ブラック激務とホワイト激務の違い~ブラックホール企業VSピュアホワイト企業!

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Karoshiは英語で働きすぎて死ぬことを言いますが、この単語は勿論、日本語の過労死に由来しています。ただでも労働時間が長い日本の会社ですが、それが外資系戦略コンサルファーム・投資銀行などになると、更に厳しさが増します。しかし中には、実は自由で早く帰れる部門もありますし、中には予想以上に悲惨な場合もあります。また、良い激務である”ホワイト激務”と、悪い激務の”ブラック激務”の大きな違いにも留意しましょう。以下で解説していきます。

ブラック激務とホワイト激務の違い~ブラックホール企業VSピュアホワイト企業!

激務と言っても、その定義はそれぞれです。これは働き方改革の議論の時のホワイトカラーエグゼムプションの議論とも絡んできますが、仕事をしたい人、好きで仕方ない人も世の中には一定数いらっしゃるのです。

家だろうが週末だろうが、下手したらキャバクラ(コロナショック後は行く人も命がけですが)だろうが、携帯でブルームバーグ片手にひたすらトレードばかりしている人もいます。

こういう人にとっては、子供と遊ぶよりも、彼女とデートするよりも、仕事が趣味なのですから、激務であろうとそこには嫌だ、苦しいというネガティブな要素は全くありません。

まずは、このようなホワイト激務もあるのだということをまず最初に理解しておきましょう。

さて、当然世の中の激務の大半は、ブラック激務であることの方が多いモノです。このブラック激務も、疲れる営業をひたすらやって、仕事は辛いが成果報酬制でお金が大きいのでトータルでは納得できるというプチブラックであれば、まだマシでしょう。

しかし世の中には労働時間は長いし、仕事も面白くないし、おまけに成長も出来ない上、上司は人格が破綻しており、おまけに給料も低く、扱っている商品・サービスも最悪という、文字通り「ブラックホール激務」とでも呼ぶべき、悲惨な真っ黒企業も存在します。

それでは以下に、当サイトの読者層の多くの方が目指されるプロフェッショナルファームに限定して、そのホワイトーブラックランキングを論じたいと思います。 

ブラックランキングナンバーワン 外資系金融機関投資銀行部門

朝から晩まで、週末無しの深夜勤務が常識に。昇進してアソシエイトになってもかなりの雑用が続き、さらに昇進してバイスプレジデントになっても、その上のMDからひたすら、大量の仕事が降ってきます。    

これはビジネスモデルが、常に案件を獲得するためにハンティングしなければならない狩猟民族的なビジネスであるため、上に行けば行くほど、仕事を産み出すために日々営業しなければならないからです。しかもディールは多くがビューティーコンテストになるので、社外でも社内でも、競争が激しいです。

 一連の働き方改革やコロナショックで在宅勤務にした会社・部門もあり、一昔前の会社缶詰奴隷状態からかなり改善しています。しかし労働時間が長すぎる上に、雑用が多いのと、政治的で尊敬できない上司が多いのも、この仕事がブラックホールたる所以です(中には尊敬できる立派な方も当然いらっしゃるのですが)。

この仕事は、単に頭がいい悪いの問題ではなく、そもそも性格的な適性の有無が重要になります。几帳面で、細部のダブルチェック、トリプルチェックを欠かさず、前もって時間に余裕をもってマルチタスクを完了できるタイプでないと、若手時代の仕事はつとまらず、1年程度でクビになるのが見えています。    

しかし、ブラックなのを覚悟で「M&Aをエクセキュションするスキルを身に着けたい」などの明確かつRelevantな目的意識と覚悟をお持ちなのなら、はたから見たらブラックだからと言って、別に悪いというわけではありません。最後は仕事に何を求め、何を捧げる覚悟があるか次第でしょう。

ホワイト業務ナンバーワン プライベートエクイティ 

プライベートエクイティは投資銀行と異なり、その時間的余裕のあるビジネスモデルが、余裕ある労働時間とアップサイドの大きい報酬体系を可能にしています。

詳細はこちらに譲りますが、何せ一度ファンドレイズに成功すれば、会社としてはインサイダー取引でもして会社が潰されない限り、向こう10年は安泰です。

おまけにアセットマネジメントは規模の経済が働くので、ファンドサイズが大きいわりにチームサイズが小さい会社に入れば、必然的に報酬も高くなります。そして投資とエグジットに成功してキャリーが入ろうものなら、投資銀行をはるかに上回る報酬も可能です。

