
就活の基本総まとめ後編は、どのような面接でも聞かれる志望動機、強み、弱み、ビジョン、英語面接の乗り切り方、逆質問の在り方や、自分だけ内定を得られないときのマインドセット、ないし複数オファーを貰って決断するときの考え方について、新卒就活用コラムの総まとめを紹介しながら、弊社講師陣が論じます。
ハイレベル就活の基本総まとめ(後編)~絶対聞かれる面接質問を攻略する為の超基本
就活の面接~どのような質問を受けるのか?
戦略コンサルや投資銀行といったプロフェッショナルファームで聞かれる面接の質問は、2つに大別できる。
まずは志望動機やキャリアビジョン、強み弱みといった、オーソドックスでどこの会社の面接でも聞かれる典型的な質問と、何か「答えが無い質問」を投げかけて、その思考プロセスを問う系の質問だ。
前者に関しては後述で詳しく論じるとして、後者に関しては、何を聞かれても議論・思考のプロセスや、議論の全体感を踏まえて話していることを示すことが、つとに重要である。
たとえば東京オリンピックを再度延期すべきかどうかや、コロナで売り上げが急減した九州の温泉街を復活させるにはや、このビルの裏地にある空き地を有効活用するにはどうしたらいいか、といった、正解不明のバクっとした問題が投げかけられる。
この手の質問を聞かれたら、何を聞かれても通常のコンサルプロジェクトの流れを意識した議論展開が望ましい。
つまり✔言葉の意味を定義し、✔問題点を幅広く論議し、✔その中で最も肝になる問題点を同定し、✔それの解決策を幅広く考え、✔そこから優先順位の高いものを、もっともらしい基準を設けて絞るというのが、オーソドックスな回答アプローチとなる。
戦略コンサル面接対策&投資銀行面接対策:過去に出題されたケース面接事例
グループワークとグループディスカッション~成功のコツとは?
新卒就職活動では、一次面接はグループディスカッションになることが多い。
このグループディスカッション、賢く能力が高いのに、グループディスカッションで獅子奮迅の活躍を見せて、第二次面に絶対呼ばれない人が毎年必ず発生する。
そういう人は、このグループディスカッションだからこそ企業が見れるポイントは何なのかを考える必要がある。
第一に、参加者の知的生産性(チームワーク)を高めるリーダーシップを示すことが必要だ。
グループディスカッションを実施する理由は第一に、(応募者が多すぎるから効率的に面接するというオペレーション上の理由もあるのだが)チームでどのように振舞うのかを見るためだ。
これに対し、グループディスカッションでの典型的なダメパターンが、議論の交通整理をしているつもりが、単に交通障害にしかなっていない人である。
逆に最も高く評価されるのが、✔参加者全員に敬意を払い、✔上手く全員のインプットを引き出し、✔議論の全体感と議論のプロセスを把握しながら、✔交通整理できる人だ。
これはコンサルでクライアントチームを巻き込み、皆で考えをまとめていくのと同じようなプロセスなので、仕事への適性が良く分かるものである。
要するにグループディスカッションを通じ、”あなたがいることで、チーム全体の生産性が高まった”という印象を与えられるかが重要なのである。
第二に上でも書いたが、全員に敬意を示すことが特に重要だ。
総じて、「皆に話を振れば、皆に配慮できるワタシをアピールできる」などという見せかけの配慮はバレる。
常日頃、どんな人に対しても敬意をもったコミニュケーションを心がけないと、日ごろの攻撃的な性格は隠しきれないものである。
第三に、極力ホワイトボードに皆の意見を書いてまとめる役を担おう。これはチームの議論をまとめる上で貢献しやすいポジションなので、出来るだけ手を上げて取りに行くのが望ましい。
しかしながらよっぽど字が汚い上、集中力が無くて穴と空白だらけの、文字通りホワイトボードに仕立て上げてしまう人は、くれぐれも気を付けよう。
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就活の面接~話し方
面接においては話す内容だけでなく、話し方も非常に重要である。
そもそも話す内容だけなら、エントリーシートに書いてもらったほうが読むほうも早い。
しかし直接面談だろうがZoomだろうが、話すと声のトーンで文面以上に人柄が伝わるものだ。
そんな中、一番勿体ないのがガチガチに緊張して、記憶してきたセリフを思い出しながら演説してしまうパターン。
特にまじめでお堅い印象を与えがちな人は注意していただきたいのだが、自然な笑顔を見せるだけで、好感度はかなり変わる。
