
電通、博報堂といった広告会社からコンサルファームへ転職を希望する方はたくさんいます。そして実際、かなりの数の中途コンサルが、電博出身だったりもします。以下では電通のような広告会社のほうが向いている人の特徴、電通などからコンサルに移ったほうがいい人の転職理由などを解説いたします。
広告業界でのキャリアを続けるPro& Con6大ポイントとは?
1.仕事好きが多く、仕事へのコミットメントが高い
電通や博報堂で幸せなキャリアを築いている人は、そもそも広告の仕事が好きで、長時間勤務することをいとわず、自然と仕事へのコミットメントが高い人々です。
また、おそらくその他の職種だと仕事がまったくできないだろうクリエーター系の人が重宝されるのも、「消費者受けうるのは何か」というセンスが重視される、広告業ならではの特徴です。
有名な電通鬼十則(以下参照)に代表される「仕事への強いコミットメント」という、電通カルチャーへのフィットが重要です。
この内容は、特に太字の部分などはコンサルや他のビジネスでも共通する仕事の基本でもあります。以下に参考に掲示いたします。
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
2.コンサルと共通点~多様な業種のナショナルクライアントと働ける
電博といいますが、実際は電通が圧倒的に大きなマーケットシェアをもっています。
広告市場最強のリソースで、多様な業界の大手ナショナルクライアントとともに、大型案件に参画することができます。
また、打ち手は結局マーケティングというか、コミニュケーション周りに偏ってしまうものの、消費者向け商品・サービスを提供する幅広い大企業の課題を分析し考えることができるのは、この意味で戦略コンサルの仕事と一部共通しています。
なおこの「多様な業界に携わりたい」「クライアント企業の課題を考えたい」というのが、コンサル・金融希望者と一部併願者が多い共通点ともなっています。
3.エンターテイメントマインドが強く、社会の消費喚起をできる
芸能人や経済界のドラ息子が一定割合縁故採用されていることでも知られていますが、「面白いことしたい好き」の比率が多い会社です。
マスメディア、芸能界とともに働くことも多く、特にクリエ―ティブ部門などは「面白いイベントで消費を喚起したい」というエータテインメント精神を大切にしている人が多く働く業界です。
普通、面白いことを考えるお調子者系の人は、多くの業界で地道な事務や書類作成の仕事ができないものです。
結果的に「学校での人気者、社会での落伍者」になりがちなのですが、「面白いことを考え、言える人」に需要があるという、珍しい業界の一つだと言えるでしょう。
4.超安定企業、年功序列で比較的高給が継続~しかしホワイト化の代償も
いわゆる日本企業カルチャーが合わない人には、そのいささかジュラ紀・白亜紀的な企業カルチャーに、物足りなさも感じるでしょう。
電通も博報堂も日本を代表する大企業であり、解雇されることはなく、実力主義もあまり機能していません。
年功序列・体育会カルチャー・多すぎる飲み会といった、「昭和系大企業三種の神器」は、この両社で今も健在です。
仕事の量はできる人に偏りますが、給料の差はたいして尽きません(500万スタート、30で1000万、中盤で1500万、以降伸びは鈍化)。
一方で残業代で稼いできた若手サラリーマンは、例の不幸な一件ののちに急激に浸透した「働き方改革」で残業が削減され、給与減少の憂き目にあっています。
5.いつまでいるかは考え物~斜陽産業・成長カーブは30代から落ちる
電通、博報堂など広告会社をやめたい人が良く言うポイントですが、広告代理店なのでやはりクライアントへの関与の仕方が広告(とくにコミニュケーション)しかなく、幅広い経営課題に参画したいというものです。
また20代で学んだことを、その後も長らく同じことを繰り返すので、成長カーブが30代中盤で著しく落ちることに危機感を感じて、20代後半や30代前半で、電通からコンサル転職を志望される方もたくさんいらっしゃいます。
かつ、やはり広告枠を買ってそれを売るマージンで生きるビジネスモデルに先がないことへの不安感を理由に、転職される方も数多くおられます。
6.配属先次第では、全くやりたくない業務を大嫌いな人とやる羽目に
これも典型的な「電博キャリアリスク」なのですが、配属先を選ぶことができず、希望と全く違う業務内容のところに配属されてしまうことがあります。
自分と性格が全く合わない上司の下で働かされたりすると、カルチャーフィットと業務内容に対するフィットのなさで、電通・博報堂からのコンサル転職を選ぶ人がいらっしゃいます。
以上、電通への就職が向いている人と、電通からコンサルなどへ転職する人の特徴をまとめてみました。
就活・転職時の参考にしていただければ幸いです。