頭はいいが、コンサルには向いていない!?~東大院生マッキンゼー模擬面接解説

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東大院生のマッキンゼー模擬面接模様です。頭はよいのだけれども、コンサルには向いていないのが滲み出る模擬面接事例として、解説いたします。

大学/大学院( 東京大学院 )   
学部(工学系研究科) 
氏名(MT) 
第一志望はどの会社ですか? 
(マッキンゼー   )

なぜこの会社を志望していますか?

候補者回答

戦略コンサルという業界を志望する理由は、今まで培った論理的思考力を生かすことができると共に、自分の仕事が世の中、経済に与えるインパクトが非常に大きいところに魅かれたからである。

その中でさらにマッキンゼーを第一志望におく理由は、世界一のファームにjoinすることは自らの成長曲線をもっとも高く持ち上げることになりそうだと感じたからである。

また、戦略ファームの中で唯一自分でプロジェクトを選ぶことができる、キャリアデザインを自ら描くことができるということも大きな魅力である。

解説:平凡さと誤解

経済に与えるインパクトの大きさ、トップファームでの成長カーブの大きさなど、ありきたり以外の何物でもないだけに、仮にその路線で突っ走るなら、具体的な中身で原体験に繋がるユニークさが欲しかった。

なおマッキンゼーはジェネラリスト路線やスペシャリスト路線があったりと確かにある程度キャリアデザインを描くことはできるが、別に自分でプロジェクトを選ぶことができるかどうかといえば、それはどのコンサルファームでも、自分のパフォーマンスと評価により蹴りである。

その会社に活かせる、あなたの強みは何ですか?具体的にお答え下さい

候補者回答

難しいことに率先的に取り組み、そして最後までがんばり抜く力である。

卒論でも皆がやりたがらなかったまったく新しい手法を使って斬新なシミュレーションモデルを作るという課題に進んで挑戦した。(大学では市場の不確実性を模擬するモデルの構築とシミュレーションを行う研究を行っていたので、刻々と変動する市場の動向に対して自分が考えたストラテジーがシステムに反映されそれを元に売買するという躍動感溢れる仕事に魅かれた。)

非常に難しいアルゴリズム構築の問題に何度も挫折し、時間はほとんど残されていなかったが、決して諦めることなく自らの知力・体力をフルに稼動し続けた結果、ぎりぎり卒論提出の3日前にモデルを完成させることができた。

あなたの弱みは何ですか?

候補者回答

自分が重きを置かないことに対して非常に無頓着なこと。
必要でないものと思ったらとことん手を抜いてしまう。

例えば部屋の掃除なんかが最たる例である。

掃除なんか時間の割に絶対に合わないと感じる私はほぼまったく掃除しない。部屋はエントロピー増大の原則にそって汚くなる一方である。

ちなみに、あまりにひどくなると他の行動にも影響が出てきてしまうので、そこまできて初めて業者を呼んで掃除させることにしている。

いままでの人生で、最も大きな達成事項は何ですか?

候補者回答

上記の卒論を書ききったこと。
学会でも認められた。

いままでの人生で、最も難しかった決断は何ですか?

候補者回答

大学で上京することを決めたとき。

経済面からすると不可能だと言っていいほど非常に厳しかったので、まわりの反対は相当のものだった。

そんな中、バイトをしてでも新しい環境に身をおくことで自らは必ずより高い成長をすることができるだろうと最終的に判断して上京した。

10年後は何をしていますか?

候補者回答

知財運用に係る仕事をしている。

他にどのような会社/業界を志望していますか?

候補者回答

メーカー知的財産部・弁理士等

あなたを弊社が、雇わなければならない理由は何ですか?

候補者回答

私が他者と差異があり、なおかつ会社に貢献できると言える点は責任感という一点に尽きるであろう。

論理的思考力は他の人も同じくらい、もしかしたら私よりも長けているかもしれない。しかし、仕事ができるかできないかは持てる能力の問題の影響も確かにあるが、モチベーションや責任感の問題の方にも強く依っているはずである。私は責任を与えられて放り出したことはただの一度もない。

部活時代も遅刻・欠席したことは1回もなかった。ただの一回も。

社会人になればお金をもらうプロフェッショナルとしてそんなものは全員当たり前だと言えるかもしれないが、今まで責任を与えられたことのない人間が強い責任を与えられてそこから逃げ出さないことは、結構困難なことではなかろうか。

私ならどんなことでも責任を与えられれば、その期待に応えるべく最大限の努力をどんな時も払うだろう。それが私を雇わなければならない理由である。

最後に何か、質問はありますか?(会社にどのような質問をしていますか?)

候補者回答

もし、マッキンゼーが業績不振になったらどの会社が、誰が、コンサルティングするのでしょうか?

また、書籍等でコンサルティングの手法やロジカルシンキングの方法などはどんどん一般的になってきているが、目新しかったコンサルティングの手法や人材が時間と共に世間に流出することにより、事業規模は将来縮小していくのではないでしょうか?

解説:個人プレーでは輝くが、チームプレーが苦手そうで、コンサルとして活躍するイメージが湧かない

賢そうだが、チームで仕事をするとトラブルを起こしそうな空気を発散している。掃除ができないだらしなさも、強調して得になるものは何もない。また「業者に掃除をさせる」という、学生にしてこの上から目線は、日本の大人には嫌われるコミニュケーションマナーである。責任感の強さは伝わってくるのだが、一緒に働きたいかというと、ソフトスキル、EQが低そうで不安感を感じさせる人である。

なお、「マッキンゼーが経営に困ったらどうするのでしょう」は、失笑な質問だが、私も気になってしまった次第である。

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