中には面接対策や自己分析より、口角を上げる練習をした方がインパクトが大きい人も、少なからず存在するくらいだ。
面接では笑え!スマイルが激変させる、緊張就活生の印象と内定確率
ちなみに、人には自分に合ったベストの声があるので、それを見つけることも大切だ。
腹式呼吸でゆっくり空気を吐き出しながら、自分を落ち着かせるベストボイスを心がけよう。
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面接の基本~志望動機
以下では、オーソドックスな面接の質問について論じよう。
まず志望動機だが、60分の面接があれば10分くらいはこのトピックで聞かれることが多い。よって、志望動機をきちんと固めるだけで、面接の2割は制したことになる。
ただし厄介なのは、志望動機など往々にして、あまり無いということだ。
大学の3年になるまで、世の中にどのような仕事があるかもたいして知らず、どのような会社に行きたいかを約20年間一度も考えたことない人が大半である。
それなのに、たかだか数か月で”何が何でもこの仕事をしたいんです!”と訴えたところで、時にはストーカーじみた偏執性を感じてしまうものである。
しかしそれでも、MBAの留学エッセイと同じで、何がやりたいかわかっていない人が、他人を説得する前に自分に催眠術をかけ、”志望動機”を作り上げていくのだ。
コンサル・外資金融、志望動機など無い!!~だがしかし考えるべき3大理由とは?
そんな中、コンサルや投資銀行の志望動機をそれぞれ18パターン、6パターンに分類し、実際にその志望動機が妥当なのかどうかを解説したコラムがあるので、是非ご参考頂きたい。
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就活面接の基本~あなたの夢・ビジョンは?~全くビジョンが無い人は、強力なビジョンを持つ人に勝てるのか?
面接において、志望動機よりも更にわからないのが、自分のビジョンであろう。
そもそも日本の教育では夢やビジョンを考えるためのプログラムなどほぼ無い。よって家庭教育で将来何をしたいのかを日ごろから考えさせるような習慣を身に着けるか、自分が何をやりたいのか考えなさい”と問われ続けない限り、将来のビジョンなど無いケースが一般的である。
したがって、別に自分に夢やビジョンが無いからと言って、絶望することはない。
そもそも夢やビジョンがあるという人も、限られた経験や知識の中から、夢らしきものを口にしているだけのことも多いのだから。
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コンサル志望動機:”将来ビジョンや、やりたいことがない時の3大論点とは?
しかしながら、この就職活動の時にしっかりと考えないと、会社に入って日常の業務に忙殺されているうちに、また向こう何年、下手したら何十年と、自分の夢やビジョンなど考えない生活が待っているかもしれない。
かつ、自分で目標を考え、その目標を達成することの価値に納得している人は、”なぜ毎日この業務をしているのか?”と疑問に思うか、そのような疑問すら抱かずに受け身で命令された業務をするだけの人に比べ、モティベーションの観点から勝率が高いのは言うまでもない。
だからこそ、短期的な志望動機ではなく、長期的にどのような人生を送りたいのかを、仮説レベルでもいいから構築することが、就活の納得解を得るために重要なのである。
さて、そんなビジョンであるが、コンサルなどコーポレート・プロフェッショナルキャリアを目指す人の多くが、やれ経営者になりたい、やれ企業再生プロフェッショナルになりたいなどと口にすることが多い。
もちろんビジョンを説明するためには、なぜそれがビジョンになったのか原体験を語る必要があるため、よく持ち出されるのが”お父さんの会社が倒産した”などの原体験だが、これもあまりにもよくある”原体験”なので、若干白々しさが出るものだ。
またより注意しなければならないのが、ビジョンと志望動機の整合性である。今入ろうとしている会社に入ることの自然な延長線上にそのビジョンが無ければ、ビジョンか志望動機か、その両方が単なる思い込みに過ぎないからである。
特に新卒アルアルの将来ビジョン、”企業再生のプロになりたい”系の話をする人は、そのビジョンを果たすためには、どのような経路が現実的なのか、きちんと理解したうえで夢を語るようにしよう。
企業再生プロフェッショナルにつながる就職・キャリアプランとは?
