
同じ業界でも、企業の報酬形態・人事システム・カルチャーにより、報酬は大きく変わります。例えば2022年初頭のボーナス発表を踏まえ、直近のゴールドマンサックス30手前のアソシエイトはベースとボーナスで4000万近くの報酬です。これに対し、野村証券では1000万程度です。この違いを考えましょう。
30直前の金融キャリア、何故ゴールドマンの年収は4000万で野村は1000万?
2022年の初頭までに多くの投資銀行でボーナスが発表されましたが、今年はどこの投資銀行も軒並み、給与を上げました。自宅勤務の日も多く、労働時間は相変わらず長いとはいえ、かつてのようにオフィスに缶詰の勤務形態ではなくなっています。
そんな中、モルガンスタンレーも社員引き留めのために優秀な社員のボーナスを昨年より2割増加させるという報道がありましたが、他社でも大幅に報酬水準が引き上げられています。
直近の情報では、ゴールドマンのVP前の30手前のアソシエイト(投資銀行部門)で、高い評価を受けているジュニアバンカーは4000万円前後の報酬を手にしました。反面、日系証券会社では30手前ですと、1000万円前後です。
この違いは、社員への市場価格と、引き受けているリスクと競争の激しさで説明できるでしょう。この業界への適性という意味ではより優秀で競争的な社員が、すぐに解雇されるリスクと、長時間労働で心身を害するリスクを引き受けながら、しのぎを削っています。
年収以外の非金銭的フィットも考慮することが重要
なお中には、ゴールドマンサックス投資銀行部門のアソシエイトの仕事が、楽しくてしかたない、という人も確かに存在します(あの業務を経験した普通の人からは想像もできない楽しみですが)。
また野村でも、解雇されるリスクがゼロの中で、それなりのプライベート時間を享受しながら、海外手当を得て結構なサラリーを貰いつつ、海外勤務で数年ニューヨークで過ごし、30前に留学という人もいるので、これも悪くありません。
重ね重ね、自分がどのくらいその仕事が好きなのか、どのくらいの給料を欲しいのか、給料が上がる代わりに受け入れられる非金銭的コスト(労働時間やストレス)はどれくらいなのか、またどのようなカルチャーの会社で働きたいのかを見定める必要があるのです。