プライベートエクイティ転職志望者(米系投資銀行VP)からの御質問と回答

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ストロングキャリアのフラッグシップ商品の一つである、PEファンド転職面接対策テキスト御購入者の皆様は、弊社に引き続き3問まで無料でご質問頂けます。回答は全て、長期間国内外の一流PEファームで勤務する、現役のプライベートエクイティプロフェッショナルが行います。以下では寄せられますQAの一部を紹介させて頂きます。

テキスト内容に関するユーザーからのご質問と、回答内容

プライベートエクイティファンド転職対策テキストからの御理解を更にサポートすべく、御購入者の皆様より、テキスト内容に関するご質問を受け付けております。公益に資するご質問に関し、おひとり様3点まで弊社講師陣でPE業界で働くプロフェッショナルが、ボランティア回答いたします。

御購入者の方でご質問いただける際は、こちらまでご質問をお送りください。回答はこちらで掲示させていただきます。

プライベートエクイティファンドの目標リターン

質問:P.5/101 ・Net MoM 2.5xの場合、保有期間5年でIRRはc.20%、4年でc.26%と思料致しますが、IRR側の目標リターンを25%しているのは、実際の保有期間が4年であることが多いと示唆されている形でしょうか。

同ページの下部において投資期間5年との記載があったため。ソーシング等を含む期間に鑑み、保有期間は4年と想定されている形でしょうか。

又は、P.8においてはネットIRR20%との記載も御座いますが、20%を意図されていたということになりますでしょうか)。

回答:プライベートエクイティ投資の目標リターンは、グロス(つまりマネジメントフィーやその他経費を差し引く前のリターン)で2.5x、25%IRRが目標とされることが多いです。


このグロスリターンは、ネットリターン(つまり、マネジメントフィーやキャリー、その他経費支払い後)になると、リターン数値がかなり下がり、だいたい2倍の20%程度に下がることが多いです。

想定保有期間が4年なのかと言った議論ではなく、だいたい慣習的に2.5x、25%が目標と掲げられています。

プライベートエクイティファンドのマネジメントフィー

質問:マネジメント・フィーに関して、どの資金源をソースとして(LP出資分のうち、何らかのリザーブを設定しており、そこから徴収?)徴収したフィーがどう管理され、事業年度を通じてどう分配されることが一般的でしょうか。個別PEのポリシーに多分に依拠する方針かと存じますが、一般論として理解できれば幸いです。

回答:コミットメント金額に対し、最初の投資期間5年間は2%、その後は1.5%や、段階的に1%などに下がっていきます。フィーはLP出資分から支払われます。

キャピタルコールがあろうがなかろうが、コミットメント金額(つまり、要求に応じて出資すると約束した額)に対し、LPA(Limited Partners Agreement)で定められた%を乗じた金額が、LPAで決められた頻度で支払われます。

プライベートエクイティファンドのキャリー

質問:P.7 ・ページ下部のPointに関して、「ファンドサイクル10年在籍して1%ということなので、在籍期間が短ければ、年数に応じて案分される」との記載が御座います。

こちらは前提として担当案件がExitした後、ファンドがクローズするまでの間に辞めてしまった場合、その分は期間案分されるとの理解で宜しいでしょうか。リターンが確定しないとキャリーの規模も確定しないと思われますが、為念の確認となります。

回答:基本的には、その通りです。キャリーは、案件ごとに支払われる契約と、ファンド全体レベルで支払われる契約の2種類がありますが、大半は後者です。

ですので、仮にファンド2年目で辞めた時、8年後か何かにファンドが清算され、ファンドレベルのキャリーが発生していたら、貰えるはずだったキャリーの在籍年数で按分したものが、入ってきます。

ただ、入ってくるかどうかも、ファンドと社員の契約次第です。自分から辞めて競合他社に移れば、キャリーは喪失するという契約になっていることもあるので、一概には言えません。

プライベートエクイティ業界のゲートキーパーとは

質問:P.12 ・ゲートキーパー(住信。P.43では日生、アルプインベストにも言及)に関して言及頂いておりますが、GPとして住信等と通常どのようなやり取り(例:レポーティング等)がなされると想定すれば宜しいでしょうか。

回答:GPがアセットオーナーの公的年金などから資金調達するとき、公的年金は、ゲートキーパーによるデューディリジェンスに合格したところからしか、投資できません。

ですので、年金の代わりにゲートキーパーからのDDを受け、またLP向け報告をするイメージです。

質問:P.17 「ゲートキーパーと呼ばれるアドバイザーのお墨付き」との記載がありますが、こちらはどのような形/情報で「お墨付き」があるということを他の公的年金担当者等に伝達する形が一般的でしょうか。

回答:デューディリジェンスレポートや年次総会/四半期レポート、及びGPとのミーティングでの報告が、ゲートキーパーにより、そのクライアントである年金などアセットオーナーに対して行われます。

LBOファイナンス

 質問:P.19 ・レバレッジ:リファイナンスに言及されておりますが、具体的にどのような状況・タイミングで、「早期にレバレッジを返して売却するだけで、エクイティ投資額を2倍以上にする」ことが可能になることを想定されておりますでしょうか。

ブレークファンディングコスト等も見込む必要があるかと存じますので、相当程度のレバレッジが2年程度で下がり、コーポレートローン等に切り替えることで金利負担の大幅な減少を見込むことを想定されておりますでしょうか。

また、相当程度のレバレッジを下げるほどの大規模なCFが見込めるのであれば、LBO借入当初から比較的低い金利で調達できるのではないかとも思われますが、そこはレンダーとして実際にCFの確度が見込めない等の不確実性から、金利低減には繋がらないとの整理になりますでしょうか。

回答:最初の買収する時に、良い条件でレバレッジを合理的につけることが、レバレッジを価値の源泉としたディールの組み立て方です。

例えばですが、仮に6倍のバリュエーションで半分の3倍のレバレッジと仮定すると、3年分キャッシュフローでデットを返せて、同じバリュエーションで売れれば、二倍という単純計算です。

本来バイアウトローンはLIBORに850BPSつけるようなハイリスク商品でした。それが300BPS, 200BPSと下がり、今ではさらに低い金利で銀行が出してくれます。その際は、リファイナンスからのリターン効果は大きく望めないのは、ご指摘の通りです。(但し、リファイナンスで50BPSとかに下がると、結構大きいのですが。)

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