なお理系の人のビジョンで多いのが、日本の科学競争力を高める云々の話だが、そのために何故コンサルや投資銀行がファーストキャリアとして望ましいのか、きちんと説明できない人が多いので、気を付けよう。
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就活面接の基本~あなたの強みは?
面接で絶対聞かれるオーソドックスな質問の一つが、”あなたの強みは何ですか?”だ。
ここでオーソドックスな質問にオーソドックスな回答をする人は、やれ論理的思考能力です、やれ分析力です、やれコミニュケーション能力ですなどと、退屈極まりない回答をする。
その具体例が凄すぎれば別なのだが、凡庸な質問に凡庸なコンセプトで、凡庸な具体例を話されたら、さすがの面接官も睡魔に勝てないだろう。
他にも体力ですとか、明るさですとか、なんだかんだ言ってくる方が多い。しかし重要なのは志望先の業務をこなすうえで、何が強みになるのかを理解したうえで、それに繋げた”強み”を考えることである。
また、強みを3つ言うならば、2点くらいは仕事関連の強み、1点くらいは人間らしい暖かさを示すストーリーがバランス感覚的に望ましい(まぁ、人次第なので絶対ルールではないのだが)。
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就活面接の基本~あなたの弱みは?
強みを聞かれたら弱みを聞かれるのが面接の常だが、この「あなたの弱みは」への回答で、白々しさがピークに達するものである。
ポピュラーな白々しい回答例第一位は”頑張りすぎてしまうことです”であり、第二位が”他の人の分の作業も引き受けてやってしまうことです”だろう。そして第三位が”優しすぎて怒れないことです”などなど、退屈な回答が続く。
つまるところ”私って、裏を返せばいい人でしょう!”というアピールなのだが、重要なのは正確に自己認識できていること、また正直に自己開示をし、弱みを見せることで支持・支援を受けられる人間かが見られるのだ。
かといって、コンサルを志望しているのに”私の弱みは、論理的ではなく、プロジェクトマネジメントとチームワークが苦手なところです”などと正直に開示してしまえば、さすがに業種的にクリティカルな弱みとなる。
その場合はそもそも志望業界が間違っているのだが、にもかかわらずお勉強のために入りたいときは、間違っても”業務上クリティカルな弱みを3つ挙げない”ことが大切なのは、言うまでもないだろう。
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あなたの挫折経験”を聞かれたら?~恋愛ネタを話してよいのか?
”あなたの弱みは何ですか”と同様、よく面接で聞かれる”あなたの挫折経験”。この質問も、自己認識の深さや自己開示できるかどうかを見ていると見てよいだろう。
そんな時、特にこれまで苦労も挫折もしたことがない多くの人は、やれ受験で失敗した、やれ部活でベンチウォーマーだった(レギュラーになれなかった)、等々の話をする人が多いのだが、中には一定数、”恋愛の挫折”をトピックに話してくる人がいる。
個人的には興味深いケースもあるのだが、残念ながら一緒に働く人を決めるための面接で、恋愛の挫折からの教訓を語られても、当惑することが多い。
また恋愛の挫折は大抵、ストーカーチックな話か、浮気しました系のなんともいえない話に集約される。したがって、あなたの人となりが伝わったところで、”一緒に働きたい”と思ってもらえる可能性は低いだろう。
弱みや失敗体験や挫折について話すときも、その解答が、自分と志望先とのフィットをアピールするもの(ないし、少なくともフィットを判定する上で有益なもの)になるよう、心がけよう。
ちなみに入社後も社内恋愛でキャリアを崩壊させる人が少なからずいるので、そのリスクをお持ちの方は是非ご一読願いたい。
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英語面接~TOEICで高得点をとっても英語など話せない!
さて、外資系企業での面接でつきものの英語面接だが、これを恐れる人も多いのではなかろうか。
しかし実は英語全く話せない人でも、英語面接をしっかりと突破する人も少なくない。
それは面接で聞かれることはせいぜい決まっているので、用意してきた回答内容と、回答されても理解できないが質問だけはできるよう用意してきた英語の質問で、30分程度の英語面接なら乗り切れることが多いからだ。
中には話し好きのアメリカ人に、理解できているのは1割くらいしかないのに、その1割で理解できた瞬間、それに関する質問で何とか”上手な聞き役”を演じて、面接内容の大半が意味不明だったのに、次の面接に進む人もいる。
ちなみに英語力を高めたり、示すためにTOEIC満点近く目指して頑張っている人がいるが、無駄な努力で終わるので、やめた方がいい。
TOEIC自体がこの世から無くなってもTOEIC関係者以外誰も困ることが無いくらい、TOEICは真の仕える英語力の指標になりえない。
TOEFL iBTで115点です、くらいであれば仕事に耐えうる英語力だ。しかしTOEIC満点でも全く英語を話せず、文法の間違いをたまに見つけられる程度の”使えないテスト用英語力”が身につくだけなのだ。
投資銀行の英語面接対策:英語が苦手でも内定を取る3つの方法とは?
