
監査系BIG4の中でも、コンサルティングファームとして最も若いKPMGコンサルティング。アクセンチュア、PWC、アーンストヤングやSI、事業会社から大量に雇い、急速に拡大中です。ともすれば寄せ集めでバラバラ、コンサル未経験者が多すぎるなどと揶揄されがちですが、他コンサルティングファームと比べたときの特徴はどのようなものでしょうか?以下に解説します。
KPMGコンサルティング転職・就活前に知りたい、7大ポイント
KPMGは監査法人からスピンアウトして作られた、若いコンサルティングファームです。KPMGのブランドの元、多くの競合ファームや事業会社から人を採用し、急速に組織が拡大しています。
以下ではそんなKPMGコンサルティングを他のコンサルティングファームと比べたときの、転職・就職面接前に知っておきたい7大ポイントを解説します。
1.監査法人の参加でコントロールが強い
グローバルブランド、KPMGの名前で案件を拡大しましたが、他の総合系BIG4の中で唯一、社長が監査系より来ていて、良くも悪くも監査法人の強い影響下にあります。
この組織ストラクチャーの違いが、以下諸々の特徴につながっています。
2.人に優しく労働時間は比較的短い
上記1もあいまり、労働時間は短い方です。現在の社長も「人に優しい会社」を打ち出しており、一部攻撃的な上層部を除き、全体的には穏やかな人が多いという評判を確立しています。コンサルティングファームの割に午後8時以降にはほぼ誰もいないという、欧州のコンサルオフィスのような状態になっています。
3.グローバルで英語を使える環境
入社時から英語を見られており、日本のコンサルティングファームの中では外資系の中でも、英語力の高い人が多いです。
しかし反面、グローバルプロジェクトはそれほど多くなく、また英語ができるだけでコンサルの経験が未熟な人も多数います。(なお実際に、KPMGから転職してきた人と一緒に働くと、英語を使いたがる傾向にあります)
4.統一的なカルチャーの欠如
BIG4の中では最も後発のコンサルティングファームであるため、大量の中途採用を他のBIG4やSI会社、事業会社から採用しました。
結果的に統一的なカルチャーはなく、よく言えばこれからカルチャーを作っていく、悪く言えばバラバラで出身母体による上層部の政治闘争が激しいことでも知られています。
5.一緒に働くパートナー次第で大きな違い
上述の通り、多様な企業からの寄せ集め状態であるため、統一的なカルチャーの欠如が、上につくパートナー次第で勤務経験が大きく変る事態に繋がっています。
これは総じてどのコンサルティングファームでも存在する不満ですが、歴史が浅く寄せ集め状態であるため、この傾向が最も顕著な会社の一つです。
6.実質的にはSI・ITコンサル
戦略コンサルティングサービスを標榜していますが、実質的にはSI, ITコンサル案件が大半です。
他のBIG4でも同様の不満が聞かれますが、KPMGコンサルティングではこの傾向が特に顕著です。
7.相対的に低い給与水準
人材不足と監査法人系カルチャーの影響か、稼働率が低くても解雇されないので、全体的な給与水準が下方に引きずられる傾向にあります。BIG4総合系の中では最も低い給与水準に当たり、結果的に転職する人も多く、大量の離職者を大量採用で補うパターンに嵌ってしまっています。
以上、BIG4総合系コンサルティングファームの一角、KPMGコンサルティングの、他コンサルファームと比べたときの特徴を概観しました。
KPMGというグローバルブランドの強みと人への優しい態度、反面でこれといった強みと統一カルチャーの欠如、結果的な高い離職率を鑑みたうえで、ご自身とのフィットを見極めた転職・就活の一助に慣れれば幸いです。