサル面接失敗頻出パターン:面接中に聞いてくる逆質問がダルい
「最後に質問はありますか?」と聞かれたときに、それはそれはダルい質問をして沈没するヒトがいる。
その典型例は「あなたのキャリアビジョンは何ですか」「先ほど出されたケース面接にどう答えられますか?」「私の面接の評価を率直に教えてください」といった、コミュ力がかなり低い質問の数々だ。
コンサル面接では、質問タイムもあくまで自己アピールの場であり、自分のコンサル及び「御社」への適性をアピールする上でメイクセンスな質問をすることが望ましいのは、言うまでもないのである。
コンサル面接失敗パターン⑲:面接後のフォローアップメールがコワい
これもたまにいる残念パターンなのだが、面接後のフォローアップメールがぎこちなくて怖いのだ。
熱烈な長文を送ってきたり、勝手に「誤解を与えたと思っているポイント」の釈明を始めたり、しまいには落ちた後に「無料でいいから3か月私を使ってみませんか」などと非常識な提案をしてきたり(実話)。
こうなると、そのファームのみならず他ファームの友人にも口の軽いアナリストは話してしまうので、業界中に恥ずかしい悪名がとどろく、「意図せぬちょっとした有名人」になってしまう残念な人がいる。
選考プロセスが終わった後の挨拶一つで、仮にダメだった後でもプライベートで繋がれたり、中途転職で数年後再チャレンジする機会に繋がったりするので、面接後に送るメールも簡潔で感じのよいものにするよう、心がけよう。
コンサル転職面接失敗パターン⑳:理屈抜きに、話す内容がつまらない~ビールテスト失敗!ちょっとした与太話がつまらない→ユニークな趣味は自然に発信しよう
これはコンサル業界で(特に欧米)、”ビールテスト”と呼ばれるのだが、共にビールを飲みに行きたくなるか、という”人間的面白みテスト”とでもいえよう。
コンサルは客にしてもプロジェクトメンバーにしても人相手のビジネスでコミニュケーションが濃厚なので、人的に”いいやつ”でないと、ストレスがたまるうえ、客からのご指名も貰えないのだ。
人が説得され行動に移すのは、なんだかんだいってロジックではなく感情の要素が強い。
これは私の、Googleに買収されたディープマインドで働くAIデータサイエンティストが語っていたのだが、彼らの研究の結果、人の判断はロジックよりも感情により決定されていることの方が大半だったというのだ。
あなたも、賢いだけではビジネスで通用しない。「人間的な面白み」「いいやつやないかお前」というパーソナルな部分も、適度にアピールするのが大切なのだ。
面接ともなると、中には世間話や与太話をひたすらし続ける面接官もいる。
意図してかどうかは知らないが、人としての成熟度は対策不可能な“普通の社会人としての会話”の中に滲み出ることは多い。
例えば投資案件のデューディリジェンスのミーティングで相手を見定める時も、最初の5分や10分は仕事と関係ない世間の与太話をすることが多いし、ビジネスディナーの場では時には仕事の話を一切せず、社会問題、美術、歴史、経済情勢全般に渡る話に終始することも多い。
貴方は森羅万象に関してエッジの効いた面白い話をする必要はない。しかしせめて貴方のバックグラウンドやキャリアについて聞かれたときには“ほーう、勉強になったわ。。”と相手に思わせることのできるように、貴方のユニークなバックグラウンドだからこそできる面白い話(爆笑ではなく教訓)を複数用意しておいてほしい。
面接が終わった後に、「東大法学部から財務省3年でコンサル転職を目指しているあなたの趣味が、週末のロッククライミングだった」とか、「猫2匹かっていて、その猫のためならなんでもする覚悟をもっていた」とか、「母親に育てられて、楽をさせてあげることが自分の大きなモティベーションだった」みたいなパーソナルな話が出て来てこそ、その人のことが分かった気になり、少し好きになってしまうものなのだ。
以上の20点から特に重要な4点を強調すると、①的外れな志望動機を言わない ②ガタガタのケース面接対策をしない ③ネガティブな悪口を言わない ④パーソナルな自己開示を意識して、「東大法学部偏差値は高いがビジネスで一緒に働きたくない凡人」カテゴリーに放り込まれないよう、気を付けよう。
適度に人間的な温かい側面を正直に吐露するのも、人と信頼関係を築いてナンボのビジネスでは重要なコミニュケーション姿勢なのである。
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*ストロングキャリアが経済メディアピボット取り上げられました。御参照ください。