さようならJPモルガン~JPモルガンからの転職者多数!若手の離職5大理由とは?

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グローバルでのビジネスの大きさとブランドが、東京オフィスの特定部門でのキャリア推奨に全く繋がらない事例も多々あります。実際のところ私の友人も、香港オフィスやソウルオフィスで10年以上勤続している人も結構いて、マルチアセットクラスを任され楽しく幸せに働く人もいるのですが、東京の投資銀行部門では違うカルチャーで、適性も異なります。米系投資銀行の中で日本市場でナンバー4のポジションにある、JPモルガン証券に関して、転職・就活者にとっての、他の投資銀行と比べたときの5大特徴を考えてみましょう。

さようならJPモルガン~JPモルガンからの転職者多数!若手の離職5大理由とは?

JPモルガンといえばアメリカの経済成長を支え、金融危機も比較的少ないダメージで乗り切り(単にリスク選好性が低くて動きが遅かっただけですが)、フィンテック/ブロックチェーン導入でも動きが速く、高い評判を築いてる世界最大級の金融機関です。

またこの御時世でもゴールドマンサックスと共にボーナスの支払いのキャッシュ割合が多い、数少ない投資銀行としても知られています。某部門に入れば、プライムロケーションの世界的なホテル物件のクロスボーダー取引等、大きく面白いディールの経験も詰めることでしょう。

しかし世界的なブランドと規模と成功は、東京オフィスの特定の部門に入ることへの推奨に繋がりません。

当サイト訪問者の皆様が志望されることの多い東京オフィスの投資銀行部門やマーケット部門で、JPモルガンへの転職や就職を考えられる際に、知っておきたい5ポイントに関して、解説します。

1.若手を育てる姿勢が比較的弱い

JPモルガンはかねてより、若手の退職率が高い傾向にあります。これは労働時間が長いのと、基本給は上がってもボーナスを下げられてトータルは大して増えていないのと、上司からの覚えめでたさ一つで決まる、政治的文化に嫌気がさすからです。

また不況期の首切りは容赦なく、ニューヨーク研修から帰ってきてまもなく退職に追い込まれた若手バンカーの事例もあります。

この点に関していえば、同じTier2の米系投資銀行でも、新卒を育てる姿勢で知られるシティグループ証券に軍配が上がります。

2.東京のプレゼンス低下

どの外資系投資銀行も、かつての日本以外のアジア太平洋地域と、日本というように分けられていた時代は何処へやら。

いまではグレーターチャイナと、チャイナ以外のアジア太平洋地域に区別され、日本もそのアジア太平洋地域の一拠点にそのプレゼンスを低下させています。

アジアのヘッドクォーター機能が香港に移る中、日本市場を海外在住の担当者が複数マーケットの一つとして遠隔カバーするなど、東京にリソースを張り付けていた時代からはコミットメントが後退しています。

(日本の3倍の市場の中国が毎年5~6%で成長しているので、三分の1のサイズで1%か0%成長だと、今後も相対的プレゼンスの低下は火を見るよりも明らかです。)

3.熾烈な社内政治

トップマネジメントはニューヨークで、日本の上層部もそちらを見て仕事をします。

また親会社のJPモルガンチェースが世界最大級の資産規模と業態を誇っているので、証券会社単独で勝負する競合と比べ、取れないリスクもあり、動きも遅くなりがちです。

金融危機当時に買収したベアスターンズ組や、かつての東京銀行など日系銀行から転職してきたグループ、また海外本社からのお目付け役など複雑なダイナミクスが働き、社内政治のセンスのない人は長期間活躍することが難しい組織です。

4.斜陽産業で強化される規制

JPモルガン証券が成長を謳歌した時代に比べ、規制は強化され、優秀なトップティアの人材獲得は難しくなっています。

他業界が働き方改革や心理的安全地帯の重要性を押し出し社内カルチャーが改善する中、JPモルガンは古き良き、、ではなく、古き悪しき投資銀行部カルチャーで、優秀な若手バンカーが長期的に働きたい会社ではなくなりつつあります。

5.信頼のグローバルブランド

これまでJPモルガン証券への転職・就職を考える上でのネガティブな注意点について論じてきましたが、それでも世界に冠たるJPモルガンブランドは健在です。

長年働くのはきつくても、数年いてM&Aやファイナンスの知識と経験を身に着け、トップMBA留学か次に移れるブランドをレジュメに書きたいという目的に納得しておられる方であれば、いまだに魅力のある選択肢となるでしょう。

最後に付け加えますと、期待される報酬水準にもよりますが、外資系投資銀行に「若くして一丁上がりモデル」を期待して入社されるのは、もうお勧めできません。報酬に関しては、業界内で転職を繰り返して40代まで頑張ってその後クビになっても資産的には一丁上がり、という時代ではなくなっているのです。

確かに新卒一年目でベース800+ボーナス数百万で1000万越え、30歳のVPで3000万稼げて、30代中盤でうまくディレクターと上がっていれば5000万、40代MDで5000万~1億越えの年収を稼げる業界・会社はそうはありません。

しかしながら激務の割に税引き後に残る金額は大したことなく、かつ40代になって勤続できる可能性は自分都合でも会社都合でも考えづらく、長居しすぎると潰しのきかない人になってしまうリスクを考えましょう。

またスタートアップで楽しみながら稼いでいる若手成功者がこれほど増えると、「挑戦できる機会費用を上回る報酬を得ているか」と考えますと、必ずしも割に合わなくなってきているのも実情なのです。

以上、外資系証券会社が業界全体として抱えるチャレンジと、その中のナンバー4と目されるJPモルガン証券でのキャリアについて論じてきました。ご参照いただければ幸いです。

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