ゴールドマンサックスで充実しているが大手PEの海外勤務オファー、さてどうする?

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ゴールドマンサックスの某部門で活躍し、順調に昇進しているAさん。しかし友人の紹介から気軽に受けた海外プライベートエクイティファンドのシンガポールポジションを受け、オファーを貰うことに。ゴールドマンサックスでの仕事内容や給与に満足しているだけに、想定外のオファーに混乱中。さてどうする?

質問

ゴールドマンサックスの〇部門(*ストロングキャリア編集部が匿名性担保のために削除)での生活に満足していたのですが、友人の紹介を受けて気軽にズーム面接をしていたK社(某大手グローバルPEファンド)のシンガポールオフィスのポジションのオファーを受けました。

直属の上司になる方も品があり、経験豊富な業界の大物で、性格的にも合いそうです。ただ懸念点は、私のこれまでのスキルがそのまま活かせる仕事ではないことと、今の仕事に満足しているため、将来戻ってこれるかが心配な点です。

このような場合、どう考えるのがよいでしょうか?

回答

御自身で決められることではありますが、転職をお勧めします。

本コーナーの質問箇所に記載されていない詳細をコールで伺ったうえで回答していますが、将来のグローバル投資プロフェッショナルキャリアで上がっていくためには、有力グローバル投資ファンドに海外現地採用される機会はめったにありません。

ゴールドマンの先輩を見てください。GSでIBDでVPやMDになったところで、数年のニューヨークやロンドン修行はあっても、基本は日本の東京に張り付いたローカルキャリアが待っています。

またプライベートエクイティの仕事はローカルな仕事なので、国内のどの大手ファンドに入っても、至極稀なケース(たとえばアドバンテッジパートナーズのシンガポールオフィスで、東南アジアの企業に投資する数名のポジションなど)を除き、基本は日本に張り付いた仕事になります。

グローバル投資プロフェッショナルを目指すのであれば、大手グローバルPEファンドのアジアのハブオフィスは、またとない機会を提供します。

これまで培ったスキルがあまり役に立たないのは、見方を変えれば大チャンス

今あるスキルをすぐに使えないという点は、30歳そこそこのアソシエイト採用であれば全く問題ないです。逆にこれまでのスキルで食べていけないからこそ、新たに学ぶことが多く成長カーブも高まります。

これが、経験者採用前提のディレクター採用であれば、即貢献できなければ解雇されるのですが、アソシエイト採用は「今後の成長の伸びしろや基礎的能力の高さ」を見られるので、貴方はそれを十分満たしています。

最後に現在の仕事に戻ってこれるかどうかですが、30半ばであれば余裕で帰ってこれますし、むしろこの、世界中の大手機関投資家との折衝や、ゴールドマンの仕事では絶対に経験できないマルチアセットクラスを経験し、グローバルチームの一員として働く経験は、御自身のビジョンにとって、稀有な成長機会に繋がるでしょう。

今の仕事が楽しく充実している場合、時に視野が狭くなり、それ以外の仕事の選択肢を考えられなくなってしまうものです。

私自身は、そのどちらの仕事も経験しており、貴方のビジョンである経験ミックスがどのようなものであるかも比較的詳しいです。かなりの自信をもって断言できます。

ノーリスク、アップサイド∞のコールオプションを行使しよう

転職先で仮にクビになっても、辞め方を丁寧にすれば今の仕事や同等のポジションに、30代であれば比較的簡単に帰ってこれることでしょう。

貴方はほぼノーリスクでアップサイドが極めて高い、コールオプションを手にされています。グローバルにキャリアアップされる大きな機会の前に立つ貴方の背中を、力強く押したいと思います。