
トップMBA留学を果たすと、スポンサーしてくれた古巣に申し訳ないと思いつつも、戻りたくなくなるもの。その時、どのようにすればいいのでしょうか?
MBA留学後、会社を辞めて転職したいが、どうしたらいいか?
Strong Careerに登録して相談をしてくる方の中には、現在ハーバードやシカゴブース,ロンドンビジネススクールといったトップMBAに在籍中の方々も多い。
そしてこれまた多いのが、総合商社や官公庁にスポンサーを受けて、給料をもらいながら学費も出してもらって留学という、悠々自適なケースだ。
はっきり言って、このMBAスポンサーパッケージと労働時間を考えたら、MBAに会社から送ってもらえる自信があるなら、日系企業の方が”MBA後までのトータルパッケージ”はよっぽどよかったりする。
MBA留学で視野が広がった結果、申し訳ないけど古巣に戻りたくない!
さて、海外一流MBAに行くと視野が広がり、人間関係も世界に広がり、やりたいことも変わるし、むしろそのために行くのがMBAだが、会社スポンサーを受けていると”古巣に戻って最低5年”などのコミットメントがあったりする。
ただ、留学を終えて5年もたつとすっかり留学時代のモティベーションやインスピレーションは消えて、すっかり日本の大手町の灰色のコンクリートの一室に通うサラリーマンに逆戻りしているケースも少なくない。
しかしながら、お世話になった会社・上司が期待して送り出してくれた手前、彼らの信頼を裏切るようなことはできない―などと人情味あふれることを考える人も少なくない。
では実際のところ、スポンサーを受けてトップMBA留学を果たした人は、この”転職したいけどお世話になった古巣を裏切れない問題”にどのように向き合っているのだろうか?
転職先が、20万ドルの留学費用を肩代わりしてくれることも少なくない
答えを言えば、”数年律義に働く”ケースと、”スポンサー受けたお金を返して転職”するケースがある。
また後者でも、✔会社が裏切りと見なし怒るケースと、✔”わが社が人材を社会に排出したんだと思おう”と、太っ腹に送り出してくれるケースがある。
某総合商社に聴けば、だいたい半分くらいの人は帰ってこないというので、送り出す時点で半分は”退職引当”しているのだろう。
しかし、合計20万ドル近くかかるお金をどう返せばいいのか?
会社から支援を受けたMBA留学費を、転職先に買い取ってもらう
実はトップ校はどこもなんだかんだいって奨学金があるのでその半分くらいは賄える人も多いのだが、それでも1000万円以上を会社に返さなければ、退職もできない。そんなとき、どうするのか?
実はどこのグローバル企業もトップタレントの奪い合いは熾烈なので、MBA留学後に面接した企業が気に入ってくれたら、その”留学補助金”を買い取ってくれる、つまり肩代わりして古巣に払ってくれるのだ。
実際、コンサルファームにスポンサーを受けてトップMBA留学を果たした友人は、卒業時に某多国籍企業に転職したが、古巣のコンサルファームへの借金を、その企業が肩代わりしてくれたのだ。
MBAの交渉のクラスで学ぶことの基本ではあるが、なんでも交渉してみるものである。
MBAでの授業の重要な教訓:なんでも交渉してみることが重要
もし現在トップMBA留学中で、”せっかくGSBまできたんだから、また総合商社に戻るのもなぁ…でも借金返すのも大変だし。。。”と思われている方は、今の面接先に持ち掛けると意外とあっさり買い取ってくれるので、是非相談されてみて欲しい。
なお、善い会社であれば誠意を尽くして説明すれば、”裏切り者!”などと阻害せずに、”よい人材を社会に返せた”等と広い心で送り出してくれるものなので、過度に心配されない方がよいであろう。
ただしもちろん、”金返せばいいんでしょ!”みたいな不遜な態度で古巣との関係を損ねる人は、ビジネスパーソンとして二流の暗闇に転落していることは、言及するまでもないだろう。