就活面接の基本~“他に受けている企業は?”
面接も終盤に差し掛かってくると、「他にどのような企業を受けていますか?」と聞かれることがある。
ここで無邪気なあなたは、面接の前段でいかに自分は投資銀行部門こそ自分の道だとアピールしてきたのに、あっさり「マッキンゼーと三菱商事、グーグルを受けています」などと、方向性が違う他の選択肢を堂々と開陳してしまうのだ。
自分が受けている企業を言うことで、抽象的なレベルで貴方が仕事に何を求めているのかが見えてくる。しかし往々にしてその共通項は”有名人気企業”であることが多く、大したポリシーなく志望企業を決めていることがバレてしまう人も非常に多い。
これまでアピールしてきた将来ビジョンや志望動機、強み、弱みなどと全く整合性の無い企業を羅列することのないよう、気を付けよう。
面接事故~むかつく人事や面接官が現れたら、どうする?
面接を受ける中で、横柄で無礼な面接相手に遭遇するのも、新卒就活時の特徴だろう。
中途転職時は普通に社会人同士の会話になるのだが、なぜだか学生さん相手に高圧的に出たがる愚か者が後を絶たない。
少子化で売り手市場になろうが、SNSで面接官の悪評がすぐに出回ろうが、ミレニアル世代以降は「大人の上から目線」を極端に嫌がることを理解せず、初対面なのになぜだか先輩風を吹かせて上司面する、劣悪な面接官たち。
中には度を超えて無礼な面接官にも、交通事故のように出くわすことがある。
そういう時は(その会社に入ることを断念したならば)泣き寝入りせず、半沢直樹氏並みに倍返しを心がけ、泣き寝入りしないようにしよう。
ブラック面接官3大残念パターンとは?~無意味な質問と圧迫、そしてイチャモン
最終面接の心構え~逆質問で自爆しないために
複数回の面接を終えた後、いよいよ最終面接にこぎつけた貴方。
OB訪問や会社説明会に参加した日々、深夜のスターバックスで友人にエントリーシートを見せて、的外れ田添削をされたときの思い出が、走馬灯の如く頭をよぎっているかもしれない。
最終面接に出てくるのが実験の無い人事であれば、貴方の内定は既に決まっている。また社長クラスの人と短い面談がセットされていた場合でも、たいていは単なる顔合わせで、内定は決まっている。
ないし、引く手あまたの貴方を説得するために、社長自ら貴方を説得し、歓迎するための最終面接かもしれない。
しかし、最終面接がそれまでショートリストされた候補者の中から文字通り最後の選考をするための場であった場合、貴方はどのような心構えでその最終面接に臨むべきだろうか?
仮に貴方がその会社を選ぶかどうかを決められる状況であれば、これまでの会社説明会やOB訪問やネットサーチや面接を通じて得た、当該企業に対する自分の認識・仮説をぶつけて、その仮説が正しいのかを確認する場だととらえよう。
逆に何が何でも入りたい会社であれば、あまり前のめりに熱い思いばかり伝えるのも考えモノだ。
たまにそういう情熱派が好きな人もいるが、たいてい男に追いかけられる女性の心理と同じで、あまりにも熱心に思いを伝えられると、ちょっとドン引くものである。(実際私の元上司であるとある外資系投資銀行の部門ヘッドも、”あまり必死な奴は採用したくない”と言っていたものである)
あくまで感じよく、相手の頭に”なぜあなたを雇うべきかその理由1,2,3”がすぐ浮かぶよう、端的に伝えよう(その3ポイントと具体例がショボければ、自爆で終わるのだが)。
なお最終面接は、これまでの面接以上に”何か質問はないですか”と聞かれるものである。
そこで間違っても”何も聞くことはないです!”と無関心さをアピールしてしまわず、かといって”あなたのキャリアビジョンは何ですか?”などと謎の逆面接をしたりもしてはいけない。
”たしかに一問だけ聞けるとしたら、貴方にとっては、その質問が優先順位高いよね”と思ってもらえるような、言い換えれば”なぜその質問をするのか”という優先順位が説明しやすい質問をしよう。
内定なし、自分だけ就職先が決まらない~さてどうする?
