就活で親不孝がバレる!?就職先が、大学の専攻と親の期待から乖離する問題!

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投資銀行・コンサルで働く人には、実は医学部・薬学部など学から入られる方たちが多くいます。その中には、これまで長年大学で学んできた選考と全く異なり、かつ周囲の友人の進路や、親からの期待とかけ離れたキャリア選択をすることに、不安どころか罪悪感まで抱いている方も少なくありません。しかしキャリアで重要なのは、自分で選んだのだという主体性と、そこから生じる責任感・グリットです。くれぐれも、たいしてよく考えて選んだわけでもない大学の専攻や周囲の期待に合わせた職業選択をしないようにしましょう。

就活で親不孝がバレる!?就職先が、大学の専攻と親の期待から乖離する問題!

東京大学農学部 大学院Hさんより質問

私は大学で生物を専攻しています。
昔から経済に興味があったということもあり、投資銀行の第一線で働きたいという気持ちもある一方で、生物で博士号を取った後、研究者として製薬会社などで働くことも考えていしました。

しかし、この春より就職を見据えて数多くの投資銀行を回る中でやはり投資銀行への憧れが強く、気持ちは固まりつつあります。

もちろん憧れや意欲だけで成功するほど簡単な世界ではないことは十分理解していますが、自分の意志は強いものがあります。

ただ、懸念があるのもまた事実です。
一度道を外れてしまうと研究者に戻ると言うことは容易ではないこと、6年間自分の生物学者という将来に資金援助をし応援してくれた両親への罪悪感、これらの問題への答えをこのわずか2~3ヶ月間の自分の決心で出してしまってよいのでしょうか。

もし同じような経験をされた方がいましたらご意見をお伺いできたらと思います。

回答: 大学の専攻で、就職先に制限をかけてはいけない

大学ないし大学院での選考に、就職先を縛られてはいけません。

まず第一に、同じような相談者さんは、数多くいらっしゃいます。最近も、東大の薬学部で投資銀行に目覚めた人が、学者になれと応援してくれた田舎の親に申し訳ない、、、などと相談をしてこられましたが、大学で学んできたことと直接関係ない職業を志望し、活躍される方は、いくらでもいらっしゃるのです。

第二に、大学の専攻を選ぶ時点で、貴方はその先の就職まで考えたわけではないでしょう。仮に自分で選んだことになっていても、選ぶ基準、つまり思考回路は巧妙に社会ないしご両親から、意識・無意識的にインストールされていることも多いモノです。やれ医者か弁護士になれ、社会的責任の大きな仕事で社会に貢献せよ云々が、その典型例です。

残念ながら日本の教育システムで育てられた学生さんたちは、社会にいかに広い職業の選択肢があるかを知る機会を与えられていません。

様々な経験を通じ自分はどんな仕事をしている時、どんな経験をしている時、どんな生き方をしている時輝くのかも知らずに、大学の専攻を選んでしまっているのです。

それが就職活動を通して選択肢が広がった時、ご自身の希望職種が変わることは十分考えられることで、極めて自然なことです。

第三に、(多様な業種や会社の変遷や今後に携わる戦略コンサルで長年働いています、という親でもない限り)親のアドバイスは、キャリアの相談には総じて、助けになりません。

なにせ30年前のご自身が就職活動をされていた時代の軸で判断されますので、相当時代とかけ離れた偏見が強いものなのです。デジタルイノベーションや5G、ステイホーム、年功序列終身雇用崩壊、、、これらが無かった時代のメンタリティで、今の就活アドバイスをされても、「お気持ちはありがたく頂くけど、自分の決断を応援して」と最後は主体性を発揮することをお勧めいたします。(というのも、親の期待に応えて、やりたくない仕事を選んでしまうと、仕事で挫折失敗した時に、親の生にして家庭崩壊に繋がるため。)

ご両親があなたに特定のキャリアを期待するのも、本質的には貴方が幸せになるためです。その幸せの定義と、それに繋がるキャリアの選択肢が、世代間、また個人個人で異なるのは当然のことなのです。それこそ下手したら、銀行に行って生涯安泰、、とか思われている方も、少なくないのです。

6年間の専攻を、数か月の就活で路線変更していいのかという疑問について

貴方はここで、もう一つの重要な質問をされました。これまで6年の歳月をかけて勉強してきた分野で、かつ博士号をとって研究者になろうとしてきたのに、ここ数か月の就活で、いきなり外資系投資銀行に進路を変えてしまってよいのかという、健全な御悩みです。

これは、仮にあなたがこれまで勉強されてきた分野に全く興味がなく、親の期待に応え、研究室の先輩の進路の後追いでズルズル来たという場合でしたら、これを機に主体的な意思決定で路線変更されると良いでしょう。ただし投資銀行の仕事に幻想をお持ちで興奮されている可能性もありますので、その実態をよくよく調べた上で意思決定するようにしましょう。また投資銀行でしたら、別に2年くらいやって、いざとなれば大学に戻ることだって可能なはずです。

なお、これまでの専攻分野に対しリーズナブルに興味・関心が強く、バイオテクノロジーの分野で社会貢献できる可能性の方が、インベストメントバンカーとして社会貢献する自分のイメージより強いのであれば、投資銀行の仕事は長くは続けられず、業界もピークは過ぎただけに、前者にベットされることをお勧めします。

最後は御自身に対する理解の深さ、志望業界に対する理解の深さで決めるべきものであり、間違っても”これまで6年も勉強してきたのだから、、”といったサンクコストや、親の期待が、、、という承認欲求で決めることのないよう、くれぐれも気を付けましょう。

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