ハイクラス転職でロークラス人材に転落する、ハイキャリア転職失敗10パターン!

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「ハイクラス転職」とは、その成功の定義を良く考えることなく、単に年収が上がることなどを指していることも少なくありません。しかし本来は、転職後に学べる事、一緒に働く人の質、カルチャーとのフィット、自己効用感、そして仕事を超えた人生の質の向上など、より広い視野と長期的な視点で定義すべきものです。以下では「ハイクラス転職に成功した」と思いきや、実はロークラス人生に転落する、残念無念な10大パターンを解説します。

ハイクラス転職でロークラス人材に転落する、ハイキャリア転職失敗10パターン!

戦略コンサル・外資金融・プライベートエクイティ等で働く、いわゆる「ハイクラス転職」を志す高学歴・ハイキャリア人材は、「さらなるキャリアアップ」「選ばれた貴方だけの、、、」などと向上心とプライドをくすぐる「ハイクラス転職エージェント」の誘い文句にころりと騙されて、うかつな転職で失敗しがちです。

幸か不幸か、「ハイキャリア人材」と称される人々の年収が比較的高いだけに、多くのエージェントが多様な案件を勧めてきます。

したがって、「やめといたほうがいいハイキャリア転職案件」の誘惑が多いのも事実です。

そんな安易な「ハイクラス転職」の誘惑で失敗しないために、以下では「ハイクラス転職」で失敗するハイキャリア人材の転落パターンを解説します。

1.ハイクラス転職の定義がショボい~転職後の収入しか考えていない

ハイキャリア人材で転職に失敗する人の第一のパターンは、そもそもハイクラス転職の定義をまじめに考えていないケースです。

蓋を開けてみると数百万年収が上がるだけで、労働環境や上司の人柄や身につくスキルや、転職後の成長カーブが実はロークラスな求人も少なくないもの。

多少上がった年収の代わりに、将来の成長余地や成長速度を失ってしまえば、本末転倒です。ハイキャリアだと思っていた自分がいつの間にやらミドルキャリア、そしてローキャリアに転落していく落日の日々を経験することになりかねないのです。

2.ハイクラス転職かと思いきや、 過酷な環境で労働時間が長すぎる

転職のROIとは、もちろんReturnとInvestmentの定義が人によりけりなので一概には言えないのですが、分母の投入コストに、時間的犠牲があるのは間違いないでしょう。

「ハイクラス転職」の中身を見てみると、労働時間が劇的に伸びるのみならず、反復的な誰でもできる作業兼、将来AIにとってかわられる作業ばかりやらされることも。

(総合系や新興コンサルファームに転職した後、戦略ケースが一つもなく、決められた下流のRPA導入ばかりやるケースがその最たる例)

間違っても給与や会社名だけで選ぶのではなく、✔自分が投入することになる時間の長さと、✔その労働時間内で自分が経験ないし学習する「時間の質」を十分考えた転職の決断をするようにしましょう。

3.ハイクラス転職かと思いきや、働いている人はロークラスだった!?

ハイキャリア人材にとっては、自分の向上心と自尊心とアイデンテティを満たすために、自分が尊敬できる、「このような人になりたい」と思える人と一緒に働きたいものです。

しかしながら会社によっては、会社自体の商品やブランドが強く、かつ大企業で組織化もしっかりしているため、中にいる人材は実はたいしたことがないというケースも少なくありません。

しかしこのようなケースでは、「自分は凄い」と勘違いしたロークラス社員が沢山いて、結果的に「無能な人間と一緒に働きたくない!」などと、またすぐに転職活動を始めることになる人も少なくありません。

ハイクラス転職を考える時は、自分にとっての「一緒に働きたい人材」の定義を考えましょう。

人は往々にして、何をしているかよりも、誰としているかの方がキャリア及び人生の満足度にとって、より重要なものなのです。

4.ハイクラス転職をしたはいいものの、自分はミドルクラスで活躍できなかった

これも「ハイクラス転職アルアル」ですが、実際に優秀な人材が多い会社に入ったはいいものの、自分の特色が全く生かされないケースも数多くあります。

MBBやゴールドマン、トップティアMBA出身者といった、自分と似たようなハイキャリア人材が集い、同じ軸で並べると自分の付加価値や比較優位を発揮できない転職をして失敗する人もチラホラ。

いかに自分が財務分析やバリュエーションモデル構築やパワポ資料作成や契約書の読み込みが得意でも、同じようなことを同等ないし、より早く正確に、かつ安い賃金で出来る優秀でハングリーな人材が押し寄せる業界に入ってしまうと、そこで付加価値を出すのが難しいのです。

結果的に、「他業界にいけばより活躍の場があったのに、その職場で社員に求められる水準」をやっとこさなんとか満たすだけのミドルクラス人材になり下がる人も、少なくないことに気を付けましょう。

5・ハイクラス転職かと思いきや、会社名は立派だが、学べるものがあまりなかった

一般的に尊敬されている企業名でも、いざ入るポジション次第では、学べるものがあまりなくてすぐに飽きてしまうことがあります。

既存のお客さんへの情報アップデート資料を作ったり、投資家からの四半期ごとの同じフォーマットでの問い合わせだったり、規制当局が課す四半期ごとのレポーティング等々が、典型例といえるでしょう。

創意工夫の余地がなく、関わりあう人すべてが「面倒くさい仕事」と思っている仕事をする「感情擦り減らしポジション」だと、社名は素晴らしくても仕事内容は退屈極まりなく、スキルや知識、収入の成長カーブ全てがフラットに落ちていくリスクも存在します。

