
魅力的なレジュメで、書かれている内容も誠実さと優秀さが滲み出ているのに、会った途端「こりゃだめだ!」という就活生は、たくさんいらっしゃいます。日ごろはフレンドリーで明るくいい人なのでしょうが、面接になった途端、自然な笑顔が消えてしまう人たちです。笑いましょう。もちろん、面接で爆笑されても困ります。しかし適度なスマイルでアイスブレークすることは、面接に限らずビジネスで非常に重要なのです(対人インターラクションが少ない、トレーダー等は別ですが)。マック〇〇さんではないですが、口角を上げてスマイル!
面接では笑え!スマイルが激変させる、緊張就活生の印象と内定確率
東京大学工学系研究科Iさんより質問
投資銀行/戦略コンサルの面接をされていて気づく、優秀な学生でも誤解している可能性のある「やってはいけないこと、マイナスになること」があれば教えて頂きたいです。
面接である以上必ずマイナス要因になる、「雰囲気が暗い」、「言葉遣いが悪い」、「身だしなみが悪い」、「的確に言いたいことを表現できない」など以外の盲点になりそうなことがありましたら是非知りたいです。
講師による回答:いくら賢くても、可愛げのない人は雇いたくないという真実
優秀な学生、の定義にもよるが、所謂”お勉強はできるけど、チームワークの仕事が不可能な人”に多いのは、「受験的には賢いかしらんけど、むやみやたらと攻撃的なヒト。」
一番多い”受験エリート就活面接自爆テロリスト”のパターンは、自分の承認欲求が”あなた賢いね”と言われることで満たされるタイプで、やたらと”自分の方が賢い”というアピールをしようという人だ。しかしながら、就活のグループディスカッションで周囲を粉砕して恍惚に浸ってる場合ではない。
面接では””論理的思考能力”ではなく、”感じのいい、論理的グループ思考能力”がより重要なのである。
次に多いのは、ご指摘の通り”的確に言いたいことを表現できない人”だ。これは日本の国語教育の失敗の結果なのだが、やたらと背景をブツブツ話し出したり、起承転結で、結に来るまでが超・長かったりで、明確完結効率的に情報を伝達することが重要なビジネスコミニュケーションに必要な”簡潔な論理性”が身についていない人が、あまりにも多いのだ。面接する側は大量の学生さんに同じような話を聞くので、「結局何が言いたいのか端的に言ってくれる人」でないと、本当にイライラするのだ。しかしイライラを見せるとあとでSNSでぶつぶつ批判されるので、イライラしながらも表面上は興味深く聞いているように演じなければならないので、本当にストレスがたまるのである。
(ちなみに雰囲気が暗かったりする人はお宅系の学生にたまに見受けられるが、身だしなみが悪かったり、流石に言葉遣いが悪かったりする人にはあまり会った事が無い。)
三点目に指摘しておきたいのが、ズバリ、自然なスマイルの重要性だ。本来なら優秀なのに、面接でその魅力を9割減でアピールしてしまうのが(まぁ、コンサルやIBDと違い、人とのインターラクションが苦手でもOKな仕事なら別だが)、いかんせんスマイルが無くて、とっつきづらい人だ。緊張しているのかもしれないが、やたらとこわばった表情で攻撃的な人物を演じないこと。
多くの優秀な志望者が、“もっと笑え!!”とリラックスを促して突っ込んだときに見せた笑顔は、その人の印象を変える非常に大きな力がある。
私はこれを書いている今のつい数日前、コロナで出入国が面倒で自宅隔離が長いこの御時世に何をやってるのさと思われるかもしれないが、実はサンタモニカのレストランで、多少サービスは遅いし気も効かないサービスに不満であった。しかしながら、お兄さんが満面のスマイルだっただけでチップは15から18%に。
しかもクレジットカードの名前をみて名前つきでThank you, Mr ( )といってくれただけでチップは(悪いサービスにも関わらず)20%まで跳ね上がった。
同じことは通関でのろのろとした作業でいらだたせていたお姉さんが、ちらっと笑うと可愛かっただけで全て許せてしまうことにも共通する。
所詮人間、好きな感じかどうか、笑顔が好きかどうかで評定の多くの部分が大いに左右されるものなのだ。面接では間違っても、強張った表情で、一昔前のハリウッド映画で描かれた無表情で冷徹なロシア人みたいな表情(実際のロシア人は同じく暖かく良く笑うので完全なステレオタイプだが、あくまでたとえの話)で、面接に臨んではいけない。
それはまるで、わざわざ面接に出向いて、「落としてください」と懇願しているようなものなのである。