
コンサルでエントリーシートで失敗落とされる方は少なくないでしょう。そんなエントリーシートの典型的な4大失敗ポイントとは、①エピソード多すぎて的を絞れない ②課題に対する答えがなかなか出てこない ③抽象的で空虚なポイントが羅列されるが、裏打ちとなる具体的経験がない、そして④大ぼら吹いているのが一発でバレている、の4点です。エントリーシートは基本的に、面接で深堀してほしい”餌”を巻いておくことが戦略的に重要です。
就活にエントリー段階で失敗するエントリーシート/職務経歴書4大パターンとは!?
東京大学教養学部 Sさんより質問
夏のインターン応募においてエントリーシートで落ちた会社があったのだが、それはエピソードのレベル自体が低いのか、または表現力の問題なのかどちらだと考えますか?
講師からの回答
エントリーシートの中身を見れていないのでわからないのですが、エントリーシートの典型的な失敗パターンを記します。なおこれは中途転職の方にとっての、職務経歴書を書く時の留意点と共通しています。
よくある「エントリーシート失敗」「職務経歴書失敗」4大パターン
① まず第一に困るのが、エピソードが多すぎて”3大ポイントは何”というのが頭に残らないケースです。メッセージなく、ダラダラと5つも6つもエピソードを披露してしまう人が、非常に多いのです。これは大まじめに何でも書かないと気が済まない、生真面目秀才タイプか、単にセンスのない人に多い過ちです。
結果的に面接で本当に凄いトピックに話が誘導できず、実は出来心で書いてしまった大したことない話題に面接が支配されることです。
面接は話の題材をエントリーシートに求めて展開されますので、あまり触れられると困ることを書いて自爆してはいけません。書類には、「自分が一番触れて欲しい話題」を中心に書きましょう。(なにせ、ご自身が一番語れるトピックに面接を誘導できるのですから。)
②第二に残念なのが、アンサーファーストになってなくて読む気がしないエントリーシートです。エントリーシートはAIでファーストスクリーニングする企業が増えてきていますが、それでもまだ浸透度は低いです。
私もコンサルや金融で数多くのエントリーシートを採用側で見てきましたが、正直、あまりにも大量に送られてくるので、ポイントがパッと見て分からないと、もう読む気がしないのです。
質問に対する回答がなかなか出てこないと、仕事でも的を得ない書類をたくさん書かれそうで、それだけで印象は大幅に悪くなりかねないのです。
ショボいエントリーシートに多い、具体例のない一般論か、ホラ吹きむき出しの大言壮語
③第三に残念ながら頻出するのが、”一般的で空虚なポイント”が、面白い具体例があるわけでもなしに、ダラダラ羅列されてしまうパターンです。“コミニュケーション能力”とか、“社会に貢献したい”とか、“人の役に立ちたい”とか、“お客様の笑顔が見たい”とか、”論理的思考能力が高いです”とか、”リーダーシップがあります”とか、とにかく抽象的で一般的でしらじらしいケースです。
(たいてい具体事例が伴っていないことが多い。一番恐ろしいのは、論理的思考能力やコミニュケーション能力が高いとか書きつつ、面接では何を言っているのか意味不明で論理破綻しているケース。)
④他によくある困ったさんが、”吹いているの剥き出し”の、ハッタリパターンです。これは職務経歴書に多いのですが、たとえば投資銀行アナリストやコンサルのジュニアコンサルタントとかなのに、いかにも案件獲得からエクセキューション、交渉まで主導して行ったみたいなことが書いてあると、経験者が読むと失笑してしまうものです。
”過度なホラ”は、”本当は端っこにちょこっと座って、言われた書類つくってただけでしょあなた”、と内心突っ込まれてしまうものなのです。
エントリーシートで面接官を上手く”得意分野の話”に誘導しよう
エントリーシートや経歴書は、求職者の皆さんにとっては、戦略的資産です。
なぜなら、面接官はそのエントリーシートの高々500字とかに書いてある中から皆さんに質問することが多いので、面接の質問を、皆さんが一番聞いてほしいことに誘導する“面接誘導”することが出来るからです。
なのに、つまらないことをいっぱい書いてしまって、そこを突っ込まれて自爆する人が多いのは残念です。この点を踏まえて、戦略的に優先順位をつけて、焦点を絞った深みのあるエントリーシートを書きましょう。
具体例で勝負できないときは、具体例への洞察と意味合いを深めて勝負
なお、よく当セミナーに寄せられるのが、”私、我ながら大したことしていないので、アピールできることがないです”問題です。確かに、ライバルはNPOで社会人200人率いてフィリピンに植樹してゴールドマンサックスリーダーシップアワード貰いました、とか稲の遺伝子の研究で英サイエンス誌に掲載されました、とか数学オリンピック金メダルでしたとかがゴロゴロいるものです。
これに対して自分の具体例がいささか”しょぼい”時は、そこからの教訓や哲学的なレベルでの話で是非貴方の強みをアピールするしかありません。(尚、強みとは、その会社の業務に繋がる強みでなければ意味がないことをお忘れなく。)
具体例で負けているときは、抽象的な洞察を深め、自分の”一見他愛もない具体例”にどんな意味合いがあったのかを深く語る路線に振るしか、ないのです。