6・ハイクラス転職で給料は上がったが、機会費用のほうが高かった

ハイクラス転職に成功したと思いきや、よくよく見ると、他に行けばもっとキャリア的にも責任的にも、成長速度的にも、よっぽど上を目指せた人も、少なくありません。

見方を変えれば、このような「オーバースペック人材」を雇う企業も、罪深いものです。

本来ならばよりよい条件で、より面白い仕事をできたであろう人材を、ベストからは程遠い条件で採用してしまったのですから。

その点、私の上司は東大法学部→ゴールドマンサックス→トップMBAの人材が社内の中途半端なポジションにアプライしてきたとき、”この人はオーバースペックなので、長期的にこの人のキャリアのためにならない”とDeclineしていて、感心した覚えがあります。

実際にオーバースペックな人がアンダースペックなポジションへ「転職成功」してしまった場合、トップティアの人材はすぐに「この会社や仕事は大したことがない」と悟って再度転職活動を開始します。

そして雇った方もすぐに同じポジションの人を探さなければならないので、結果的に双方が不幸になります。

転職をするときは、「ほかに転職できた可能性のある他のポジション」を検討したうえで、「転職の機会費用を上回っているかどうか」を慎重に自問しましょう。

7.ハイクラス転職かと思いきや、人生の質がロークラスに

仕事自体はやりがいもあり、収入も十分で、周囲の人材も自分が尊敬できる優秀な人ばかり。

一見幸せそうなハイクラス転職成功組かと思いきや、社内で認められ承認されることばかりに捕らわれ、親孝行や伴侶との時間、子供へ注ぐ愛情が疎かになり、趣味の旅行も全くできなくなる羽目に。

「ハイクラス転職成功」で、仕事に限って言えばより満足度が高くなったものの、より視野を広げて人生全体を考えれば、失っているものが多い人も数多く存在します。

転職はそもそも、より大きな目的である「よりよい人生のため」にするものであることを忘れてはいけません。

ハイキャリア転職→ロークラス人生に転落しないよう、視野を広く持って判断するようにしましょう。

8.ハイクラス転職したはいいものの、長居しすぎて残念エリートに

ハイクラス転職をするときに注意したいのは、「ハイクラス退職」というエグジットタイミングを忘れないコトです。

いわゆるハイキャリアも、人生のどのステージに何年間いるかが重要なことが多いものです。

ひたすらダラダラ長居してしまうと、前述の「転職の機会費用」より低い満足度で働くことにもなりかねません。

そもそも仕事での成長角度というのは、長居すればするほど、平坦になっていくのは当然です。

そんななか、長らくいることで仕事にも会社にも慣れ、居心地が良いだけに外に目が行かなくなり、気が付けば会社の外によい条件で転出できるウィンドウは閉じられてしまうことも。

しかしながら、社内では更なるアップサイドは見込めないという、40超えてパートナーへの道が閉ざされたコンサルファームの万年シニアマネジャーのような事態になりかねません。

「転職後の不用意な長居」に、くれぐれも気を付けましょう。

9.ハイクラス転職かと思いきや、単にエージェントにとってマージンが高いところに放り込まれただけ

ハイクラス転職エージェントというと聞こえはいいですが、実は自分が紹介している企業や業界の実態をたいして理解しておらず、どのような人材であれば向いているのか、その向き不向きを判断できない人も数多く存在します。

結果的に、誰でも外形的に見れるような年収や年齢、学歴に依存したマッチングを行うエージェントも少なくありません。

しかし当然のことながら、そのような外形的基準だけで、価値観や行動様式、ビジョンのフィットが図れるはずがありません。

繰り返しになりますが、年収があがる転職に成功することが、ハイクラス転職の成功ではありません。

重要なのは、自分も会社もお互いが”機会費用”を超える転職です。

つまり会社にとっては、他の優秀な人を雇うより自分を雇った方が会社にとってハッピーになっている必要があります。

また自分にとっても、他の有力な選択肢を選ぶよりも、この会社を選んだ方が、納得感と成長感、そしてなによりも、多くの人にとっては「自分は好きな仕事で貢献し、尊重されている」という自己効用感を高められるかどうかが、重要なのです。

間違っても、単にマージンが高い案件をプッシュするエージェントの「あなたはこの仕事がとてもフィットしています」というあの手この手の説得に惑わされてはいけません。

そして結局最後は断り切れずに転職してしまい、しかも長年働いても転職を言い出しづらくて「いつまでも長居してしまう」という不幸な事態に転落しないよう、気を付けましょう

10.ハイクラス転職サイトに書いてある内容に要注意

末筆ながら、ハイキャリア人材特有の転職失敗パターンの締めくくりが、「教科書的な対策ばかりしてしまう」パターンです。

これまで受験勉強でもなんでも、石橋をたたいてしかも渡らないくらい、慎重にしらみつぶしに準備をしてくるのが習慣化している人々は、転職をするときも、同じようなアプローチをしてしまいがちです。

それこそ業界未経験者が適当な伝聞情報を組み合わせてまとめただけの、しばしば的外れな「業界情報」を大真面目に読み込んで、無駄な努力に時間を使いがちなのです。

しかし、ハイクラス転職サイトなどで得られる情報は結局のところ、その業界および会社で、十分な期間働いてきた経験者による一次情報でなければ、ほぼ無意味だと知っておきましょう。

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