なお、周囲が最終面接を終えて内定を獲得しはじめると、内心穏やかでいられないのが人情である。
特にゴールデンウィークを終えて大半の人が内定を得始めると(化石団体・経団連がリクルーティング解禁したころには、優秀な学生のリクルーティングは既に殆ど終わっている)、やはり焦ってしまうものである。
特にこの季節は憎たらしい知人から、キャンパスですれ違う度に、挨拶のように”どこ受けているの?”などと余計なお世話な質問を浴びまくるので、なおさらだ。
ここでは馬鹿正直に、”マッキンゼーとBCG、GSとモルガンスタンレー受けて、結果待ちなんだ”などと周囲に宣言してはいけない。
すると、暇な就活フレンドはひたすらその結果を聞いてくるので、ただでも落とされて傷心のあなたの心の傷口が、広がる一方だからだ。
こういう時に重要なのは、周囲に不必要にどこ受けているのか言いふらして自分へのプレッシャーを大きくしないこと。
たとえば”私は就職はしない。一年間放浪旅行したい。でも社会勉強がてら会社説明会とか面接は行っている”くらいの説明をして、周囲からの好奇の詮索を逃れよう。
仮に自分だけ落ち続けたところで、そう悲観することはない。就活は見方を変えれば、学生の身分でさまざまな業界・業種・企業の人に直接話を聞ける好機だ。
無料で多様な業種の企業や社会人から社会見学させてもらえるチャンスだととらえなおして、就活を楽しむ楽観的な余裕を持つことが重要である。
疲れる就職活動で、気持ちがグッと楽になる、最強のマインドセットとは?
複数内定をゲット、さてどうする?
あなたの就職活動という長い旅路も、いよいよその終わりが見えてきたようだ。当初の心配事はどこへやら、結局複数の会社から良いオファーを貰うことができた。
実際のところ、一部の優秀な学生に優良オファーは集中するだけに、長期的に成功する為には、“いかに自分に合ったオファーを選ぶか”が重要となる。
私の周りを見渡しても、皆が外資系投資銀行を目指していた時代にゴールドマンサックスからのオファーを蹴って我が道を行った人ほど、その後長期的に成功していることが多い。
周囲の評価や社会的な名声ではなく、自分が好きで、頑張れて、結果的に成功できる仕事を選べた人が強いということである。
自分はどのような環境でどのような人と一緒にいるときに幸せなのか。何が得意でどのような仕事であれば貢献できるのか。そして何が苦手で他人に任したほうがいいのかを自分に正直に考えて、出来るだけ内定先企業の多くの人と会って話して、最後は直観を信じて自分で決めよう。
その判断は、あらゆるビジネスジャッジメントがそうであるように間違っているかもしれないが、「自分で決めた」という事実が、どの進路を選ぼうとモティベーション及び責任感の源泉となるのだ。
内定ゲット!!戦略コンサルと投資銀行、同時内定時の、3大比較ポイントとは?
就活のお礼メールとお詫びメール
最後に人間としてのマナーだが、就活が終われば、就活中お世話になった人に報告をしよう。
就活中に自分が必要な時だけ相手を利用し、用が終われば無視といった態度をとる人は、社会人になってからも打算でヒトと付き合うことが周囲に見透かされる。
そんな人徳の低さから人脈が築けないものである。
OB訪問でお世話になった人、親身に相談に乗ってくれた社会人の方、時には自分を落とした会社の人にまで丁寧な進路報告をすることで、「この人はなんて立派な人なんだ」と、自分を落とした会社の人の間にさえ、畏敬の念を呼び起こそう。
律義に挨拶されて、”なんだこいつ、俺に不要な敬意を払いやがって!!”などと気を悪くする人はいない。
就活で出会った単なる知人を人脈に変える礼儀を備えた人が、長い社会人生活で人脈勝負を制するのである。