ゴールドマンサックス大解剖~7大特徴と「心理的危険地帯」の実態とは?

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投資銀行人気が落ち行く中、それでもトップバンクのゴールドマン人気は別格です。それは金融業という枠を超えて、そのカルチャーが生み出す優秀な人材に成功の秘密があります。ではゴールドマンに向いている人、向いていない人はどのような違いがあるのでしょうか?その7大ポイントを解説します。

ゴールドマンサックス Pro & Con7大ポイントとは?

投資銀行人気が急落する中、ゴールドマンサックスだけは根強い人気を誇っています。これはコンサル業界のマッキンゼーと同じく、各界で活躍する卒業生が多く、またネットワークも強いことが挙げられます。

またゴールドマン特有のカルチャーの良い部分を取り入れることができた人は、どの業界に行っても成功する人が多いです。

それでは以下に、ゴールドマンを他の投資銀行と隔てる特徴について解説します。

1.トップバンクとしてのプライドと競争志向

ゴールドマンサックスはマッキンゼーと多くの共通点を有します。それは一流の人材を引き付けること、業界トップとしてのプライドの強さ、名誉欲が満たされることの満足感、などなどです。

なんでもかんでも勝負事は一番でないと気が済まないというひとは、そのような会社で激務に耐えて競争することをいとわず、そこで勝ち残ることがドーパミンの源泉になっています。

「競争に勝つことが生きがい」という人は、その業界での最高水準のタレントが集まる中での過酷な競争を楽しんで頑張れるでしょう(本気で楽しめる人はほぼいませんが、それでもフィットが高くて満足度が高い仕事人間も、確かに存在するのです)

2.チームワークとヒエラルキーの融合

ゴールドマンサックスはチームワーク重視で知られます。「うちはメリルのようにスターバンカーに頼るわけではない」などという人もいますが、他社に比べてチームワークが重視されるのも、マッキンゼーと共通するポイントです。

しかし一方で階層ごとのヒエラルキーは厳然と存在しており、メリルリンチからは「うちはゴールドマンのような軍隊式ではない!」などと揶揄される傾向にあります。

3.徹底したローカル化~「日系以上に日本らしい企業」

ゴールドマンサックスの日本での成功は、その徹底したローカル化にあります。某M社長がK大学の体育界出身であることもあり、体育会系のノリが強く、外資外資しているとイメージすると、実態とのギャップに驚かれることでしょう。

日本で投資銀行で稼ぐには、NTTやNECといったザ・日本企業の経営陣に可愛がられる必要があり、日本人社長が日本人チームを率いて日本の高齢経営陣が好む体育会系文化を有していることも、ゴールドマンの意外な特徴の一つです。

4.リスク管理の強さ~リーマンショックを唯一生き残った投資銀行

一時はモルガンスタンレー、メリルリンチと御三家と言われた時代もありましたが、業界的には後発のゴールドマンサックスが、今では唯一生き残った投資銀行になりました。

メリルリンチはバンカメに買われて激しい社内政治闘争に苦しみ、大勢のタレントを失っています。モルガンスタンレーも筆頭株主は日本の東京三菱銀行です。

ソロモンがシティバンクに、またJPモルガンはもとから銀行系であり、リーマンショック後に投資銀行として生き残った唯一の存在になりました。

トッププレーヤーであることから規制当局からのにらみも強く、リスク管理や法令順守に厳しい会社とのレピュテーションを築いています。(社員のインサイダートレーディングなど不祥事が報道されがちなのも、最もにらみを利かされていることの裏返しと言えます。)

5.仕事中心の実力主義

成果主義・実力主義で、若くして出世する人が多いのも、マッキンゼーと共通しています。

実際に中では20代後半でパートナーMDに昇進する人もいるくらい、年功序列ではなく成果がモノを言う社風です。(もちろん、実力が年齢に関係なく数字に表れやすい債券トレーダーなどの出身者の話です。)

6.社内政治の機微~「実力」には社内政治も重要

個人の腕一本で数字が表れるトレーダーなどの部門(といっても一番AIの脅威を受け、なくなりつつある部門ですが)と異なり、チームワークや人脈が重要な投資銀行部門では、どの実力者についてサポートを受けるかが重要というのも特徴です。

言い換えれば人間関係の機微に敏感で、サークルでも大学でもバイト先でも親戚づきあいでも、やたらと誰にでも可愛がられる人気者キャラの人は、人間関係の機微を読める人が多いので、このような会社に向いていることが多いです。

7.「心理的危険地帯」~いつクビにされるかわからない過酷な競争環境

これが残念ながら業界の特殊事情を勘案してもちょっとひどい、当社の特徴です。つまり、クビになる人が非常に多いのです。

これはグーグルなどが提唱し、それが多くの優秀な人材を引き付けている「心理的安全地帯」と対照的で、ともすれば「心理的危険地帯」と言わざるを得ないほど、いつクビになるかわからない危険さがあります。


成果が出ていても社内政治に敗れたり、懇意にしていた上司が解雇されて自分もまきこまれるなど、職場への安心感は築きづらいものがあります。

よって、クビになってもいい経験したと割り切れるハートの強い人か、よっぽど向いていてプライベートを犠牲にしても仕事に打ち込み競争に勝つのが幸せで仕方ない、というモティベーションの人でなければ、「過酷な競争と社内政治、そして市況変動に伴う解雇リスクの高さ」に耐えられないかもしれません。

なお、実際投資銀行にトップティアの人材が志望しなくなってきているのは、業界スタンダードを築くリーダー的存在のゴールドマンがどれほど、働くカルチャーを変えていけるかにかかっているともいえるでしょう。

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