
銀行でのキャリアに不安を抱えておられませんか?特に30代、40代前半の方は、新卒入社時はそれなりのステータスがあった銀行が凋落し、改善のめども立ちません。長期金利の継続的低迷、異業種からの参入、AIによる代替。この3大危機の中、50歳まで居て企業年金逃げ切りモードに入るには、まだ先が長すぎて不安です。無責任で出世できず、銀行改革の方向性の限界を受け、優秀な若手銀行員ほど早めに転職しています。
銀行から即・転職すべき深刻な理由とは?未経験者がコンサルに転職した3大理由!!
私は某メガバンクから欧米MBA留学を経て、コンサル転職し、今は海外にいます。結果的にとてもハッピーに過ごしています。いま日本のメディアでは銀行の人員削減が取りざたされていますが、同期を見渡しても、優秀な人ほど早めに銀行から転職しているように思います。以下では銀行から転職した方がいい3つの理由を書きたいと思います。
銀行から転職すべき理由①:責任がない
これは銀行に長らくいる方なら痛感されると思いますが、銀行は無責任な人を多く生み出します。あの10人にわたる多くの人がハンコを押しまくるものの、別にその案件が失敗したからと言って、誰も責任を取らなくていいのです。いうならば、”赤信号みんなで渡れば怖くない、稟議書のハンコ、みんなで押せば怖くない”の世界です。
これは日本の官僚風土の影響をもろに受けていると思いますが、そもそも無意味に見える大量の書類を顧客に課しているのも、別に銀行が馬鹿だからではなく、監督の金融庁が課してくるから仕方ないのです。
無責任なお役所体質、非効率な官僚体質ともに、日本の官僚風土の悪影響をもろにうけ、無責任体質に仕上がってしまっていると思います。
銀行から転職すべき理由②:出世できない:儲かる年次は終わった
これも日本の銀行特融のシステムですが、そもそも入行時点の学歴などで、出世コースおよびどこまで出世できるかがほぼ決まってしまっています。それは配属される部署や配属先の支店からも明らかです。そして、不要になったときに切られるのも、銀行カーストの下部からになります。
よく銀行不要論が取りざたされていますが、AIなどの影響をもろに受けるリテールと、法人向け金融業務は事情が大きく異なります。支店の下っ端はどんどん減らされるでしょうが、法人向けの東大卒は最後まで生き残るでしょう。入社時点の限られた学歴で出世コースが決まってしまうのも馬鹿らしいですが、これに加えて年次ごとの差が大きいです。
ご存知のよう、銀行は40後半になってくると仕事内容は格段に楽になるのに、年収はかなり増えますし、また手厚い企業年金の受給資格も確定します。この年代まで勤務し続けるなら別ですが、今の若い私たちの世代で40中盤まで銀行にいて、現行制度が維持されているとは思えません。この仕事を続ける機会費用は今や、非常に大きいのです。
つまるところ、既に銀行で美味しい思いをできる時代は若い世代にとっては終わっており、中でも学歴社会でいわゆるトップティアで卒業していない人は、銀行は下克上のアリーナではないことを肝に銘じる必要があるでしょう。
銀行から転職すべき理由③:銀行改革の方向性に無理がある
そして私がメガバンクからの転職を勧める理由は、その改革の方向性にやはり無理があるということです。
たとえば最近ベンチャー投資やベンチャー支援などを打ち出していますが、そもそもお金を預かってできた現金を、バランスシートからエクイティに投資していいのか、という問題意識は多くの人が感じるでしょうし、そもそも銀行員はエクイティ投資をするセンスもなければ、トレーニングも受けていません。
金融庁の方針次第でオルタナティブ投資を勧めたり、地方再生のために地元活性化プログラムとかを始めたりしますが、ビジネスモデルの根本的な問題点は変わりません。低金利が続く中、本業で儲からないので投資信託など金融商品を売って手数料で稼ぐビジネスの比重を増やそうとしていますが、こうなると本来の銀行業務から程遠くなってしまいます。
メガバンクからコンサル転職後の感想:銀行時代にやりたくてもできなかった仕事ができるように
私はMBA留学を経てコンサル転職を果たしましたが、地方企業の海外進出をサポートするプロジェクトに参画するため海外勤務が多くなり、銀行時代に本来やりたかったけどできなかった、”日本企業の海外進出”などのプロジェクトの機会に多く恵まれ、コンサル転職を果たして本当に良かったと思っています。
私ももとはと言えば、元銀行員で業界に危機感を抱いて銀行を辞め、元銀行員をコンサルなどの企業に転職させる支援を行っているヘッドハンターを通じてコンサル転職を果たしたのですが、今後も銀行からコンサル転職を始めとした若手バンカーの多様な業界への転職は急増していくのだと思います。