
コロナ下で変わる、組織公正とエンパワーメントの関係について解説します。
組織公正性の有無の重要さ:正当に扱われているという実感がやる気を左右する
コロナ環境下でリモートワークが増えた結果、マネジメントがより難しくなっていると感じる会社は少なくありません。そんな中、効果的なリーダーシップを発揮するには社員のエンパワーメントが必要だという説がよく論じられるようになりました。エンパワーメントとは自分で決めたり、自分の意見を尊重されたり、裁量が増えたりすることですが、これは働く場所や時間の選択にも当てはまります。
そしてこのエンパワーメントの有無が、所謂Organizational Justice/Organizational Fairnessの文脈で語られるようになってきました。
組織に公正に扱われているかどうかは、従業員エンゲージメントの向上に非常に重要な役割を果たしますが、エンパワーメントされているかどうかが、自分が公正に扱われているかどうかの指標の一つになっているという説です。
これまで組織公正性は、経営陣が正しいことをしているか、会社が正しいことをしているか、経営陣も決められたルールを体現しているか、えこひいきなく、自分は公正に扱われているかということを意味してきました。
ここに「自分で働く場所や時間を裁量を持って決められるか」というエンパワーメントの程度が影響するようになってきたのです。
自分でキャリアを選ぶときに重要なのは、「その組織だとやる気が起こるかどうか」を見極めることが重要になります。つまり自分のエンゲージメントを高めるカルチャーがあるかどうかを見極める必要がありますが、その尺度の一つとしてその会社がどのように公正に社員を扱っているか、また従業員エンパワーメントの度合いはどうかを職場選択の基準の一つとして参考にされると良いでしょう。