
「なにか魔法のような秘策があるに違いない。」いざプライベートエクイティ転職を思い立ったものの、未公開株投資未経験の私には、そもそもどこから始めたらよいのかわからない。ここで私は、プライベートエクイティ転職を志す人々が陥る典型的な罠にはまっていた。
プライベートエクイティ投資未経験者の転職者が陥りがちな面接対策
いざプライベートエクイティ転職を思い立ったものの、未公開株投資未経験の私には、そもそもどこから始めたらよいのかわからない。ここで私は、プライベートエクイティ転職を志す人々が陥る典型的な罠にはまっていた。
すなわち、プライベートエクイティ転職を成功させるにあたって、「なにか魔法のような秘策があるに違いない。」と甚だしい勘違いをし、その秘策を探し出すことに奔走してしまうことである。
だから私は、プライベートエクイティ業界の本質や内情について勉強するかわりに、「どこがいま人を募集しているか」「面接でどう答えればウケがいいか」「xxxキャピタルでは、面接で特に本気を出すべきべきキーパーソンは誰か」等々、あたかもスマホゲームを攻略するかのように、本質からずれた技巧的な思考回路に陥ってしまっていた。
いかにこのような行動が的外れで且つ逆効果であるか、いろんなツテをたどってプライベートエクイティ業界のひとたちに話をきいてみて、私はやっと知るに至る。いまとなっては思い出すだけで赤面してしまうが、技巧的な転職手法を模索してまわる私に、業界人の人たちは親身に諭してくれたのである。
未経験者によるプライベートエクイティ転職に、魔法の面接対策などない~”個人として信頼できるかどうか”が絶対に重要
しかも驚くべきことに、業界人の皆が同じことをいうのだ。「未経験者によるプライベートエクイティ転職に、魔法の条件や秘策など存在しない。」ということ。ただしかし、「一個人としてその人が信頼できるかどうかは、真似たり隠したりできるものではないが、絶対に重要である」ということ。
私はそれを聞いて愕然とする。そうであれば、魔法の秘策を聞きまわる私こそ、「プライベートエクイティ転職で面接相手を欺き、自分を実物以上に思ってもらうための裏技を教えてください」と言いふらしているようなものではないか。
自分は別に職に困っているわけではない。本来は、プライベートエクイティ転職に純粋に関心があったからこそ転職活動を始めたのだ。自分がプライベートエクイティファンドに何を求め、逆に提供できる価値は何で、そしてそれをどのように表現すれば私の「本音」として相手に伝わり、信頼を勝ち得るのか。
「自分で自分の本音を掘り下げる」という、後から振り返れば最も重要なプロセスであった自己探求が、ここに始まったのであった。