面倒くさい仕事はセルサイド投資銀行やコンサルファームに振れるバイサイドですし、一部のコンサル上りか、創業パートナーが仕事大好きで連日深夜までいるファームでない限り、ワークラフバランスが最もよいプロフェッショナル職と言えるでしょう。

(ただしPEファンドはパートナー次第でカルチャーが大きく変わるので、ファーム次第では若手がこき使われて異様に離職率が高い大手ファンドもあるのですが)

ツートンカラーで、ブラック企業とホワイト企業が混在!?~戦略コンサルティング 

コンサルティングのビジネスモデルは、時間単位のフィービジネスなので、案件成立してはじめてフィーが発生する投資銀行とこの点異なります。また、近年は案件も多く需要が拡大しているので、案件獲得のために激しい営業競争があるわけでもありません。

また買収や資金調達と知ったすぐに数字に跳ね返るプロジェクトではなく、やれ10年後のビジョンやら、組織改革やら、営業戦略やら、プロダクトコンセプト等々、別にちょっと間違っててもすぐ致命傷になるわけでもなく、そもそもある程度間違っていて当たり前みたいな仕事も多いので、若手時代のプレッシャーは総じて、投資銀行よりズバリ、低いです。

ただし、ベインアンドカンパニーや野村総研のように、人に優しいで有名な会社もありますし、逆にRPAの導入ばかりガリゴリやらせる、ブラック企業として名高いコンサルファームもあるので、この点要注意です。「コンサル業界のブラック度は、、」というステートメントは、粒度が荒すぎて不可能なのです。

ただ一流どころの戦略ファームであれば、実はプロジェクトの間に二週間や三週間といったまとまった休日をとれるので、実はそれほど悪くありません。

欧米オフィスだと夜19時には人は退社。日本でも出社時間は10時だったりフレックスだったりするので、意外と勤務時間は自由です。仕事時間はそれでも長い方ですが、仕事内容に幅があり、若手の裁量も投資銀行に比べて多いため、実は楽しい時間も長いのです。

ピュア・ホワイトランキングナンバーワン:外資系金融機関バイサイドアナリスト

これは激務ランキングに入れるのが申し訳ないくらい、比較的楽で楽しい仕事です。面倒なモデル作成やデータアップデートはセルサイド投資銀行の若手アナリストにアウトソース。大手機関投資家としての立場で、数々の巨大上場企業の有名経営者に、大株主の立場で偉そうに話をたくさん聞けて、楽しく勉強になることも多いです。

PEの創業クラスパートナーでもなかなか会えないような大企業の社長と、20代そこそこの若者が偉そうに会社の戦略について株主の多少上から目線で話せる仕事って、他にはそうないでしょう。

仕事は早朝ミーティングが無い限り、朝の8時半から、18時といった感じで、自由時間も多いです。コンサルや投資銀行のように走り続けるフィービジネスではなく、運用資産を長期間預かって増やしてなんぼのビジネスなので、別に長い時間働いたからと言ってビジネスになるわけでもなく、そのビジネスモデルが反映されてとっとと家に帰れる人も多いです。 

ただし、市況と社内政治による影響が大きいので、解雇されやすい業界です。そしていざ解雇されたとき、自分ができるのは会社を投資家目線で売買判断することくらい(しかもたいてい外れてる)です。

しかも楽な殿様商売に慣れてしまっているので、いざ今から違う業界で手足を動かして働けとなると、腰が重いどころか手足が動かず、とんと使えない人になってしまうリスクがあることも、理解しておきましょう。

言い換えれば、在職中の待遇はホワイトだけれども、その後他の仕事に潰しが効くかという意味では、かなりブラックと言えるかもしれません。

このように、ブラックなのかホワイトなのかという議論は一般化できず、自分が求めるものと甘受できるリスク、いわばキャリア・リスクアドジャステッドリターンのプロファイルが、自分に合っているかどうかが重要なのです。

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