下位コンサルから上位コンサル(MBB)に転職する時、最低限入るべき会社はどこ?

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転職にあたりどのレベルのファームなら他社でも評価されるのかという質問をいただきました。しかしこの問いは安直な問いであり、安直に答えることはできません。そもそも他社で評価されることを目標にしていいのか、もっと自分で主体的にやりたいことを考えたらどうかという問題もありますが、ファームのブランド名より何をやって何を学び、出来るようになったのか、そしてどのような人脈を手に入れたのかが、マッキンゼーですぐクビになるよりよっぽど将来価値が高いのです。

一橋大学法学部 Iさんより質問

外資コンサルのOBの方に、コンサルの就活は実際10社受けて一社でも受かれば儲け物という世界で、転職も頻繁なのでまずは業界に入ることが大事だ、といわれたことがあります。

この意見自体にはコンサル就活の難しさを知った自分も納得できるのですが、実際問題コンサルファームといってもピンからキリまであります。

学歴と同じでいくら個人の実力で評価されるといっても他のファームに転職するに当たり評価されるファームというのはある程度決まっているのではないでしょうか?

転職にあたりどのレベルのファームなら他社でも評価されるのか(できれば具体的に社名まで)を教えていただきたいです

講師からの返答

転職に当たり、どのレベルのファームなら他社でも評価されるのか、具体的に社名まで教えてほしいというご相談を頂きました。結論を言えばまず第一に、どの業界への転職なのかによって変わってきます。

第二に、そのファームでどれだけ活躍したか、どれだけ学んだかの方が大切です。

仮にMBBに入って全く活躍せず1年で退職に追いやられるのと、それこそBIG4やセカンドティアで大活躍して案件を豊富にこなして2段階昇進するのとでは、自分自身が得られるものも、転職の機会の幅も大きく変わってきます。以下で各論を論じましょう。

コンサルが急増したため、MBBすら「クオリティコントロール」の役割を果たさなくなった?

転職に有利なファーム名ですが、勿論MBBがトップティアとして転職市場でも評価されますが、これは誰でも知っているのでそう答えても仕方ないことでしょう。

もちろん、ATKだってベルガーだってADLだって、その後の転職先によっては高く評価されます。

しかしここで重要な変化は、もはやMBBということがクオリティコントロールや希少性の役割を果たさなくなってきていることです。

これだけコンサル各社が人員拡大すると、人材の質が落ちていることはMBBとくにBの大きい方の社員がよく嘆いています。(ベインはあまり増えてないので、BCGの話なのは丸出しですが)

よって、単に会社のブランドネームに頼る転職は危険ですし、実力が伴わないのに会社のブランドだけ手に入れても、転職後に期待値と自分が提供できるバリューとの差に苦しむのは、結局自分自身なのです。

コンサルで経験できることも大きく変化~どのブランドネームを得るかより、何を経験して何を学び、それが自分がやりたいネクストステップにどうつながるか?が重要

またコンサルのプロジェクトも、以前のように戦略をつくるのではなく常駐でエクセキューションタイプが増えているので、戦略ファーム出身者なのに、戦略つくったことがない人も増えているのです。

当然、いわゆるトップティアファームでなくても、そこで活躍されていて、ビジネスパーソンとして尊敬できる方であれば、MBBを実質クビになったコンサルより認められることも大いにあります。

デロイトをはじめとするBIG4でも優秀な人は優秀ですし、その優秀さは”誠実に仕事に打ち込み、クライアントに本質的に貢献し、喜んでもらうことを我が喜びとする”という思考パターンの人は、どの業界にいっても活躍してくれるものなのです。

コンサルからの転職先業界次第で、ファームのブランド名や人脈の重要性も当然変化する

転職時にご自身が高く評価されるファームは、コンサル後に転職する業界によっても変わってきます。

たとえば外資系プライベートエクイティの業界では、ブランドが重視されるので、マッキンゼー出身者が一番多いです。

そんな彼らの中では古巣でのネットワークも強く、10年前にロンドンオフィスで一緒に働いていた、、とか、その後ハーバードMBAで同じクラスだった、、等の長期的人間関係のネットワークが強いように思われます。

他にもボストンコンサルティンググループやベイン等もトップティアとしてグローバルに認識されているファームであり、PE業界への転職組の中にもこれらコンサルファーム出身者が非常に多いです。

ですが、これがスタートアップへの転職になると、ブランドがあっても役に立たない人はすぐ出て行ってもらうことになります。

ブランドより仕事をやってくれるかどうかが重要な小規模組織では、そもそも自分の強みがその転職先で活かされるのかどうか、やりたいことや重視している価値観でフィットの高い企業なのかどうかの方が、どのレベルのファームを出たかより、転職可能性とその後の成功に大きく影響します。

そもそも、コンサルとして向いていたのかどうか?

なお、貴方は”他のトップティアのコンサルファームに転職するときに評価されるコンサルファーム”という質問をされているかと思います。

その際は別に前職のファーム名だけが見られるわけではありません。

すでにコンサルという仕事をされてこられただけに、そもそも向いているのかどうか、(以下は転職時のポジション次第ですが)顧客を引っ張ってこれるのか、プロジェクトを回せるのか、周囲と上手くチームワーク出来るのか、それらの”コンサルとのフィット”がより具体的に分かっているはずです。

具体的に言えば、デロイトやPWCなどでファストトラックで二段階昇進してボーナスも一番もらっています、という人は当然MBBへの転職も有利になるでしょう。

なお、下位ファームから上位戦略ファームへの転職という意味では、たとえばBIG4からならデロイトが比較的有利、、、みたいなのは特にありません。

もちろん誰も知らないブティックファームで「そこで経験する仕事の質」が全く想像できない場合は別の話ですが、BIG4や某B社、某C社など日本市場で比較的名前が浸透しているコンサルファームであれば、具体的なファーム名というより、”そもそも前職でトップパフォーマーで、コンサルとしての適性が証明されたかどうか”がより問われることとなるでしょう。

ブランド狙いでコンサル志望しても、たいてい成功しない理由とは?~コンサルファームの名前だけでは、転職後・独立後に食べていけない!

なおコンサルタントの中には、コンサルファームの看板で食べているだけの人と、そのコンサルファームの看板をより輝かせ、看板を支える優秀な真のコンサルタントの二種類がいます。

よく、会社のブランドが欲しいだけでとにかく入社することが目標になっており、その後はまったく活躍できず社内でも干され気味だったのに、早期に退職に追いやられた後で「元MBB」などと威張っている人を見るのは、肌寒いものを感じるものです。

くれぐれも、「レジュメに書きたいから」という志低い理由でフィットも低いのに入ってしまうと、そのブランドにぶら下がって生きる、志の低いプロフェッショナル生活になってしまうと自戒しましょう。

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